ダーツボードの数字はなぜバラバラ?20の隣が1と5の理由・順番の意味
結論から言えば、盤面の数字が不規則に並んでいるのは、狙いのずれを低得点に結びつけ、正確な投球ほど報われやすくするためと説明できます。
最高の基本点である20の両隣は5と1です。狙いどおりトリプル20に入れば60点ですが、同じ高さのまま左右へずれると、トリプル5の15点またはトリプル1の3点になります。
見た目には乱雑な数字の順番が、偶然の高得点を減らし、投球の正確さや再現性を得点へ反映させているのです。
ただし、現在の並びを誰が考案したのかは確定していません。ブライアン・ガムリンという人物が考えたとする話は有名ですが、裏づけとなる記録には不明点があり、別の人物を有力視する見解もあります。
1. 数字が順番どおりに並んでいない理由
標準的な盤面を上の20から時計回りに読むと、数字は次の順番になります。
20 → 1 → 18 → 4 → 13 → 6 → 10 → 15 → 2 → 17 → 3 → 19 → 7 → 16 → 8 → 11 → 14 → 9 → 12 → 5
1、2、3と連続しておらず、大きな数字と小さな数字が入り混じっています。
この配列が果たす主な役割は、大きな点数の近くへ投げるだけでは、高得点にならないようにすることです。
たとえば20を狙って横へ外すと、5または1に入ります。19の左右は7と3、18の左右は1と4、17の左右は3と2です。
主要な高得点の周囲ほど、ずれたときに点数が大きく下がりやすくなっています。
公益社団法人 日本ダーツ協会の解説でも、20や19のトリプルの左右には低いスコアが配置されており、投球が散ると3本を投げても非常に低い得点になる場合があると説明されています。
つまり、数字がバラバラに見えること自体が欠点なのではありません。
分かりにくい順番だからこそ、狙った場所へ正確に投げる技術が必要になる。
これが、現在の数字配置が持つ重要な意味です。
2. 20の隣が5と1である意味
盤面上部の配置を簡単に表すと、次のようになります。
左 中央 右
5 20 1
15点 ← トリプルなら60点 → 3点
シングル部分なら、20点を狙って左右へ外れた結果は5点または1点です。
トリプルリングの高さまで合っていても、横方向がずれれば15点または3点にしかなりません。
| 入った場所 | シングル | ダブル | トリプル |
|---|---|---|---|
| 5 | 5点 | 10点 | 15点 |
| 20 | 20点 | 40点 | 60点 |
| 1 | 1点 | 2点 | 3点 |
特に厳しいのは、20から1へずれた場合です。
トリプル20なら60点ですが、トリプル1では3点となり、得点差は57点にもなります。
重要なのは、「20の近くへ投げた」という事実ではありません。20の細い扇形の中へ収められたかどうかです。
数字の配置によって、方向のわずかな違いが得点へ大きく表れます。
日本ダーツ協会の20トリプルの練習方法でも、左右へずれると5や1の低得点になるため、ずれを抑える練習が必要だとされています。
3. 点数は数字だけでなくリングでも変わる
標準的なボードは、1から20までの20個の扇形と、中心のブルから構成されています。
同じ数字の場所でも、刺さったリングによって得点が変わります。
| エリア | 得点の決まり方 |
|---|---|
| 広いシングル部分 | 表示数字と同じ |
| 外周の細いダブルリング | 表示数字の2倍 |
| 内側の細いトリプルリング | 表示数字の3倍 |
| 外側のブル | 25点 |
| 内側のブル | 50点 |
日本ダーツ協会の競技ルールでは、ダブルは表示点の2倍、トリプルは3倍、外側のブルは25点、内側のブルは50点と定められています。
そのため、1本で得られる最高点は中心のブルではありません。
- トリプル20:60点
- 内側のブル:50点
- ダブル20:40点
「中心が最も高得点」と思われやすいものの、実際の最高得点はトリプル20です。
3本すべてをトリプル20へ入れると、合計は60×3=180点になります。ダーツ中継などで「180」と大きく紹介されるのは、1回に投げる3本で獲得できる最高得点だからです。
ただし、ゲーム終盤では最高点だけを狙えばよいとは限りません。
501などでは残り点をちょうど0にする必要があり、最後をダブルへ入れるルールも一般的です。局面によっては、ダブル16やダブル20、ブルなどが重要な標的になります。
4. 19・18・17の周囲も外すと厳しい
20以外の高得点にも、同じような特徴があります。
| 狙う数字 | 左右にある数字 | シングルで横へ外れた場合 |
|---|---|---|
| 20 | 5・1 | 5点または1点 |
| 19 | 7・3 | 7点または3点 |
| 18 | 1・4 | 1点または4点 |
| 17 | 3・2 | 3点または2点 |
| 16 | 7・8 | 7点または8点 |
| 15 | 10・2 | 10点または2点 |
20、19、18、17は高得点を狙うときに意識されやすい数字ですが、左右にはいずれも低い数字があります。
たとえばトリプル19は57点です。しかし、同じ高さで横へずれると、トリプル7の21点またはトリプル3の9点になります。
トリプル18なら54点ですが、左右へずれるとトリプル1の3点またはトリプル4の12点です。
一方、すべての場所が「高い数字の両隣には必ず低い数字がある」という完全な規則に従っているわけではありません。
たとえば10の隣は6と15、14の隣は11と9です。中程度以上の数字が隣り合う場所もあります。
したがって、数字の配列を単純な交互パターンとして説明するのは正確ではありません。より適切なのは、次のような理解です。
- 主要な高得点の周囲では、横ずれの損失が大きい
- 盤面全体に大きな数字と小さな数字が分散している
- 同じ一帯へ大まかに投げ続けるだけでは得点が安定しにくい
- 正確さや集中力が結果へ反映されやすい
20の両隣が特に分かりやすい例であり、同じ性質が盤面のほかの部分にも見られます。
5. 1から20まで順番に並べるとどうなる?
仮に時計の文字盤のように、1、2、3……20と順番どおりに配置したとします。
場所は覚えやすくなりますが、ゲームの性質は大きく変わります。
たとえば20の隣が19なら、20を狙って少し外しても19点です。18を狙って17へ入っても、失う点数はわずか1点です。
高い数字が集まった一帯へ投げるだけで、高得点を取りやすくなってしまいます。
現在の配置では、同じようにはいきません。
順番どおりの配置:おおよその方向が合えば高得点になりやすい
現在の配置:狙った扇形へ正確に入れなければ高得点になりにくい
この違いによって、初心者の偶然の一投と、上級者が同じ場所へ繰り返し投げる技術を区別しやすくなります。
不規則な数字の順番は、単にゲームを難しくするだけのものではありません。
- 狙いを定める力
- 同じ投球を再現する力
- 失敗した後に修正する力
- 集中力を保つ力
こうした能力を得点へ反映させる仕組みでもあります。
6. 数字の並びに単純な規則性はある?
盤面を眺めていると、「奇数と偶数が交互になっているのではないか」「高い数字と低い数字が必ず交互なのではないか」と考えたくなるかもしれません。
しかし、現在の順番に、そのような単純な規則はありません。
たとえば次のような並びがあります。
- 13の隣は4と6
- 10の隣は6と15
- 16の隣は7と8
- 14の隣は11と9
奇数同士、偶数同士が近くに並ぶ場所もあれば、比較的大きな数字が隣り合う場所もあります。
また、現在の配列が数学的に証明された唯一の最適解とまでは言えません。「最もよい配置」の条件をどう定めるかによって、答えが変わるためです。
たとえば、次のどれを優先するかで理想の配列は異なります。
- 高得点の両隣をできるだけ小さな数字にする
- 隣り合う数字の差を全体的に大きくする
- 盤面の一部だけが有利にならないようにする
- 初心者と上級者の得点差を大きくする
- 特定のゲームでの上がりやすさを均等にする
現在の順番は非常に巧妙ですが、数字の配列を作る方法はほかにも数多く考えられます。
したがって、「完璧な数式から導き出された順番」というより、正確な投球を求める盤面として、長く定着してきた配列と捉える方が自然です。
7. 狙うべき場所は技量によって変わる
高得点を取りたいなら、誰でもトリプル20を狙うのが正解とは限りません。
精度が高い人なら、60点を獲得できるトリプル20は非常に魅力的です。一方、左右へのばらつきが大きい人は、1や5へ入るリスクも大きくなります。
統計学者による研究A Statistician Plays Dartsでは、投球位置のばらつきを確率分布として扱い、期待得点を高める狙い場所が検討されています。
この考え方では、同じ盤面を使っていても、最適な標的は投げる人の精度によって変わります。
| 投球の傾向 | 狙い方の考え方 |
|---|---|
| 狙った場所へ高精度で集められる | トリプル20など最高得点を積極的に狙う |
| 左右へのずれがやや大きい | 19など別の高得点も試す |
| 盤面全体へ広く散らばる | 周囲に極端な低得点が少ない場所も検討する |
| ゲーム終盤 | 残り点に合わせてダブルや別の数字を選ぶ |
現在の配列が間違っているという意味ではありません。
むしろ、同じ盤面でも技量やゲームの状況によって戦略が変わる余地があることが、ダーツの奥深さにつながっています。
8. 数字の順番を考えたのは誰?
現在の番号配列を考案した人物として、よく名前が挙がるのがブライアン・ガムリンです。
1896年ごろ、イギリスのランカシャーで考案したという話が広く伝わっています。
しかし、ガムリン説を確定した史実として扱うことはできません。人物の存在や経歴、考案を裏づける同時代の記録が十分に確認されていないためです。
ダーツ史研究家パトリック・チャップリンは、数字配列の歴史に関する解説で、ガムリンの実在に疑問を示し、20分割の配列についてはトーマス・バックルという人物の方が有力だと論じています。
由来を整理すると、次のようになります。
| 説 | 概要 | 注意点 |
|---|---|---|
| ブライアン・ガムリン説 | 1896年ごろに考案したとされる有名な説 | 裏づけとなる記録が乏しい |
| トーマス・バックル説 | 20分割の盤面と現在につながる配列を作ったとする説 | ダーツ史研究家が有力視している |
| 確認できる役割 | 現在の配置は正確さを得点へ反映する | 最初の考案者とは別の問題 |
そのため、「ガムリンが考案した」と言い切るよりも、次のように表現するのが適切です。
ブライアン・ガムリンが考案したといわれていますが、確実な史料は乏しく、正確な成立過程には不明点があります。
数字の配置が持つ機能は説明できますが、その機能を最初に意図した人物まで確定しているわけではありません。
9. 初心者は20だけを狙えばよい?
高得点を取る代表的な標的はトリプル20ですが、初心者が最初から細いトリプルリングだけにこだわる必要はありません。
左右へのばらつきが大きい段階では、トリプル20を狙っても1や5に入り、得点が不安定になることがあります。
まずは20の扇形全体へ3本を集める練習が分かりやすいでしょう。
練習の順番は次のように考えられます。
- 20の広いシングル部分へ投げる
- 3本が20・5・1の周辺へまとまるようにする
- 左右のずれを減らし、20の中へ集める
- 安定してからトリプルリングを狙う
- 19、18、17など別の数字も練習する
盤面の場所を覚えたい場合は、1から20まで順番に狙う「ラウンド・ザ・クロック」も役立ちます。
すべての数字へ投げるため、方向を変えながら狙う練習になり、不規則な配置も自然に身につきます。
重要なのは、一度だけ60点を出すことよりも、狙った方向へ繰り返し投げられるようになることです。
10. よくある質問
Q. 20の左右はどちらが1で、どちらが5ですか?
投げる位置から盤面を見ると、20の左側が5、右側が1です。上の20から時計回りに進むと、最初の数字が1になります。
Q. なぜ20が一番上にあるのですか?
標準的な競技用ボードでは、20の区画を上部中央にして設置します。家庭でボードを回転させて使う場合も、数字リングを調整し、20が再び上になるように戻します。
Q. ダーツで最も高い点数はブルではないのですか?
1本の最高得点はトリプル20の60点です。中心の内側のブルは50点、外側のブルは25点です。
Q. ブルズアイとブルは同じ意味ですか?
会話では中心部分をまとめてブルやブルズアイと呼ぶ場合があります。競技上は、外側の25点と内側の50点を区別します。「シングルブル」「ダブルブル」「アウターブル」「インナーブル」などと呼ばれることもあります。
Q. 数字の順番を暗記しないと遊べませんか?
完全に覚えていなくても遊べます。ただし、数字の位置を覚えると次に狙う場所をすぐ判断でき、01ゲームの残り点計算やラウンド・ザ・クロックも進めやすくなります。
Q. 高得点を狙うなら常に20が正解ですか?
必ずしもそうではありません。投球が左右へ散る人は1や5へ入るリスクが高く、19など別の場所が安定する場合があります。また、ゲーム終盤では残り点に合わせてダブルや別の数字を選びます。
Q. ブライアン・ガムリンが考案者ではないのですか?
有名な説ですが、確実な史料で裏づけられているわけではありません。トーマス・バックルを有力視する見解もあり、考案者は確定していないと考えるのが安全です。
11. 数字の乱雑さがダーツの面白さを生む
盤面の順番は、見やすさや覚えやすさを優先したものではありません。
大きな数字の隣に小さな数字を置くことで、狙いが合った投球と、わずかにずれた投球の差を得点へ表しています。
要点を整理すると、次のとおりです。
- 20の両隣は5と1で、横へ外すと得点が大きく下がる
- 19、18、17などの周囲にも低い数字が置かれている
- トリプル20は60点で、内側のブル50点より高い
- 1から20まで順番に並べると、多少外しても高得点になりやすい
- 現在の配列は巧妙だが、数学的な唯一解と証明されたものではない
- ガムリン説は有名だが、考案者や成立過程には不明点が残る
次に盤面を見るときは、数字を単なる点数表示としてではなく、正確さを測るための仕掛けとして眺めてみてください。
20のそばにある小さな1と5が、偶然だけでは勝ちにくいゲームを作っています。