「〃」は何と読む?ちょんちょんの記号「ノノ字点」の意味・使い方・入力方法
「〃」は、前の行や欄と同じ内容であることを示す記号です。記号の名称としては「ノノ字点(ののじてん)」「ノノ点」などが使われ、表や文章を読み上げるときは「同じく」「同上」と表現します。
スマホやパソコンでは、「おなじ」「どうじょう」「のの」などを入力して変換候補を確認します。候補に出ない場合は、下の文字をコピーするか、ユーザ辞書へ登録する方法が確実です。
コピー用:〃
| 知りたいこと | 答え |
|---|---|
| 記号の名前 | ノノ字点、ノノ点 |
| 文脈に沿った読み方 | 同じく、同上 |
| 意味 | 前の行・欄と同じ |
| 主な用途 | 表、帳簿、一覧、手書きメモ |
| Unicode | U+3003 DITTO MARK |
| 入力の基本 | 変換、コピー、ユーザ辞書登録 |
短く便利な一方、正式な書類や並べ替えを行うデータでは、元の内容を省略せず書いたほうが安全です。
1. 「〃」の名前と読み方
記号そのものの名前を尋ねられた場合は、ノノ字点またはノノ点と答えるのが一般的です。形がカタカナの「ノ」を二つ重ねたように見えることから、この名称で呼ばれています。
レファレンス協同データベースでは、「ノノ字点」「ノの字点」「同じく記号」といった名称が挙げられています。辞書では、前の行と同じであることを示す符号と説明されています。
ただし、「〃」に一つだけの決まった音読みや訓読みがあるわけではありません。次の二つを分けると理解しやすくなります。
| 場面 | 自然な答え |
|---|---|
| 記号の名称を答える | ノノ字点、ノノ点 |
| 表の内容を読み上げる | 同じく、同上、前と同じ |
| 形を日常的に説明する | ちょんちょん、てんてん |
「ちょんちょん」でも会話が通じることはありますが、引用符や濁点など、形の似た記号と区別しにくい呼び方です。正確に伝えたいときは「ノノ字点」と呼ぶのが分かりやすいでしょう。
Unicodeでは「〃」がU+3003 DITTO MARKとして登録されています。Unicodeの文字一覧でも、独立した一文字として確認できます。
2. 「〃」の意味と基本的な使い方
基本的な意味は、直前に書かれた文字・数字・語句と同じです。同じ内容を何度も書く手間を省くため、帳簿、名簿、予定表、商品の一覧などで使われてきました。
たとえば、次の表では2行目と3行目の都道府県が、1行目と同じ「東京都」であることを示しています。
| 氏名 | 都道府県 | 市区町村 |
|---|---|---|
| 佐藤 | 東京都 | 新宿区 |
| 鈴木 | 〃 | 渋谷区 |
| 高橋 | 〃 | 町田市 |
「〃」の意味を補って書くと、次のようになります。
| 氏名 | 都道府県 | 市区町村 |
|---|---|---|
| 佐藤 | 東京都 | 新宿区 |
| 鈴木 | 東京都 | 渋谷区 |
| 高橋 | 東京都 | 町田市 |
多くの場合は上の欄を参照しますが、表の作りによっては左隣の内容と同じことを示す場合もあります。
| 項目 | 平日 | 土曜日 | 日曜日 |
|---|---|---|---|
| 開館時刻 | 9時 | 〃 | 10時 |
この例では、土曜日も平日と同じ9時に開館するという意味です。しかし、見る人によっては「上の欄を参照するのではないか」と迷う可能性があります。
どの欄を参照するのか一目で判断できる場合にだけ使うのが基本です。
空白行、小見出し、複数の表が途中に入る場合は、参照先が曖昧になります。そのような場面では省略せず、元の文字や数字を記入しましょう。
縦書きの帳簿や一覧でも使われますが、配置によって参照方向が分かりにくくなることがあります。上下左右のどこを示すのか迷う場合も、元の内容を書くほうが確実です。
3. スマホ・PCで「〃」を入力する方法
日本語入力の変換候補は、OS、キーボードアプリ、辞書の学習状態によって異なります。まずは次の語で変換を試します。
- おなじ
- どうじょう
- のの
- ののじてん
- きごう
候補に表示されなければ、コピーして貼り付ける方法が最も簡単です。
〃
頻繁に使う人は、「のの」や「どうじょう」という読みでユーザ辞書に登録すると、次回からすぐに入力できます。
iPhone・iPadの場合
- 「〃」をコピーする
- 「設定」を開く
- 「一般」→「キーボード」→「ユーザ辞書」を開く
- 単語に「〃」を入力する
- よみに「のの」などを登録する
Appleは、日本語キーボードで単語と読みの組み合わせをユーザ辞書に登録する方法を案内しています。
Android・Gboardの場合
- 「〃」をコピーする
- 文字を入力できるアプリでGboardを開く
- Gboardの設定から「単語リスト」または辞書の設定を開く
- 単語に「〃」、ショートカットに「のの」などを登録する
メニュー名や位置は端末によって異なります。Gboardの公式ヘルプには、辞書へ単語を追加する手順が掲載されています。
Windowsの場合
Microsoft IMEで「おなじ」「どうじょう」「のの」などを変換します。候補に出ない場合は、タスクバーのIMEアイコンを右クリックし、「単語の追加」またはユーザー辞書ツールから登録できます。詳しい設定はMicrosoft日本語IMEの案内で確認できます。
Microsoft Wordでは、Unicodeを使った入力も可能です。
- 半角で
3003と入力する Altキーを押しながらXキーを押す〃に変換される
この操作はWordのUnicode変換機能を利用したものです。Microsoftの文字コード入力方法でも手順が案内されています。Word以外のアプリでは、同じ操作が使えない場合があります。
Macの場合
日本語入力で変換候補を探すほか、「編集」→「絵文字と記号」から文字ビューアを開いて記号を入力できます。Appleの文字ビューアの案内では、記号や特殊文字を探して入力する方法が示されています。
何度も使うなら、Macでもユーザ辞書に登録しておくと便利です。
4. 「々」「ゝ」「ゞ」や引用符との違い
「〃」は繰り返しを表す記号の一種ですが、「々」などと同じ場所に使えるわけではありません。
| 記号 | 主な名称 | 役割 | 使用例 |
|---|---|---|---|
| 〃 | ノノ字点、ノノ点 | 前の行や欄と同じ内容を示す | 東京都/〃 |
| 々 | 同の字点、ノマ点 | 直前の漢字一字を繰り返す | 人々、時々 |
| ゝ | 一の字点 | 直前のひらがなを繰り返す | こゝろ |
| ゞ | 濁点付きの一の字点 | 直前のひらがなを濁らせて繰り返す | すゞめ |
| ヽ | カタカナの繰り返し記号 | 直前のカタカナを繰り返す | 古い表記で使用 |
| ヾ | 濁点付きのカタカナ反復記号 | 濁らせて繰り返す | 古い表記で使用 |
「々」は一つの語の中に入ります。
- 人々
- 国々
- 時々
- 次々
これを「人〃」「時〃」とは書きません。「〃」は語の一部ではなく、表や一覧の欄全体を省略するために使います。
ダブルクオーテーションなど、見た目の似た記号とも別物です。
| 表示 | 主な用途 |
|---|---|
| 〃 | 前と同じ内容 |
| " | 引用、プログラム上の文字列など |
| “ ” | 欧文の引用符 |
| ″ | インチ、角度の秒など |
見た目が近くても文字コードは異なります。「〃」の代わりに引用符を二つ並べると、文書内の置換やデータ処理では別の文字として扱われます。
5. 「同じく」「同上」との使い分け
「〃」「同じく」「同上」は似た意味を持ちますが、向いている場面が異なります。
| 表現 | 意味・特徴 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 〃 | 直前の欄と同じことを短く示す | 簡易な表、帳簿、手書きメモ |
| 同じく | 前と同様に、同じように | 通常の文章、音読 |
| 同上 | 上に書かれた内容と同じ | 申込書、回答欄、一覧 |
| 前記と同じ | 参照先を言葉で示す | 誤解を避けたい説明 |
通常の文章では「同じく」を使うのが自然です。
- 兄は大学生で、姉も同じく大学生です。
- 午前の担当は山田さんで、午後も同じく山田さんです。
書類では「同上」が使われることがあります。
- 本人住所:東京都○○区……
- 書類送付先:同上
ただし、「同上」も参照先を省略している点は同じです。住所、金額、契約条件など、間違いが大きな問題につながる欄では、元の内容をそのまま書くほうが確実です。
6. 書類やExcelで使うときの注意点
紙の帳簿では便利でも、デジタル文書や表計算データでは不都合が生じることがあります。
次の表を考えてみましょう。
| 商品 | 分類 | 数量 |
|---|---|---|
| 鉛筆 | 文房具 | 20 |
| 消しゴム | 〃 | 10 |
| 定規 | 〃 | 5 |
人が上から読めば、三つの商品がすべて文房具だと分かります。しかし、表計算ソフトに入っている実際の値は「文房具・〃・〃」です。
分類ごとの集計、絞り込み、行の並べ替えをすると、期待どおりに処理できない可能性があります。行を移動した結果、「〃」の直上が別の分類になることもあります。
データとして保存する場合は、次のように各行へ実際の値を入れます。
| 商品 | 分類 | 数量 |
|---|---|---|
| 鉛筆 | 文房具 | 20 |
| 消しゴム | 文房具 | 10 |
| 定規 | 文房具 | 5 |
使い分けの目安は次のとおりです。
使いやすい場面
- 個人用の手書きメモ
- 並べ替えない簡単な一覧
- 参照先が明白な小さな表
- 一時的に使う帳簿
省略しないほうがよい場面
- 契約書や重要な申請書
- 履歴書や職務経歴書
- 住所、金額、日付を記載する欄
- Excelやデータベースへ保存する情報
- 複数人が編集する共有資料
- 並べ替えや自動集計を行う表
公的な書類では、提出先の記入例や指示を優先します。明確な指定がない場合も、第三者が一つの意味に判断できるよう、省略せず記載するのが安全です。
7. よくある質問
Q. 「〃」の正式名称はノノ字点ですか?
「ノノ字点」や「ノノ点」が広く使われています。ただし、資料によって「ノの字点」「同じく記号」などの呼称も見られます。「これだけが唯一の正式名称」と断定するより、一般的な名称として理解するのが適切です。
Q. 「ちょんちょん」と読んでも間違いではありませんか?
日常的な呼び方として意味が通じる場合はあります。ただし、記号名として正確に伝えるなら「ノノ字点」が分かりやすいでしょう。
Q. 「〃」は漢字ですか?
漢字ではなく記号です。UnicodeではU+3003 DITTO MARKという一文字として登録されています。
Q. 「〃」と「々」は同じものですか?
異なります。「々」は直前の漢字を繰り返して「人々」「時々」のような語を作ります。「〃」は、前の行や欄と同じ内容であることを示します。
Q. スマホで変換候補に出ないときはどうしますか?
「〃」をコピーして貼り付けるか、ユーザ辞書へ登録します。単語を「〃」、読みを「のの」などに設定すると、次回から簡単に入力できます。
Q. 履歴書や契約書で使ってもよいですか?
一律に使えないとは限りませんが、重要な書類では省略しないほうが安全です。特に住所、金額、日付、契約条件は、同じ内容であっても書き直すと誤解を防げます。指定書式がある場合は、その記入例に従ってください。
8. まとめ
「〃」は、前の行や欄と同じ内容を示す省略記号です。
- 名称は「ノノ字点」「ノノ点」が一般的
- 読み上げるときは「同じく」「同上」が自然
- 「ちょんちょん」は日常的な呼び方
- 「々」は漢字の繰り返しを表す別の記号
- UnicodeではU+3003 DITTO MARK
- スマホやPCでは変換、コピー、ユーザ辞書登録で入力できる
- Wordでは
3003を入力してAlt+Xでも変換できる - 重要書類や並べ替えるデータでは、元の内容を省略しないほうが安全
手書きの一覧では便利ですが、どの欄を参照するかが曖昧になると、意味を正しく伝えられません。短さを優先してよい場面と、正確さを優先すべき場面を分けて使いましょう。