【2027年】土用の丑の日はいつ?うなぎを食べる理由と平賀源内説を解説
2027年の夏は、7月21日(水)が「一の丑」、8月2日(月)が「二の丑」です。土用の期間に丑の日が2回巡ってくるため、どちらの日にうなぎを食べても間違いではありません。
この風習は、暑い時期に栄養のある物を食べる古い知恵と、江戸時代の宣伝が結び付いて広まったと考えられています。平賀源内がうなぎ店の看板を考えたという話は有名ですが、確実な史料で証明された事実ではなく、起源には複数の説があります。
また、うなぎは栄養価の高い食品である一方、食べるだけで夏バテや熱中症を防げるわけではありません。暦の意味や由来を知り、体調や予算に合った食べ方で季節の風習を楽しむことが大切です。
1. 2027年の土用の丑の日は7月21日と8月2日
2027年の夏の土用は、7月20日に始まり、立秋の前日である8月7日まで続きます。期間中に丑の日が2回あるため、一の丑と二の丑があります。
| 区分 | 日付 | 曜日 |
|---|---|---|
| 夏の土用入り | 2027年7月20日 | 火曜日 |
| 一の丑 | 2027年7月21日 | 水曜日 |
| 二の丑 | 2027年8月2日 | 月曜日 |
| 立秋 | 2027年8月8日 | 日曜日 |
国立天文台の暦要項では、2027年の夏の土用入りは7月20日午前6時37分、立秋は8月8日午前2時27分です。日付は毎年固定されていないため、前年と同じ日になるとは限りません。
詳しい暦は、国立天文台暦計算室の2027年暦要項で確認できます。
2. 土用の丑の日とは何を表す日?
意味は「土用」と「丑の日」に分けると簡単です。
| 言葉 | 意味 |
|---|---|
| 土用 | 立春・立夏・立秋・立冬の直前にある季節の変わり目 |
| 丑の日 | 日ごとに割り当てられた十二支が「丑」に当たる日 |
| 土用の丑の日 | 土用の期間中に巡ってくる丑の日 |
十二支は年だけでなく、日にも使われてきました。「子・丑・寅・卯……」の順番を12日で一巡するため、丑の日は12日ごとにやってきます。
土用の期間:約18日
+
丑の日の周期:12日
↓
一つの土用に丑の日が1回または2回入る
「土曜の牛の日」と混同されることがありますが、曜日の土曜日や動物の牛を食べる日という意味ではありません。
3. 土用は夏だけでなく年4回ある
現在は夏の行事として有名ですが、土用は春・夏・秋・冬のすべてにあります。
土用の考え方は、自然界を「木・火・土・金・水」の5つで捉える五行思想に由来します。春には木、夏には火、秋には金、冬には水を対応させ、残った土を各季節の変わり目に割り当てたとされています。
| 土用 | おおよその時期 | 次に来る季節 |
|---|---|---|
| 冬の土用 | 1月中旬~2月上旬 | 春 |
| 春の土用 | 4月中旬~5月上旬 | 夏 |
| 夏の土用 | 7月下旬~8月上旬 | 秋 |
| 秋の土用 | 10月下旬~11月上旬 | 冬 |
春や冬にも土用の丑の日はありますが、一般にこの言葉だけを使うと、立秋前の夏の丑の日を指すことが多くなっています。
4. なぜ丑の日にうなぎを食べるの?
一つだけの明確な理由があるのではなく、主に次の要素が重なって習慣になったと考えられます。
- うなぎが昔から滋養のある食べ物と考えられていた
- 丑の日に「う」のつく物を食べる風習があった
- 江戸時代にうなぎ店が丑の日を宣伝に使った
- かば焼きが江戸の庶民に広く親しまれた
農林水産省の鰻のかば焼きに関する食文化資料では、江戸時代に土用の丑の日へうなぎを食べる慣習があり、その始まりとして平賀源内の発案説が有名だと説明されています。
つまり、もともと存在した夏の食文化に、覚えやすい言葉と商売上の工夫が加わり、広く定着した可能性が高いのです。
5. 平賀源内が広めたという説は本当?
有名な逸話では、夏にうなぎが売れず困っていた店主が平賀源内に相談したところ、源内が店先に「本日、土用丑の日」と書いた看板を出すよう勧めました。店が繁盛し、ほかの店もまねしたため習慣が広まったとされています。
平賀源内は、博物学、蘭学、発明、鉱山開発、戯作など、幅広い分野で活動した江戸時代の人物です。この逸話から「日本初のコピーライター」と呼ばれることもあります。
しかし、次のように整理する必要があります。
| 内容 | 確からしさ |
|---|---|
| 江戸時代に習慣が広まった | 広く認められている |
| 平賀源内説が有名である | 事実 |
| 源内が看板を考えた | 裏付けの乏しい伝承 |
| 源内一人が習慣を作った | 断定できない |
国立国会図書館のレファレンス協同データベースでも、起源に定説はなく、平賀源内または太田蜀山人が宣伝と結び付けて習慣化させたという説が紹介されています。
ほかにも、丑の日に焼いたかば焼きだけ風味が落ちなかったという「春木屋善兵衛説」などがあります。平賀源内説は有力な物語の一つですが、歴史的事実として言い切らないほうが正確です。
6. 夏にうなぎを食べる考え方は奈良時代にもあった
夏のうなぎに関する記録は、江戸時代よりはるか前までさかのぼります。
奈良時代に編まれた『万葉集』には、大伴家持が夏痩せした石麻呂にうなぎを勧める歌があります。
石麻呂に吾もの申す夏痩せに
良しといふものぞ鰻取り食せ
現代語に近づけると、「夏痩せしているなら、よいといわれるうなぎを捕って食べなさい」という内容です。
この歌から分かるのは、奈良時代にはすでに、うなぎが暑い時期の体力低下と結び付けられていたということです。ただし、当時から特定の丑の日に食べていたことを示すものではありません。
- 夏にうなぎを食べる考え方:古代から見られる
- 土用の丑の日に食べる習慣:江戸時代に広まったとされる
この2つを分けて考えると、由来を誤解しにくくなります。
7. 一の丑と二の丑はどう違う?
夏の土用に丑の日が2回ある年は、最初の日を一の丑、次の日を二の丑と呼びます。
土用は約18日間、丑の日は12日周期なので、土用の早い段階で最初の丑の日を迎えると、期間内に次の丑の日も入ります。
7月20日 夏の土用入り
7月21日 一の丑
↓ 12日後
8月 2日 二の丑
8月 8日 立秋
一の丑と二の丑で、行事としての優劣や栄養上の違いはありません。一般には一の丑が注目されやすいものの、二の丑にうなぎを食べても問題ありません。両方の日に食べる必要もなく、都合のよい日を選べます。
8. うなぎ以外には何を食べる?
丑の日には、「う」のつく物を食べると夏負けしないという言い伝えがあります。うなぎが苦手な人や、価格が気になる人は、別の食品で季節感を楽しめます。
| 食べ物 | 特徴 |
|---|---|
| うどん | 柔らかく調理しやすく、食欲が落ちたときにも食べやすい |
| 梅干し | 酸味があり、ご飯や麺類に合わせやすい |
| うり | きゅうり、冬瓜、すいかなど水分の多い種類がある |
| 牛肉 | 「う」がつき、たんぱく質や鉄などを含む |
| うずら卵 | 少量で料理に加えやすい |
ほかにも、夏の土用に食べる物として土用しじみ、土用卵、土用餅があります。農林水産省の食文化情報でも、うなぎ以外の土用の食べ物が紹介されています。
ただし、「う」がつくというだけで特別な健康効果が生まれるわけではありません。語呂合わせをきっかけに、暑い時期の食事を見直す風習と考えるのが自然です。
9. うなぎは夏バテ対策になる?
うなぎのかば焼きは、たんぱく質、脂質、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンB群などを含む食品です。
文部科学省の食品成分データベースによると、かば焼き100グラム当たりの主な成分は次のとおりです。
| 成分 | 100グラム当たり | 主な役割 |
|---|---|---|
| エネルギー | 285キロカロリー | 体を動かすエネルギー源になる |
| たんぱく質 | 23.0グラム | 筋肉や皮膚などの材料になる |
| ビタミンA | 1,500マイクログラムRAE | 視覚や皮膚・粘膜の健康に関わる |
| ビタミンD | 19.0マイクログラム | カルシウムの吸収を助ける |
| ビタミンB1 | 0.75ミリグラム | 糖質のエネルギー代謝を助ける |
食欲が落ちたときにも、比較的少ない量でエネルギーやたんぱく質を取れる点は利点です。
一方、かば焼きは脂質が多く、たれによって塩分や糖分も加わります。食べ過ぎると胃にもたれる人もいるため、体調に合わせて量を調整しましょう。
うなぎは栄養価の高い食品ですが、夏バテや熱中症を治す薬ではありません。
暑さへの対策では、涼しい環境で過ごすこと、こまめな休憩、水分・塩分の補給、十分な睡眠が欠かせません。環境省熱中症予防情報サイトも、暑さ指数の確認や水分補給、休憩を呼びかけています。
10. 天然うなぎの旬は夏ではない?
夏の印象が強いうなぎですが、天然物は一般に、産卵へ向かう前に脂がのる秋から冬が旬とされます。農林水産省の食文化資料でも、本来は冬に向けて脂がのる秋が旬と説明されています。
それでも夏にうなぎをおいしく食べられるのは、現在流通する商品の多くが養殖であり、餌や水温、出荷時期などを管理しているためです。
- 天然うなぎ:秋から冬に脂がのりやすい
- 養殖うなぎ:年間を通して品質を整えやすい
- 土用の丑の日:旬そのものより、行事食としての意味が強い
「天然物の旬」と「行事として食べる時期」は、必ずしも一致しません。
11. 土用にやってはいけないことはある?
昔は、土用の期間には土をつかさどる「土公神」が地中にいると考えられ、土を動かす作業を避ける風習がありました。
避けるとされてきた行為には、次のようなものがあります。
- 土を掘る
- 草木を植え替える
- 井戸を掘る
- 建物の基礎工事を始める
- 大規模な庭仕事をする
一方、土公神が地上を離れるとされる間日(まび)には、土を動かしてもよいという考え方もあります。
これらは信仰や暦に基づく伝承であり、科学的な危険性や法律上の禁止を示すものではありません。仕事、工事、農作業、引っ越しなどを必ず延期しなければならないわけではなく、現代では地域や家庭の慣習に応じて判断されています。
12. うなぎを食べる前に知っておきたい資源問題
一般的なうなぎ養殖では、自然界で育った稚魚のシラスウナギを捕獲し、養殖池へ入れて大きく育てます。そのため、養殖品であっても天然資源と無関係ではありません。
水産庁は、うなぎ資源を持続的に利用するため、養殖業を許可制とし、シラスウナギの池入れ数量を管理しています。また、卵からシラスウナギまで人工的に育てる種苗生産技術の開発も続いています。
最新の制度や研究状況は、水産庁のウナギに関する情報で確認できます。
消費者にできることは、必要以上に買い込まず、食べ切れる量を選ぶことです。産地や魚種、販売者の表示を確認し、うなぎ以外の土用食も取り入れれば、季節の風習と資源への配慮を両立しやすくなります。
13. よくある質問
Q. 2027年の夏はいつですか?
7月21日が一の丑、8月2日が二の丑です。2027年は夏の土用に丑の日が2回あります。
Q. 毎年同じ日になりますか?
同じ日にはなりません。土用は太陽の位置を基準に決まり、丑の日は12日周期で巡るため、日付や回数が毎年変わります。
Q. 祝日ですか?
祝日ではありません。暦と食文化に基づく季節の行事なので、学校や会社が休みになる日ではありません。
Q. なぜ牛肉ではなくうなぎなのですか?
丑の日の「丑」は日を表す十二支です。「う」のつく物を食べる風習や、うなぎが滋養のある食品と考えられてきたこと、江戸時代の宣伝などが重なって定着しました。牛肉を食べてはいけないわけではありません。
Q. 二の丑にも食べたほうがよいですか?
食べる義務はありません。一の丑、二の丑のどちらか一方でも、両方でも構いません。予算や体調、予定に合わせて選べます。
Q. 平賀源内が習慣を作ったのですか?
平賀源内の看板がきっかけになったという説は有名ですが、確実な史料による裏付けは乏しく、起源には諸説あります。
Q. うなぎ以外でもよいですか?
問題ありません。うどん、梅干し、うりなどの「う」がつく物のほか、土用しじみ、土用卵、土用餅を食べる風習もあります。
Q. うなぎを食べれば熱中症を防げますか?
うなぎだけで熱中症を防ぐことはできません。涼しい場所で過ごし、こまめに水分を取り、十分に休むことが優先です。
14. 暦の意味を知って季節の風習を楽しもう
大切な点を整理すると、次のようになります。
- 2027年の夏は7月21日と8月2日
- 最初が一の丑、2回目が二の丑
- 土用は季節の変わり目で、年4回ある
- 丑の日は十二支が丑に当たる日
- 夏にうなぎを食べる考え方は古代から見られる
- 特定の丑の日に食べる習慣は江戸時代に広まったとされる
- 平賀源内説は有名だが、起源は断定できない
- うなぎ以外の「う」のつく物でも楽しめる
- 栄養価は高いが、食べるだけで暑さによる体調不良を防げるわけではない
- 養殖品も天然のシラスウナギに支えられている
うなぎを食べるかどうかにかかわらず、土用は季節の変化や夏の過ごし方を意識するきっかけになります。食べ切れる量を選び、休養や水分補給も忘れず、自分に合った形で風習を楽しみましょう。