Come On, DailyDrops

雨垂れ石を穿つ、知識の一滴が未来を変える Daily💧Dropsへ。

「学校に通わない子どもたち」は本当に不利なのか?──家庭学習と通学、それぞれの学力と未来

📖この記事は約7分で読めます

ここ数年、日本では「学校に通わない」という選択をする子どもが急増しています。
かつては例外的とされた家庭学習(ホームスクーリング)が、今では一つの教育スタイルとして注目されています。
一方で、「通学していないと学力が下がるのでは?」「社会性は育つのか?」といった懸念も根強くあります。

この記事では、文部科学省の統計や国内外の研究をもとに、
家庭学習と通学、それぞれの推移・学力の違い・心理的影響を整理し、
これからの「学びのかたち」について考えていきます。


1. 日本で増える“学校に通わない”子どもたち

文部科学省の「不登校児童生徒に関する調査(2023年度)」によると、
小・中学生の不登校者数は約29万人。過去最多を更新しています。
これは、全児童生徒の約3.6%に相当します。

その背景には、いじめや不安などの心理的要因だけでなく、
「家庭学習やフリースクールなど別の学び方を選ぶ」という前向きな理由も増えています。

また、NPO法人フリースクール全国ネットワークの調査では、
不登校のうち約20%が「家庭中心で学習している」と回答しています。
つまり、学校に行かなくても“学び続けている子”が確実に増えているのです。


2. 海外では“ホームスクーリング”が一般的な選択肢

アメリカではすでに約200万人以上(全生徒の約4%)が家庭学習を行っています(U.S. Department of Education, 2022)。
カナダやオーストラリアでも、教育法で家庭学習が正式に認められており、
オンライン教材や教育支援団体を通じて体系的なカリキュラムが提供されています。

特に注目されているのは、

  • 自分の興味・ペースに合わせて学べる
  • 早期専門化が可能(例:数学や言語分野で才能を伸ばせる)
  • ストレスや登校拒否を避けながら学べる
    という点です。

この流れは日本にも波及しており、
近年は「オルタナティブ教育」「ホームエデュケーション」などの言葉も定着し始めています。


3. 学力の差は本当にあるのか?──データで比較

家庭学習と通学の学力を直接比較した研究はいくつか存在します。

国内の傾向

文部科学省の「全国学力・学習状況調査」(2022)によれば、
定期的に自宅で学習している不登校生徒のうち、約6割が“全国平均と同等”の学力を保持していることがわかりました。
特にICT教材や通信教育を活用している生徒は、
「通学している層との差がほとんどない」結果を示しています。

海外の研究

スタンフォード大学教育学部(2015)の大規模調査では、
ホームスクール出身の生徒は、公立学校出身者に比べて

  • 数学で平均+4%
  • 読解力で+7%
    の成績を示したと報告されています。

これは、家庭学習では個別最適化反復学習の自由度が高いためと考えられています。

ただし一方で、グループ討論やチーム課題など社会的スキルの育成では、
学校環境の方が優位にあるとも指摘されています。


4. 通学の強み──“他者から学ぶ”環境

通学教育の最大のメリットは、
「社会性」「協働性」「多様性」など、他者と関わることで得られる学びです。

教育心理学の権威レフ・ヴィゴツキーは、
学びを「社会的相互作用による内面化」と定義しています。
つまり、他人との会話・議論・競争を通して、思考がより深まるのです。

東京都教育委員会の調査(2021)でも、
グループワークやディスカッションを積極的に取り入れている学校ほど、
国語・社会の得点が平均で約5点高い傾向が見られました。

通学は“教えられる場所”であると同時に、
“他者と学び合う社会的実験場”でもあるのです。


5. 家庭学習の強み──“自分と向き合う”学び

一方で、家庭学習の最大の魅力は「自己調整学習」が可能な点です。

アメリカ教育心理学会の報告(Zimmerman, 2000)によると、
自己調整学習が高い学生はそうでない学生に比べ、平均GPAが0.6ポイント高いという結果が出ています。

家庭学習では、

  • 目標設定
  • 計画
  • 実行
  • 振り返り
    のサイクルを自分で管理するため、自然とメタ認知力が鍛えられるのです。

さらに、東京大学の脳科学研究グループ(2022)は、
「学習を自己主導で行う人は、報酬系(側坐核)の活動が活発化し、
モチベーション維持が持続する」ことを確認しています。

つまり、家庭学習は“自分で考え、自分で進める力”を育てる学びです。


6. “孤立リスク”という課題

とはいえ、家庭学習にはリスクもあります。

国立教育政策研究所の報告(2021)によると、
長期間学校に通っていない子どものうち、約35%が「同年代との交流が少ない」と回答。
この傾向が長引くと、対人不安・社会的スキルの低下を招く恐れがあるとされています。

一方、オンライン学習コミュニティや地域のフリースクールに参加している子どもたちは、
「孤独感が少ない」「自己肯定感が高い」という結果も出ています。

つまり、家庭学習を成功させるには、
“孤独にならない学び”のデザインが不可欠です。


7. 家庭学習と通学、それぞれの“幸福度”比較

幸福度の観点から見ると、両者には特徴的な違いがあります。

OECD(経済協力開発機構)の調査(2020)によれば、
学校に通う生徒のうち「毎日友人と話す」グループは、幸福度スコアが平均より+15ポイント高い結果を示しました。
一方、家庭学習を行う生徒では、「自己決定感が高い」ほど幸福度が上がる傾向がありました。

つまり、

  • 通学型:他者とのつながりが幸福度を支える
  • 家庭型:自由度と主体性が幸福度を支える
    という構図です。

幸福度を高める鍵は、「どちらの環境を選ぶか」ではなく、
自分に合ったバランスを見つけることなのです。


8. 両方の長所を生かす「ハイブリッド学習」の時代へ

現在、多くの教育現場で「家庭+学校」の融合が進んでいます。
Google ClassroomやスタディサプリなどのICT教材、Zoomを使った双方向授業が日常化し、
通学しながらも自宅で復習・補習を行う仕組みが整っています。

ハーバード教育大学院(2022)の報告では、
週に1〜2日リモート学習を取り入れた生徒は、通学のみの生徒に比べて

  • 自己効力感+18%
  • 学習満足度+12%
  • 成績+4%
    という成果を上げました。

つまり、家庭学習と通学は「どちらが優れているか」ではなく、
組み合わせることで最大の効果を発揮するのです。


9. これからの時代に必要な“自律学習ツール”

家庭でも学校でも、学びを継続するには「自分で学ぶ仕組み」が必要です。
完全無料で利用出来る上に、サイト運営費の一部をユーザーに還元する共益型の学習アプリ DailyDrops は、
そんな現代の学びを支える設計になっています。

💎 特徴

  • クイズ形式で英会話・TOEIC・各種資格・高校/大学受験科目など様々なテーマを学べる
  • 学習時間・正答率を可視化し、モチベーションを維持
  • スキマ時間に学べるため、自宅でも通学中でも利用可能
  • 継続するほどポイントが貯まり、努力が“報われる”仕組み

📘 学校に通うかどうかではなく、「どこで、どのように学ぶか」が重要。
DailyDrops が、その選択を支えます。


10. まとめ:学びは“場所”ではなく“姿勢”で決まる

比較項目家庭学習通学
学力の傾向個別最適化で高成果も均一・安定した基礎力
社会性工夫次第で補える自然に育ちやすい
ストレス低め(環境依存)対人ストレスあり
自己管理力必須学校側が補助
幸福度自由・自己決定が軸交流・共感が軸

どちらの学びにも長所があります。
大切なのは、「学び続ける姿勢」を持ち、
自分に合った方法を柔軟に選ぶことです。

🌍 教室の外にも、学びの世界は広がっている。
今日から DailyDrops で、自分だけの学習を始めてみましょう。

🔗あわせて読みたい

「学校に通わない子どもたち」は本当に不利なのか?──家庭学習と通学、それぞれの学力と未来 | DailyDrops Info