「々」は何と読む?正式名称は「同の字点」|スマホ・PCの入力方法と使い方
結論から言うと、「々」そのものに決まった読み方はありません。
直前の漢字をもう一度繰り返すことを示す符号で、「時々」は「ときどき」、「人々」は「ひとびと」、「佐々木」は「ささき」のように、言葉全体で読みます。
一般的な名称は同の字点(どうのじてん)です。「踊り字」「繰り返し符号」と呼ばれる記号の一種で、形から「ノマ点」と呼ばれることもあります。
| 項目 | 答え |
|---|---|
| 「々」だけの読み方 | ない |
| 正式な名称 | 同の字点 |
| 分類 | 踊り字・繰り返し符号 |
| 漢字か | 一般的な漢字ではない |
| 主な入力方法 | 「おなじ」「くりかえし」「どう」「のま」などを変換 |
| 役割 | 直前の漢字一字を繰り返す |
1. 「々」に決まった読み方はない
「々」は音を表す文字ではなく、前にある漢字をもう一度使うことを示す符号です。
時々 = 時+時
人々 = 人+人
山々 = 山+山
様々 = 様+様
右側の「時+時」などは仕組みを示したものです。実際の文章では、通常「時々」「人々」「山々」と書きます。
ただし、前の漢字の読みをそのまま二回並べればよいとは限りません。
たとえば、「人々」は「ひとひと」ではなく「ひとびと」、「日々」は「ひひ」ではなく「ひび」と読みます。二つ目の音が濁ることもあれば、語によって特別な読み方をすることもあります。
「々」の音を考えるのではなく、言葉全体の読み方を確認するのが基本です。
「々」には音読みや訓読みもありません。漢字辞典で一字の漢字として読みを調べるより、「時々」「各々」「代々木」のように、言葉全体で確認する方が確実です。
2. 正式名称は「同の字点」
「々」を単独で何と呼ぶのか尋ねられた場合は、同の字点と答えるのが一般的です。
一方、「踊り字」や「繰り返し符号」は、「々」だけを指す名称ではありません。同じ文字や言葉の繰り返しを示す複数の符号をまとめた呼び方です。
| 呼び方 | 意味 |
|---|---|
| 同の字点 | 主に「々」を指す名称 |
| 踊り字 | 繰り返しを示す符号の総称 |
| 繰り返し符号 | 踊り字とほぼ同じ意味の総称 |
| 反復記号 | 文字や内容の反復を示す記号の総称 |
| ノマ点・ノマ | 「ノ」と「マ」に見える形から生まれた俗称 |
「ノマ」という読み方が正式に決まっているわけではありません。形がカタカナの「ノ」と「マ」を重ねたように見えることから、入力方法などを説明するときに「ノマ点」と呼ばれています。
また、「二の字点」は「々」と同じものではありません。二の字点は「〻」という別の符号で、古い文章や縦書きで見かけることがあります。
国立国語研究所による繰り返し符号の説明でも、「々」は漢字一字を繰り返す同の字点として整理されています。
「々」は古くから使われてきた表記で、同じ漢字を何度も書く手間を減らし、反復部分を分かりやすく示す役割があります。現在も「人々」「日々」「次々」など、多くの言葉で日常的に使われています。
3. スマホ・パソコンで入力する方法
「々」は、一般的な日本語入力システムで変換できます。
コピー用:々
すぐに必要な場合は、上の文字をコピーして使用できます。
スマホで入力する場合
iPhoneやAndroidでは、日本語キーボードに次の言葉を入力して変換します。
| 入力する言葉 | 変換候補の例 |
|---|---|
| おなじ | 々、〃など |
| くりかえし | 々、ゝ、ヽなど |
| どう | 々 |
| のま | 々 |
| ときどき | 時々 |
変換候補は、使用している端末、キーボードアプリ、辞書の学習状況によって異なります。
「おなじ」や「のま」で出ない場合は、次の方法が確実です。
- 「ときどき」と入力する
- 「時々」に変換する
- 最初の「時」を削除する
- 「々」だけを残す
「ひとびと」を「人々」に変換して、最初の「人」を削除しても構いません。
頻繁に使う場合は、ユーザ辞書に登録すると便利です。
- 登録する単語:々
- 読み:のま、どう、おなじなど
短い読みで登録しておけば、次回から簡単に呼び出せます。
Windowsで入力する場合
Microsoft IMEを日本語入力に切り替え、「おなじ」「くりかえし」「どう」「のま」などを入力して変換します。
候補に出ない場合は、「ときどき」を「時々」に変換してから、不要な「時」を削除してください。
Macで入力する場合
日本語入力に切り替え、「おなじ」「くりかえし」「どう」「のま」などを入力し、変換候補から「々」を選びます。
Macでも、候補に出ない場合は「時々」や「人々」を変換して取り出す方法が使えます。
氏名、住所、地名などをオンラインで入力する機会が多い現在では、「々」を正確に出せることが重要です。特に人名では、同じ漢字に置き換えず、本人確認書類などに記載された表記に合わせます。
4. 「時々」「人々」「佐々木」はどう読む?
「々」は直前の漢字を繰り返しますが、読み方は言葉によって変わります。
| 表記 | 読み方 | 特徴 |
|---|---|---|
| 時々 | ときどき | 二つ目の「時」が濁る |
| 人々 | ひとびと | 二つ目の「人」が濁る |
| 日々 | ひび | 「ひひ」とは読まない |
| 国々 | くにぐに | 二つ目が濁音になる |
| 神々 | かみがみ | 二つ目が濁音になる |
| 山々 | やまやま | 同じ読みを繰り返す |
| 少々 | しょうしょう | 同じ音を繰り返す |
| 徐々 | じょじょ | 同じ音を繰り返す |
| 次々 | つぎつぎ | 同じ読みを繰り返す |
| 各々 | おのおの | 特別な読み方をする |
| 代々 | だいだい・よよ | 文脈によって読みが変わる |
| 佐々木 | ささき | 姓全体で読む |
| 代々木 | よよぎ | 地名全体で読む |
「人々」「神々」のように、二つ目の音が濁る現象は連濁と呼ばれます。
人+人 → ひとびと
神+神 → かみがみ
国+国 → くにぐに
ただし、すべての言葉で濁るわけではありません。「山々」は「やまやま」、「次々」は「つぎつぎ」と読みます。
「各々」のように、漢字一字の一般的な読みからは推測しにくい言葉もあります。そのため、「々をどう読むか」ではなく、その言葉がどのように読まれているかを覚える必要があります。
人名や地名の読みは、一般的な規則だけでは判断できない場合があります。名簿、申込書、宛名などに使うときは、本人や公式情報の表記を確認するのが安全です。
5. 「々」を使える場合・使えない場合
基本的には、一つの言葉の中で同じ漢字が続く場合に使います。
自然な使い方
- 人々が集まる
- 日々の努力を続ける
- 山々を眺める
- 次々に発表される
- 個々の事情を考える
- 隅々まで掃除する
- 年々増加している
- 正々堂々と戦う
これらは、同じ漢字の繰り返しが一つの言葉の内部にあります。
使わない方がよい例
同じ漢字が隣り合っていても、二つの異なる言葉にまたがる場合は「々」に置き換えません。
| 正しい表記 | 不自然な表記 | 理由 |
|---|---|---|
| 民主主義 | 民主々義 | 「民主」と「主義」に分かれる |
| 会社社長 | 会社々長 | 「会社」と「社長」に分かれる |
| 高校校長 | 高校々長 | 「高校」と「校長」に分かれる |
| 編集集団 | 編集々団 | 「編集」と「集団」に分かれる |
国立国語研究所による同の字点の用法でも、一つの単語の内部で使い、二つの単語にまたがる場合には用いないという考え方が示されています。
判断に迷ったときは、次のように考えます。
一つの言葉の中で同じ漢字が続く
→ 「々」を使える
二つの言葉の境目で同じ漢字が続く
→ 漢字を省略しない
ただし、氏名、地名、会社名、商品名などの固有名詞は、文法上の規則よりも正式な表記が優先されます。
「佐々木」を「佐佐木」にしたり、正式名称が「佐佐木」であるものを勝手に「佐々木」に変えたりしてはいけません。
「色々」と「いろいろ」はどちらがよい?
「色々」と「いろいろ」は、どちらも使われています。
- 一般的な文章:色々、いろいろ
- 子ども向けの文章:いろいろ
- やさしい日本語:いろいろ
- 漢字表記を中心とする文章:色々
どちらか一方だけが常に正しいわけではありません。文章全体の表記方針に合わせ、同じ文書の中で統一すると読みやすくなります。
6. 「ゝ・ゞ・ヽ・ヾ・〃」との違い
同じ文字の繰り返しを表す符号は、「々」だけではありません。
| 符号 | 主な名称 | 用途 | 使用例 |
|---|---|---|---|
| 々 | 同の字点 | 漢字一字を繰り返す | 人々、次々 |
| ゝ | 平仮名の一ツ点 | 平仮名を清音で繰り返す | こゝろ |
| ゞ | 平仮名の一ツ点 | 平仮名を濁音で繰り返す | たゞ |
| ヽ | 片仮名の一ツ点 | 片仮名を清音で繰り返す | スヽメ |
| ヾ | 片仮名の一ツ点 | 片仮名を濁音で繰り返す | トヾク |
| 〻 | 二の字点 | 主に縦書きで漢字を繰り返す | 益〻 |
| 〱・〲 | くの字点 | 二文字以上を繰り返す | 古い縦書きなど |
| 〃 | 同上符号・ノノ点 | 表などで上と同じ内容を示す | 所属欄など |
「ゝ」「ゞ」「ヽ」「ヾ」は、古い文章、文学作品、固有名詞などで見かけることがあります。
現在の一般的な横書きでは、仮名をそのまま書く形が多くなっています。
こゝろ → こころ
たゞ → ただ
いすゞ → いすず
ただし、企業名や商品名などでは、現在も正式名称として踊り字が使われることがあります。その場合は現代的な表記に勝手に直さず、正式名称に合わせます。
「〃」は「々」と役割が異なります。
「々」は一つの言葉の中で直前の漢字を繰り返しますが、「〃」は表や一覧で「上の行と同じ内容」を示す符号です。
人々 〇
人〃 ×
「〃」を漢字の反復に使うことはできません。
7. よくある質問
Q. 「々」は漢字ですか?
一般的な漢字ではありません。直前の漢字を繰り返すことを示す符号です。
ただし、パソコンやスマートフォンでは一つの文字として扱えるよう、独立した文字コードが割り当てられています。
Unicodeでは U+3005、英語名は IDEOGRAPHIC ITERATION MARK です。Unicodeの文字一覧でも、反復を表す符号として登録されています。
Q. 「々」の音読みと訓読みは何ですか?
音読みも訓読みもありません。
「々」だけの発音は決まっておらず、「時々」「人々」「少々」など、言葉全体の読み方に従います。
Q. 「々」を人に伝えるときは何と言えばよいですか?
正式な名称としては「同の字点」、分かりやすい呼び方としては「踊り字」「繰り返し符号」と伝えられます。
入力方法を説明するときには、「ノマ点」と呼ぶこともあります。
Q. 「ノマ」と入力しても変換できないのはなぜですか?
使用している日本語入力システムによって、登録されている変換語が異なるためです。
「のま」で出ない場合は、次の順に試します。
- 「おなじ」を変換する
- 「くりかえし」を変換する
- 「どう」を変換する
- 「ときどき」を「時々」に変換して取り出す
- 「々」をコピーする
- ユーザ辞書に登録する
Q. 文の最初に「々」を置けますか?
「々」は直前の漢字を繰り返す符号なので、文章の先頭には置けません。
改行の結果として「々」だけが行頭に来る場合も、一般的な組版では避けるように調整されます。手動で改行する場合は、前の漢字と「々」が別の行にならないよう注意すると読みやすくなります。
Q. 「佐々木」を「佐佐木」と書いても同じですか?
意味の仕組みとしては「佐」を繰り返していますが、氏名の正式表記としては同じとは限りません。
申込書、契約書、銀行口座、航空券、名簿などでは、本人確認書類や本人が使用している表記に合わせます。
Q. 「々」を二回続けて使えますか?
現代の一般的な文章では、「々々」のように連続させて三回以上の反復を示す書き方は、通常行いません。
必要な場合は、同じ漢字を明記するか、別の表現に直した方が読みやすくなります。
Q. 「々」には部首や画数がありますか?
一般的な漢字ではないため、通常の漢字と同じ意味での部首や音訓はありません。
手書きの形を説明するために筆画を数える場合はありますが、漢字辞典の部首分類とは分けて考える必要があります。
8. まとめ
「々」は、直前の漢字をもう一度使うことを示す符号です。
重要な点を整理すると、次のようになります。
- 「々」そのものに固有の読み方はない
- 正式な名称は同の字点
- 踊り字・繰り返し符号の一種
- 「ノマ点」は形から生まれた呼び方
- 「時々」「人々」など、言葉全体で読み方が決まる
- 一つの言葉の内部で同じ漢字を繰り返すときに使う
- 「民主々義」のように、二つの言葉にまたがって使わない
- 氏名や地名では正式な表記を優先する
- 入力できない場合は「おなじ」「くりかえし」などを変換する
- 確実に出すなら「時々」から「々」だけを取り出す
「々」を見たときは、「この記号を何と読むのか」ではなく、どの漢字を繰り返し、言葉全体をどう読むのかに注目すると正しく理解できます。