海の日と山の日はなぜできた?2026年はいつ・由来と祝日になった理由
海の日は、海の恩恵に感謝し、海洋国である日本の繁栄を願うために設けられました。山の日は、山に親しむ機会をつくり、山の恩恵に感謝するための祝日です。
2026年は、海の日が7月20日(月)、山の日が8月11日(火)です。
どちらも日本の自然と深く関係していますが、成立した時期や日付の決め方は同じではありません。海の日には明治時代の航海に由来する記念日があり、山の日は山岳団体などによる制定運動を経て生まれました。
1. 海の日と山の日の違いを一覧で比較
最初に、二つの祝日の違いを整理します。
| 比較項目 | 海の日 | 山の日 |
|---|---|---|
| 祝日法上の趣旨 | 海の恩恵に感謝し、海洋国日本の繁栄を願う | 山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する |
| 現在の日付 | 7月の第3月曜日 | 8月11日 |
| 法律が成立した年 | 1995年 | 2014年 |
| 初めて実施された年 | 1996年 | 2016年 |
| 日付の決め方 | 毎年変わる | 原則として固定 |
| 歴史的な原点 | 明治丸の横浜帰港 | 特定の歴史的事件はない |
| ハッピーマンデー制度 | 対象 | 対象外 |
共通しているのは、自然から受けている恩恵に気づき、感謝する日であることです。
一方、海の日には「海洋国である日本の繁栄を願う」という意味も含まれます。山の日には、感謝するだけでなく「山に親しむ機会を得る」という趣旨があります。
2. 2026年と2027年はいつ?
内閣府が公表している国民の祝日によると、2026年と2027年の日付は次のとおりです。
| 年 | 海の日 | 山の日 |
|---|---|---|
| 2026年 | 7月20日(月) | 8月11日(火) |
| 2027年 | 7月19日(月) | 8月11日(水) |
海の日は7月の第3月曜日なので、日付が毎年変わります。ただし必ず月曜日になるため、一般的な土日休みであれば3連休になります。
山の日は原則として8月11日に固定されており、曜日だけが毎年変わります。お盆に近い時期ですが、山の日とお盆休みは別のものです。
なお、祝日が日曜日に当たった場合は、その後で最も近い「国民の祝日ではない日」が振替休日になります。
3. 国民の祝日は単なる休日ではない
国民の祝日は、単に学校や会社が休みになる日ではありません。
祝日法では、国民がそろって祝い、感謝し、または記念する日を「国民の祝日」としています。現在は年間16日の祝日が定められており、それぞれに異なる趣旨があります。
海の日と山の日について、法律上の意味は次のように整理できます。
海の日
海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う。
山の日
山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する。
海水浴や登山をするためだけの休日ではありません。海や山が暮らしをどのように支えているのかを考えることも、祝日の大切な目的です。
また、「国民の祝日」とカレンダー上の「休日」は、厳密には同じではありません。
- 祝日法で名称と趣旨が定められた日
- 日曜日と重なった祝日の振替休日
- 前日と翌日を祝日に挟まれた休日
これらはいずれも休みになる可能性がありますが、すべてが祝日法上の「国民の祝日」というわけではありません。
4. 海の日の由来は明治丸の航海
海の日の歴史的な原点は、1876年7月20日にあります。
明治天皇は東北・北海道巡幸の帰路で、灯台巡視船の明治丸に乗船し、横浜港へ無事に到着しました。それまでの巡幸では主に軍艦が使用されていましたが、このときは軍艦ではない船が使われました。
この出来事を記念して、1941年に7月20日が海の記念日とされました。ただし、当時の海の記念日は国民の祝日ではありません。
海の日が成立するまでの流れは、次のようになります。
1876年7月20日
↓
明治天皇が明治丸で横浜港へ到着
↓
1941年に「海の記念日」を制定
↓
1995年に祝日法を改正
↓
1996年から「海の日」を実施
↓
2003年から7月の第3月曜日へ変更
明治丸の航海は海の日の原点ですが、祝日の目的は航海そのものを祝うことだけではありません。
海上保安庁による海の日の説明でも、海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う日とされています。
5. 海の日が国民の祝日になった理由
日本は四方を海に囲まれており、古くから漁業、海運、人や文化の交流を通じて発展してきました。
現在も、石油や天然ガスなどのエネルギー資源、食料、工業原料、機械製品など、さまざまな物資が船で運ばれています。
国土交通省の資料では、2023年の日本の貿易量のうち、トン数ベースで99.6%を海上輸送が占めています。
これは、海外との貿易を重量で見た場合、ほぼすべての貨物が船によって運ばれていることを意味します。飛行機は速く運べる一方、一度に運べる量や輸送費の面では船と大きな差があります。
海は、ほかにも次のような形で生活を支えています。
- 魚介類などの食料を生み出す
- 国内外の貨物を運ぶ交通路になる
- 観光やレジャーの場になる
- 多様な生物の生息環境になる
- 海洋エネルギーや鉱物資源に関わる
- 気温や気候の安定に影響する
こうした海の重要性を国民全体で考えるため、長年親しまれてきた海の記念日を祝日にする運動が進められました。
1995年に祝日法の改正が成立し、翌1996年に最初の海の日が実施されています。
「海の日は1995年にできた」と「1996年から始まった」という二つの説明があるのは、法律の成立と実際の施行に時間差があるためです。
- 1995年:祝日法の改正が成立
- 1996年:初めて祝日として実施
6. 海の日が7月20日から第3月曜日に変わった理由
海の日は、1996年から2002年までは毎年7月20日でした。
2003年からは、7月の第3月曜日に変更されています。これは、祝日を月曜日へ移して土曜日・日曜日とつなげるハッピーマンデー制度によるものです。
日付を月曜日にすることで3連休を作りやすくし、余暇活動や旅行、家族と過ごす時間を増やすことなどが制度の目的とされました。
そのため、海の日には二つの日付が関係しています。
| 日付 | 意味 |
|---|---|
| 7月20日 | 明治丸が横浜港へ到着した日であり、海の記念日だった日 |
| 7月の第3月曜日 | 現在の祝日法で定められている海の日 |
「海の日は7月20日」と覚えている人が多いのは、制定当初の日付と歴史的な由来の日付が同じだったからです。
2026年は第3月曜日が偶然7月20日に当たりますが、毎年7月20日になるわけではありません。
7. 山の日はなぜ作られたのか
山の日は、2014年に法律が成立し、2016年から実施されました。現在ある国民の祝日の中では、最も新しく加わった祝日です。
日本では国民の祝日ができる以前から、各地の自治体が独自の「山の日」を設け、森林や自然に親しむ行事を行っていました。
その後、日本山岳会をはじめとする山岳関係団体の間で、国民全体が山の恵みについて考える日を作ろうという動きが広がります。
2010年には、複数の山岳関係団体による制定運動が本格化しました。2013年には超党派の議員連盟が設立され、国会での法改正へと進んでいきます。
衆議院が公開している改正法では、8月11日を山の日とし、次のように定めています。
山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する。
法律は2014年5月に成立し、2016年1月1日に施行されました。そのため、山の日の制定年と実施年は異なります。
- 2014年:法律が成立
- 2016年:最初の山の日を実施
8. 山の日が8月11日になった理由
山の日には、海の日の明治丸のような、日付と直接結びつく歴史的事件はありません。
内閣府による山の日の説明では、多くの人がお盆休みや夏休みに入る時期に、大人も子どもも山に親しみ、山について考える日になることが期待されたとされています。
山の日の日付を決める過程では、次のような複数の案が検討されました。
- 祝日がない6月に設ける
- 海の日の翌日にする
- 夏山シーズンに合わせる
- お盆休みの前後に設ける
最終的には、お盆に近く、夏休み中でもある8月が選ばれました。
制定運動に関する記録では、一時は8月12日が有力な候補になったものの、1985年8月12日に日本航空123便墜落事故が発生していたことから、祝日の日付として適切ではないとの意見が出て、8月11日になったと説明されています。
日本航空123便の事故は、群馬県上野村周辺の山中で発生し、520人が亡くなりました。8月12日は現在も慰霊の日であるため、祝う日と重ならないよう配慮されたと考えられます。
「8という数字が山の形に見え、11は木が並んでいるように見えるから」という説明もあります。しかし、祝日法や内閣府の説明では、これが正式な制定理由として示されているわけではありません。
数字の見た目は、日付が決まった後に広まった覚え方の一つとして捉えるのが適切です。
9. 山の恩恵とは何を指すのか
山の日は登山をする人だけのために作られた祝日ではありません。
日本の国土は山地が多く、森林や山から受ける恩恵は、都市部の生活にも深く関係しています。
林野庁の森林・林業白書によると、日本の森林面積は2022年3月末時点で約2,502万ヘクタールです。国土面積の約3分の2を森林が占めています。
森林や山地には、次のような働きがあります。
- 雨水を蓄え、川や地下水へ少しずつ流す
- 土砂の流出や表面侵食を抑える
- 木材や山菜などの資源を生み出す
- 二酸化炭素を吸収する
- 多様な動植物の生息環境になる
- 美しい景観やレクリエーションの場を作る
- 地域の文化や信仰を支える
山に降った雨や雪は、森林の土壌に蓄えられ、川や地下水を通じて人々の暮らしを支えます。
紙、家具、住宅に使われる木材も森林から得られる資源です。登山をしない人であっても、水道水や木製品、防災、気候などを通して山の恩恵を受けています。
10. 海と山は水の循環でつながっている
海の日と山の日は、別々の自然環境に感謝する祝日のように見えます。しかし、海と山は水の循環によってつながっています。
海の水が蒸発する
↓
雲ができる
↓
山や陸地に雨・雪が降る
↓
森林・土壌・川を通る
↓
再び海へ流れ込む
山の森林が荒れると、土砂やごみが河川を通じて海へ流れ込み、海の生態系に影響を与えることがあります。
反対に、海から蒸発した水は雲となり、山や陸地へ雨や雪をもたらします。山で育まれた栄養分が川を通って海へ運ばれ、沿岸の生態系を支える場合もあります。
海岸だけを守れば海の環境が保たれるわけではなく、森林、河川、農地、町での暮らし方まで含めて考える必要があります。
海の日と山の日を並べて見ることで、日本の自然が互いに影響し合いながら、生活を支えていることが分かります。
11. よくある誤解と注意点
海の日は毎年7月20日ではありません。
現在は7月の第3月曜日です。2026年は偶然7月20日に当たります。
海の日が始まったのは1995年ではありません。
1995年は法律が成立した年です。実際に最初の祝日を迎えたのは1996年です。
山の日は昔からある伝統的な祝日ではありません。
法律が成立したのは2014年で、実施されたのは2016年からです。
山の日は登山をしなければならない日ではありません。
近所の公園や森林を歩く、山から届く水や木材について考えるなど、山への親しみ方はさまざまです。
山の日はお盆休みの一部ではありません。
山の日は祝日法で定められた国民の祝日ですが、お盆休みは企業や学校などが独自に設ける休暇です。
海の日と山の日は一度も移動していないわけではありません。
2020年と2021年には、東京オリンピック・パラリンピックに合わせた特例により、通常とは異なる日に移されました。恒久的な変更ではなく、現在は通常の日付に戻っています。
12. 祝日の意味を生かした過ごし方
海や山へ出かけなくても、二つの祝日の意味に触れることはできます。
海の日の過ごし方
- 港や水族館、海洋博物館を訪れる
- 海運や漁業の仕組みを調べる
- 海岸清掃などの環境活動に参加する
- 津波、高潮、離岸流について学ぶ
- 魚介類の産地や漁法を確認する
山の日の過ごし方
- 体力に合った自然歩道や里山を歩く
- 森林と水道水の関係を調べる
- 木材や紙の産地を確認する
- 地域の山や森林の歴史を知る
- 登山時の装備や安全対策を見直す
実際に自然の中へ出かける場合は、祝日だから安全とは限りません。
海では天候、波、潮の流れ、遊泳区域を確認し、山では気温差、雷、熱中症、道迷い、日没時間に備える必要があります。
自然の恩恵に感謝することと、自然の危険性を正しく理解することは切り離せません。
13. よくある質問
Q. 2026年の海の日と山の日はいつですか?
海の日は2026年7月20日(月)、山の日は8月11日(火)です。
Q. 海の日はなぜ7月20日が由来なのですか?
1876年7月20日に、明治天皇が灯台巡視船の明治丸で横浜港へ無事に到着したことに由来します。
Q. 海の日はなぜ第3月曜日なのですか?
ハッピーマンデー制度により、土曜日・日曜日とつなげて3連休を作りやすくするためです。2003年から7月の第3月曜日になりました。
Q. 海の日はいつから始まりましたか?
法律が成立したのは1995年で、初めて祝日として実施されたのは1996年です。
Q. 山の日はいつから始まりましたか?
2014年に法律が成立し、2016年に最初の山の日が実施されました。
Q. 山の日はなぜ8月11日なのですか?
夏休みやお盆に近く、山へ親しみやすい時期であることが背景にあります。制定過程では8月12日も有力候補でしたが、日本航空123便墜落事故の日と重なるため、8月11日になったとされています。
Q. 8月11日は数字が山と木に見えるから山の日なのですか?
広く知られている覚え方ですが、祝日法や内閣府の説明に正式な制定理由として記載されているわけではありません。
Q. 山の日は必ずお盆休みとつながりますか?
必ずつながるわけではありません。8月11日は国民の祝日ですが、お盆休みの日程は勤務先や学校によって異なります。
Q. 海の日は必ず3連休になりますか?
一般的な土日休みであれば、月曜日の海の日と合わせて3連休になります。ただし、勤務形態によっては休みにならない場合があります。
14. 二つの祝日の要点
海の日は、1876年7月20日に明治天皇が明治丸で横浜港へ到着した出来事を原点としています。1941年に海の記念日が作られ、1996年から国民の祝日になりました。
制定当初は7月20日でしたが、ハッピーマンデー制度により、2003年から7月の第3月曜日へ変更されています。
山の日は、山岳関係団体や国会議員などによる制定運動を経て、2016年から始まりました。特定の歴史的事件を記念する日ではなく、山に親しみ、その恩恵に感謝するための祝日です。
重要な点をまとめます。
- 海の日は7月の第3月曜日
- 山の日は原則として8月11日
- 2026年は海の日が7月20日、山の日が8月11日
- 海の日は1996年から実施
- 山の日は2016年から実施
- 海の日の原点は明治丸の航海
- 山の日は山岳団体などの制定運動を経て成立
- 海と山は水の循環を通じてつながっている
二つの祝日は、休日を増やすためだけに作られたものではありません。
海と山が食料、水、物流、資源、防災、文化などを通じて暮らしを支えていることを知り、その環境を将来へどのように残すかを考える機会でもあります。