引っ越し費用の相場はいくら?単身・家族の時期・距離別料金と安くする方法
業者へ支払う料金の目安は、通常期なら単身で約5.8万〜7.9万円、2人で約10.3万円、3人で約12.7万円、4人で約16.9万円です。2〜4月の繁忙期は、単身で約7.7万〜10.7万円、2人で約13.4万円、3人で約17.5万円、4人で約23.2万円まで上がります。
ただし、平均額だけで予算を決めるのは危険です。移動距離、荷物量、日程、階段や駐車場所、エアコン工事などによって、同じ人数でも数万円から十数万円の差が出ます。
以下の金額は、主に引っ越し業者へ支払う運送・作業料金の目安です。賃貸契約の敷金・礼金・仲介手数料、退去費用、家具・家電の購入費、本人の交通費などは含みません。
1. まず確認したい引っ越し費用の早見表
料金を左右する基本条件は、人数または荷物量・移動距離・時期の3つです。次の表は、SUUMO引越し見積もりの2025年9月時点の集計を基に、全距離の平均をまとめたものです。
| 世帯・荷物量 | 通常期(5〜1月) | 繁忙期(2〜4月) | 差額 |
|---|---|---|---|
| 単身・荷物少なめ | 約5万8,000円 | 約7万7,000円 | 約1万9,000円 |
| 単身・荷物多め | 約7万9,000円 | 約10万7,000円 | 約2万8,000円 |
| 2人 | 約10万3,000円 | 約13万4,000円 | 約3万1,000円 |
| 3人 | 約12万7,000円 | 約17万5,000円 | 約4万8,000円 |
| 4人 | 約16万9,000円 | 約23万2,000円 | 約6万3,000円 |
この表から分かるのは、人数が増えるほど繁忙期の上振れも大きくなることです。4人家族では、繁忙期と通常期の全平均に約6万円の差があります。
単身の「荷物少なめ」は、実家や家具付き住宅からの転居など、大型家具・家電が少ないケースに近い区分です。すでに一人暮らしをしていて、ベッド、冷蔵庫、洗濯機、棚などをまとめて運ぶなら「荷物多め」を基準にしたほうが安全です。
2. 単身の費用を時期・距離別に比較
一人暮らしでも、近距離と長距離では必要な車両時間や高速道路料金が変わります。
| 移動距離 | 通常期・荷物少なめ | 通常期・荷物多め | 繁忙期・荷物少なめ | 繁忙期・荷物多め |
|---|---|---|---|---|
| 15km未満 | 約5万円 | 約6万4,000円 | 約5万5,000円 | 約7万7,000円 |
| 50km未満 | 約4万7,000円 | 約6万9,000円 | 約6万2,000円 | 約8万3,000円 |
| 200km未満 | 約6万2,000円 | 約9万7,000円 | 約8万円 | 約10万7,000円 |
| 500km未満 | 約6万9,000円 | 約11万7,000円 | 約9万1,000円 | 約14万3,000円 |
| 500km以上 | 約8万9,000円 | 約12万円 | 約11万6,000円 | 約17万4,000円 |
単身で安くなりやすいケース
- 大型家具を新居で購入する
- 段ボールと小型家電が中心
- 日程と時間帯を業者に任せられる
- 専用ボックスに荷物が収まる
- 宅配便と大型品輸送を使い分けられる
ただし、単身向けの専用ボックスは容量に上限があります。ベッドや自転車を別送すると、通常便より総額が高くなる場合もあるため、別送費を含む支払総額で比べます。
3. 2人・3人・4人家族の距離別相場
家族の転居では、人数だけでなく住居の広さや大型家具の数も荷物量に影響します。
通常期(5〜1月)
| 移動距離 | 2人 | 3人 | 4人 |
|---|---|---|---|
| 15km未満 | 約7万9,000円 | 約9万9,000円 | 約13万7,000円 |
| 50km未満 | 約9万2,000円 | 約11万5,000円 | 約15万4,000円 |
| 200km未満 | 約12万9,000円 | 約15万9,000円 | 約19万9,000円 |
| 500km未満 | 約15万3,000円 | 約17万3,000円 | 約24万2,000円 |
| 500km以上 | 約18万8,000円 | 約22万3,000円 | 約30万円 |
繁忙期(2〜4月)
| 移動距離 | 2人 | 3人 | 4人 |
|---|---|---|---|
| 15km未満 | 約10万2,000円 | 約13万3,000円 | 約18万円 |
| 50km未満 | 約12万1,000円 | 約15万7,000円 | 約21万2,000円 |
| 200km未満 | 約15万9,000円 | 約19万8,000円 | 約25万8,000円 |
| 500km未満 | 約19万1,000円 | 約25万1,000円 | 約33万3,000円 |
| 500km以上 | 約25万3,000円 | 約32万1,000円 | 約42万2,000円 |
たとえば、4人家族が繁忙期に500km以上移動する場合、平均は約42万円です。エアコン工事、荷造り、ピアノや自動車の輸送まで加われば、さらに高くなる可能性があります。
人数だけを見て判断せず、距離と時期を組み合わせます。
4. 3月はなぜ高いのか
国土交通省によると、3月の引っ越し件数は通常月の約2倍です。進学、就職、転勤、賃貸契約の更新が重なるため、トラックと作業員の空きが減ります。
料金を抑えたいときの優先順位は、次のとおりです。
- 3月中旬〜4月上旬を避ける
- 午前指定を外し、午後便や時間指定なしを検討する
- 月末より上旬・中旬も候補にする
- 土日だけでなく平日も候補に入れる
- 候補日を1日に限定しない
3月に動かざるを得ない場合でも、最終週の土日を避ける、搬出日と入居日をずらす、会社に時期変更を相談するなどの方法があります。
実質的な節約額
= 引っ越し料金の値下がり額
- 二重家賃
- 宿泊費
- 荷物保管料
- 追加の交通費
業者料金だけでなく、住み替え全体の支出で判断します。
5. 相場サイトによって金額が違う理由
引っ越し費用には、公的に決められた一つの全国平均があるわけではありません。比較サービスごとに、登録された利用者、集計期間、距離区分、荷物量の定義が異なります。
たとえば通常期・15km以内・単身で荷物が少ないケースは、SUUMOの集計では約5万円ですが、引越し侍の集計では約3万6,000円です。数字の差だけを見て、片方が間違っているとは判断できません。
相場を見るときは、次の条件をそろえます。
- 見積額か、実際に支払った金額か
- 通常期か繁忙期か
- 荷物が少ないか多いか
- 距離区分が同じか
- 家族人数が同じか
- オプション料金を含むか
- 全国平均か特定地域の平均か
相場は「この金額で必ず頼める」という価格表ではなく、提示された見積もりが極端に外れていないか判断するための基準です。
1社の見積もりが平均より高くても、階段作業や大型家具、長い搬入経路などの合理的な理由があれば、直ちに割高とは限りません。
6. 見積もりが高くなる主な原因
見積額は、基本的に次のような費用の組み合わせです。
支払総額
= 基本運賃
+ 作業員・梱包資材などの実費
+ 高速道路・駐車料金
+ オプション料金
+ 条件変更による追加料金
特に金額が上がりやすいのは、次の条件です。
| 条件 | 高くなる理由 |
|---|---|
| 大型家具・家電が多い | 大きなトラックや追加人員が必要 |
| エレベーターがない | 階段での搬出入に時間がかかる |
| トラックを建物前に止められない | 荷物を長い距離運ぶ横持ち作業が発生 |
| 午前開始を指定する | 希望が集中しやすく、日程調整の余地が少ない |
| 荷造り・荷解きを任せる | 作業時間と人件費が増える |
| エアコンを移設する | 取り外し・運搬・取り付け工事が必要 |
| 荷物が見積もり時より増えた | 車両変更や追加便が必要になる |
| 搬入に吊り上げが必要 | クレーンや特殊作業が必要 |
| 長距離を短期間で運ぶ | 混載便ではなく専用便になる場合がある |
オンライン見積もりでは、収納、物置、自転車、ベランダ用品まで伝え、大型品の寸法と段ボール予定数を共有します。
7. 費用を安くする方法
荷物を減らしてから見積もりを取る
処分する家具を含めたままでは、大きなトラックが必要と判断されることがあります。粗大ごみは予約枠が埋まることもあるため、早めに申し込みます。
同じ条件で2〜3社を比べる
荷物量、住所、階数、エレベーター、駐車条件、希望日時、オプションを統一します。条件が違う見積書では、価格差の理由が分かりません。
時間指定を緩める
午前便は到着時刻を読みやすい反面、希望が集まりやすい傾向があります。午後便や時間指定なしは安くなる可能性がありますが、当日の予定には余裕が必要です。
候補日を複数用意する
「この日しか無理」より、「前後3日」「平日も可」と伝えたほうが、業者の空き枠に合わせやすくなります。
自分で行う作業を決める
荷造り・荷解きをすべて任せるプランは便利ですが、料金は上がります。食器や本は自分で詰め、大型家具だけ任せるなど、時間と予算のバランスを取ります。
勤務先の補助規程を先に確認する
転勤や採用に伴う転居では、指定業者、見積書の必要枚数、支給上限、対象外のオプションが定められている場合があります。契約後では精算できないこともあるため、先に確認します。
8. 見積書は総額と作業範囲を並べて比較
最安値だけで選ぶと、必要な作業が含まれていないことがあります。次の表を使うと、各社の条件をそろえやすくなります。
| 比較項目 | A社 | B社 | C社 |
|---|---|---|---|
| 支払総額 | |||
| トラックの大きさ・台数 | |||
| 作業員数 | |||
| 段ボール・資材 | |||
| 家具の分解・組み立て | |||
| 洗濯機の設置 | |||
| エアコン工事 | |||
| 高速道路・駐車料金 | |||
| 荷物保管 | |||
| 補償内容 | |||
| 解約・延期条件 |
「基本料金○%引き」と書かれていても、オプションを含む総額が最安とは限りません。値引率ではなく、必要な作業をすべて含めた最終金額で判断します。
口頭で変更した内容は、メールや修正見積書でも確認します。特に、荷物の追加、作業時間、到着時間の幅、追加料金が発生する条件を残しておくことが大切です。
9. 契約後の追加料金とキャンセルに注意
見積もり時に伝えた条件と実際の条件が同じなら、請求額は原則として見積額の範囲に収まります。一方、利用者側の都合で荷物が増えたり、追加作業を頼んだりした場合は、追加料金が発生することがあります。
標準的な解約・延期手数料の上限は、国土交通省の標準引越運送約款では次のように定められています。
| 解約・延期を伝えた日 | 手数料の上限 |
|---|---|
| 受取日の前々日 | 運賃・料金の20%以内 |
| 受取日の前日 | 運賃・料金の30%以内 |
| 受取日当日 | 運賃・料金の50%以内 |
実際には契約した業者の約款が適用されるため、見積書と一緒に確認します。すでに実施された下見や付帯サービスなどについて、別途費用が生じる場合もあります。
国民生活センターは、家具や壁の傷、荷物の紛失、トラックに載りきらない積み残し、契約しなかった業者が置いていった段ボールの返送料などの相談例を公表しています。
トラブルを防ぐため、次の記録を残します。
- 搬出前の家具・家電・壁・床の写真
- 見積書と約款
- 荷物リスト
- 電話で変更した内容のメール
- 搬入後の傷や動作不良の写真
- 作業完了時に確認した内容
破損や紛失に気づいたら、時間を置かず業者へ連絡します。
10. 予算を立てるための具体例
学生が通常期に30km移動する場合
荷物が少なければ5万円前後が目安です。冷蔵庫や洗濯機を新居で購入するなら、専用ボックスや宅配便も比較できます。
3人家族が通常期に150km移動する場合
平均は約16万円です。荷造りを依頼する、エアコンを複数台移設する、自転車を運ぶ場合は、追加分を見込みます。
4人家族が3月に600km移動する場合
平均は約42万円です。本人たちの交通費、宿泊費、荷物の一時保管、新居での買い足しを含めると、住み替え全体ではさらに大きな資金が必要です。
住み替え予算は、業者への支払い・旧居の退去費用・新居の契約費用・本人の移動費・家具家電の購入費に分けると、見落としを防ぎやすくなります。
11. よくある質問
Q. 単身で10万円は高いですか?
通常期の近距離で荷物が少ないなら高めに見えます。一方、繁忙期、長距離、荷物が多い、午前指定、エアコン工事付きなどの条件なら、10万円を超えても不自然ではありません。
Q. 3月の一人暮らしで20万円になることはありますか?
長距離、荷物が多い、最繁忙日、専用便、追加工事などが重なれば起こり得ます。平均より高いという理由だけで決めず、内訳と他社の同条件見積もりを確認します。
Q. 見積もりは何日前に取ればよいですか?
通常期でも1か月前を一つの目安にし、3〜4月は日程が決まり次第、早めに動くほうが選択肢を確保しやすくなります。賃貸契約が未確定でも、おおよその地域と荷物量で相談できる場合があります。
Q. 見積もり後に荷物が増えたらどうなりますか?
トラック変更、作業員追加、積み残し、追加料金につながる可能性があります。大型家具や段ボールが増えた時点で連絡し、変更後の総額を確認します。
Q. 自力で運べば必ず安くなりますか?
近距離で荷物が少なければ安くなる可能性があります。ただし、レンタカー、燃料、高速道路、駐車場、梱包資材、手伝いへの謝礼、破損やけがのリスクを含めて比較する必要があります。
Q. 一括見積もりと個別見積もりはどちらがよいですか?
一括見積もりは複数社を比較しやすい一方、連絡が増える場合があります。個別見積もりは候補を絞りやすい反面、相場との差に気づきにくいことがあります。連絡方法や依頼社数を確認し、自分が管理できる方法を選びます。
12. 相場は条件をそろえて使う
引っ越し業者への支払額は、通常期なら単身で約6万〜8万円、家族で約10万〜17万円が一つの目安です。繁忙期や長距離では、単身でも10万円を超え、4人家族では40万円を超えるケースがあります。
重要なのは、平均額そのものよりも次の3点です。
- 自分と同じ人数・荷物量・距離・時期の数字を見る
- 同じ作業条件で2〜3社の支払総額を比較する
- 業者料金だけでなく、二重家賃や交通費を含む総予算で判断する
相場より高い見積もりには、理由がある場合もあります。内訳を確認し、不要な作業を外し、日程や時間帯を調整したうえで、納得できる条件を選ぶことが重要です。