ピーラーの横の突起は何?じゃがいもの芽取りの使い方と左右にある理由
一般的なT型ピーラーの刃の横にあるU字型や耳のような突起は、じゃがいもの芽と、その根元を取り除くための「芽取り」です。
芽の周囲へ先端を差し込み、円を描くように動かすと、包丁で大きく切り落とさなくても必要な部分だけを取り除けます。
ただし、ピーラーに付いている穴や突起が、すべて芽取りとは限りません。持ち手の端にある丸い穴は吊り下げ収納用であることが多く、多機能タイプでは突起に別の役割が割り当てられている場合もあります。
じゃがいもの芽や緑色になった皮には、天然毒素のソラニンやチャコニンが多く含まれることがあります。突起の役割だけでなく、どの部分をどこまで取り除くべきかも知っておくことが大切です。
1. 刃の横にあるU字型の部分は「芽取り」
ピーラーの刃を支えているフレームを見ると、左右どちらか、または両側に小さなU字型の部分が付いていることがあります。
この部分は、主にじゃがいもの表面にできた芽や、芽の根元にあるくぼみをえぐり取るためのものです。「芽取り」「芽取り器」「ポテトアイリムーバー」などと呼ばれます。
刃物メーカーの貝印も、T型ピーラーの側面にあるステンレス製のU字型部分を、じゃがいもの芽を取るための部品として案内しています。貝印の公式製品情報では、U字部分を芽の周囲で回転させる使い方が示されています。
芽取りの形は製品によって異なります。
| 芽取りの形 | 見た目 | 特徴 |
|---|---|---|
| U字型 | 小さな半円や輪のように開いている | 芽を囲みながら回しやすい |
| スプーン型 | 小さなくぼみや浅いスプーン状 | 芽の根元をすくいやすい |
| 尖った突起型 | 三角形やツノのように出ている | 狭いくぼみに届きやすい |
| 左右対称型 | 両側に同じ形が付いている | 右手でも左手でも使いやすい |
ピーラーによっては芽取り自体が付いていません。芽取りのない製品が不良品というわけではなく、皮をむく機能に特化した構造です。
2. 「横の穴」は場所によって用途が違う
ピーラーには穴や隙間が複数あるため、どの部分を指しているかによって答えが変わります。
| 場所・形 | 主な用途 |
|---|---|
| 刃の横にある小さなU字型部分 | じゃがいもの芽取り |
| 持ち手の端にある丸い穴 | フックなどに掛ける収納穴 |
| 2枚の刃の間にある細長い隙間 | むいた皮が通る部分 |
| 多機能型にある三角形や特殊な突起 | 製品ごとに用途が異なる |
| 持ち手の表面にある小さな穴 | 滑り止めや軽量化などの場合がある |
見分けるポイントは、刃のすぐ近くにあり、じゃがいもの芽へ差し込める形をしているかです。
一般的な芽取りは、丸い収納穴よりも小さく、U字型や耳のような形をしています。持ち手の末端にある大きめの丸い穴は、芽取りではないことがほとんどです。
刃の横の小さなU字部分
↓
じゃがいもの芽取り
持ち手の端の丸い穴
↓
吊り下げて収納する穴
2枚の刃の間の隙間
↓
むいた皮が通る部分
多機能ピーラーでは、皮むき以外に千切り、飾り切り、薬味おろしなどの機能が付いていることがあります。U字型ではない鋭い突起や、左右で明らかに形が違う部品は、芽取りと決めつけず、製品の説明書やメーカー情報を確認してください。
3. じゃがいもの芽を取る正しい使い方
芽取りを使うときは、強く突き刺すのではなく、芽の周囲へ浅く差し込んで回すのが基本です。
手順は次のとおりです。
- じゃがいもを流水で洗い、土や汚れを落とす
- 芽、芽の根元、緑色の部分、傷んだ部分を確認する
- 芽取りを芽の中心ではなく、少し外側へ当てる
- 先端を浅く差し込む
- 芽の周囲を囲むように、ピーラーまたはじゃがいもを回す
- 円すい状にくり抜く
- 断面を見て、芽の根元が残っていないか確認する
U字型の芽取りなら、芽の周囲に当てて半回転から一回転ほど動かすと、必要な部分だけを取りやすくなります。
芽取りを当てる
↓
芽の周囲を回す
↓
円すい状に取り除く
↓
根元が残っていないか確認する
深い芽を一度で取ろうとすると、芽取りが滑ったり、じゃがいもを大きく削ったりすることがあります。最初は浅く取り、断面を見ながら追加で削るほうが安全です。
安全に使うためのポイント
- じゃがいもの水気を軽く拭いてから持つ
- 芽取りが進む方向に指を置かない
- 強い力で突き刺さない
- 小さなじゃがいもは手のひらで包み込まない
- 芽取りが曲がっている場合は使用しない
- 作業中に刃へ指を近づけない
じゃがいもが転がって安定しない場合は、底を薄く切って平らにし、まな板に置いてから小型包丁で芽を取り除く方法もあります。ピーラーだけで無理に処理する必要はありません。
4. 左右の突起は機能が違うのか
左右に同じ形のU字型部分が付いているピーラーでは、両方とも芽取りとして使える場合が一般的です。
左右両側に芽取りを設ける主な理由は、右利きと左利きのどちらでも使いやすくするためです。握る手や食材の向きを変えたときにも、使いやすい側の芽取りを選べます。
無印良品のステンレス皮引きも、芽取りが両方に付いた左右対称の形について、利き腕を問わず使いやすい仕様と説明しています。無印良品の公式製品情報で確認できます。
ただし、次の点には注意が必要です。
左右に部品があるからといって、必ず両方が同じ機能とは限りません。
多機能タイプでは、一方が芽取りで、もう一方が別の用途になっている場合があります。左右で形が違うときは、同じ方法で使用しないでください。
また、左右両方に芽取りがあっても、ピーラーの刃まで左右両用とは限りません。
| 確認する部分 | 確認内容 |
|---|---|
| 芽取り | 片側だけか、左右両側か |
| 左右の形 | 同じ形か、異なる形か |
| 刃の方向 | 引く方向が決まっているか |
| ハンドル | 右手・左手のどちらでも握りやすいか |
| 製品表示 | 左右兼用、左利き対応などの記載があるか |
左利きの人や、家族で同じピーラーを使う場合は、左右対称型を選ぶと芽取りを使いやすくなります。
5. じゃがいもの芽はどこまで取ればよい?
芽は表面に出ている部分だけを折るのではなく、芽の根元と周囲を含めて十分に取り除くことが重要です。
じゃがいもの芽や、光に当たって緑色になった皮には、天然毒素のソラニンやチャコニンが多く含まれることがあります。
農林水産省は、食中毒を防ぐために次の処理を呼びかけています。
- 芽と芽の根元を十分に取り除く
- 緑色になった部分の皮を厚くむく
- 緑色の部分を残さない
- 未熟で小さなじゃがいもにも注意する
- 苦味やえぐ味がある場合は食べない
詳しい注意点は、農林水産省の「ソラニンやチャコニンによる食中毒を防ぐには」で確認できます。
取り方の目安は次のとおりです。
| じゃがいもの状態 | 対応 |
|---|---|
| 小さな芽が少数ある | 芽と根元を円すい状に取り除く |
| 芽が深く入り込んでいる | 周囲を含めて広めに取り除く |
| 一部の皮が緑色 | 緑色の部分を厚めにむく |
| 広範囲が緑色 | 無理に食べず、廃棄を検討する |
| 芽が多数あり、しなびている | 食べない判断を優先する |
| 苦味やえぐ味がある | 食べるのをやめる |
皮の緑色は葉緑素によるものですが、光に当たったじゃがいもでは、同じ条件でソラニンやチャコニンも増えている可能性があります。
農林水産省によると、光が当たって緑色になった皮の部分には、グリコアルカロイドが100g当たり100mg以上含まれる場合があるとされています。じゃがいもに含まれる天然毒素の情報でも、皮に近い部分ほど濃度が高くなりやすいことが示されています。
緑色の部分が広いじゃがいもは、「厚くむけば必ず食べられる」と考えず、状態を見て廃棄することも大切です。
6. 加熱すれば芽を取らなくてもよい?
芽や緑色の部分は、加熱する前に取り除く必要があります。
ソラニンやチャコニンは加熱で一部が分解する可能性はあるものの、家庭で行う一般的な調理によって、含有量が確実に減るとは限りません。
そのため、次のような処理だけで安全になるとは考えないでください。
- 長時間ゆでる
- 高温で揚げる
- 電子レンジで加熱する
- 水へ長くさらす
- 煮汁を捨てる
最も確実な対策は、芽、芽の根元、緑色になった皮を調理前に物理的に取り除くことです。
芽を取り忘れたまま煮物やカレーに入れた場合も、「十分に煮込んだから問題ない」とは判断できません。芽や緑色の部分が残っていることに気付いたら、そのじゃがいもは食べないほうが安全です。
食べた後に吐き気、嘔吐、腹痛、下痢、頭痛、めまいなどの症状が現れた場合は、残りを食べるのをやめ、医療機関へ相談してください。
7. 芽取りを使った後の洗い方
芽取り部分は小さく入り組んでいるため、じゃがいもの皮やでんぷんが残りやすい場所です。
使用後は放置せず、刃の裏側と芽取りの内側を流水で洗います。
洗うときの注意点
- 刃に向かって指を滑らせない
- 芽取りの内側へ指を強く押し込まない
- 詰まった皮は柄付きブラシなどで落とす
- 洗った後は水分を切って乾燥させる
- 食器洗い乾燥機の使用可否は製品表示を確認する
ステンレス製であっても、すべてのピーラーが食器洗い乾燥機に対応しているとは限りません。ハンドルの素材や接合方法によって、対応状況は異なります。
次のような状態になったピーラーは、使用を続けないほうが安全です。
- 芽取り部分が外側へ曲がっている
- 刃や芽取りに欠けがある
- フレームがぐらつく
- 深いさびがある
- 強い力を入れないと皮がむけない
切れ味が落ちたピーラーは、力を入れたときに滑りやすくなります。無理に研いだり変形を戻したりせず、買い替えを検討してください。
8. よくある質問
ピーラーの突起はじゃがいも以外にも使えますか?
一般的な芽取りであれば、にんじんやりんごの小さな傷を部分的に取り除ける場合があります。
ただし、硬い芯を無理にえぐったり、缶や容器を開けるために使ったりすると、変形やけがにつながります。基本的には、製品で指定されている用途に使用してください。
芽を指で折るだけでは不十分ですか?
表面から伸びた芽を折っても、芽の根元がじゃがいもの中に残ることがあります。
芽取りや包丁を使い、芽の根元と周囲を含めて取り除く必要があります。
皮をむかず、芽だけ取って食べてもよいですか?
緑色の部分がなく、十分に成熟した状態のよいじゃがいもであれば、料理によっては皮付きで調理できます。
ただし、芽とその根元は十分に取り除いてください。皮が緑色になっている場合は、その部分を厚くむき、広範囲に緑化している場合は食べない判断も必要です。
左右にある突起は両方使えますか?
左右が同じU字型なら、両方とも芽取りとして使える製品が多くあります。
左右で形が違う場合や、多機能ピーラーの場合は、一方が別の機能である可能性があるため、説明書を確認してください。
芽取りが付いていないピーラーでも問題ありませんか?
芽取りがない製品も正常です。
じゃがいもの芽は、小型包丁の刃元や専用の芽取り器で取り除けます。包丁を使う場合は、刃先を深く入れすぎず、芽の周囲を少しずつ円すい状に切り取ります。
突起が曲がった場合は元に戻せますか?
自分で曲げ戻すと、金属に亀裂が入ったり、使用中に折れたりする可能性があります。
変形した芽取りは使用せず、メーカーへ相談するか、新しいピーラーに交換してください。
9. 小さな突起を正しく使えば下ごしらえが楽になる
ピーラーの刃の横にある小さなU字型や耳状の部分は、一般にじゃがいもの芽を根元から取り除くための芽取りです。
覚えておきたいポイントを整理すると、次のようになります。
- 刃の横にある小さなU字型部分は、芽取りであることが多い
- 持ち手の端にある丸い穴は、一般に吊り下げ収納用
- 芽取りは芽の外側へ浅く差し込み、円を描くように回す
- 左右に同じ芽取りがある製品は、利き手を問わず使いやすい
- 左右で形が違う場合は、別の機能である可能性がある
- 芽は表面だけでなく、根元と周囲まで十分に取り除く
- 緑色の皮は厚くむき、広範囲なら食べない判断も必要
- 加熱だけで天然毒素を確実に取り除くことはできない
実際に使うときは、ピーラーを強く突き刺すのではなく、芽の周囲へ浅く当てて少しずつ回してください。
小さな突起の役割を知っておけば、皮むきから芽の処理までを一つの道具で進められ、じゃがいもの食べられる部分を必要以上に削らずに済みます。