【2026年最新】ミドリガメは飼育禁止?アカミミガメを今も飼える条件・罰則・譲渡ルール
すでに家庭で飼っているミドリガメは、今すぐ手放す必要はありません。一般家庭でペットとして飼い続ける場合、国への許可申請、登録、届出は不要です。
一方で、池や川へ放すこと、生きた個体を売買すること、不特定多数へ配ることなどは禁止されています。飼育者が覚えておきたい基本は、「そのまま飼える。ただし、逃がさない・売らない・安易に増やさない」の3点です。
1. ミドリガメは飼育禁止ではない
2023年6月1日からアカミミガメの規制が始まりましたが、一般家庭でのペット飼育まで禁止されたわけではありません。
| 行為 | 基本的な扱い |
|---|---|
| 今いる個体を飼い続ける | ○ 手続き不要 |
| 飼育の許可・登録・届出 | 不要 |
| 池や川へ放す | × 禁止 |
| 適切に管理せず逃がす | × 違法となることがある |
| 生きた個体を売る・買う | × 原則禁止 |
| 責任を持てる少数の相手へ無料で譲る | ○ 手続き不要 |
| 不特定多数・特定多数へ配る | × 原則禁止 |
| 野外で捕まえて飼う | ○ 可能だが、再放出は禁止 |
規制の目的は、家庭にいる個体を一斉に取り上げることではありません。新たな流通や野外への放出を抑え、生態系への被害を広げないことが中心です。
「特定外来生物になったから飼っているだけで違法」「規制開始前に購入したことを証明しなければならない」といった心配は不要です。
2. 今飼っている家庭がするべきこと
行政手続きは必要ありません。寿命まで責任を持って飼育し、脱走できない環境を整えることが求められます。
アカミミガメは飼育下で20~40年ほど生きることがある長寿の動物です。環境省によると、最大背甲長は雄で約20cm、雌で約28cmに達します。幼体の小さな「ミドリガメ」から想像するより、長期間にわたって広い飼育場所が必要です。
脱走を防ぐため、次の点を確認してください。
- 水槽や容器に、簡単には外れないふたを付ける
- 石、流木、フィルターなどを壁際の足場にしない
- 屋外の池や囲いでは、よじ登れる樹木や構造物をなくす
- 水換え中は、別のふた付き容器へ移す
- 庭やベランダでの日光浴中も目を離さない
- 大雨や増水で屋外の飼育場所から流出しないようにする
- 家族全員で「野外へ放してはいけない」と共有する
故意に逃がした場合だけが問題になるわけではありません。環境省は、適切な飼育をせず、自力で逃げ出した場合も違法となることがあると案内しています。
ふたのない容器で屋外飼育
↓
石やろ過装置を足場にして脱走
↓
排水路や水路へ移動
↓
管理状況によっては放出と判断される可能性
「今まで逃げなかった」ではなく、「今日、カメが登ろうとしても出られないか」という基準で設備を点検することが大切です。
3. やってはいけないことと罰則
特に注意したいのは、野外への放出、販売・購入、頒布です。
池や川、公園へ放す
飼いきれなくなっても、近所の池、河川、用水路、公園、神社の池などへ放してはいけません。「自然に返す」「以前いた池へ戻す」という考え方も認められません。
無許可で特定外来生物を野外へ放出した場合、個人では3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金、法人では1億円以下の罰金となる場合があります。違反の内容や適用される規定によって扱いは異なりますが、単なるマナー違反ではありません。詳しい罰則は環境省の外来生物法に関する罰則一覧で確認できます。
生きた個体を売る・買う
ペットや観賞用として、生きたアカミミガメを販売・購入することは原則禁止です。店舗だけでなく、通販、フリマアプリ、ネット掲示板、個人間取引も含まれます。
現金を受け取らなくても、次のような取引は販売と判断される可能性があります。
- カメと同等の価値がある商品との交換
- 別の商品にカメを「おまけ」として付ける
- 実質的に生体の対価となる金品を受け取る
- 生きた個体同士を交換する
無料でも多数へ配る
少数の友人や知人への無償譲渡は可能です。しかし、不特定多数または特定多数へ広く配る行為は「頒布」に当たり、無償でも規制されます。
| 例 | 基本的な考え方 |
|---|---|
| 親族1人へ無料で譲る | 可能 |
| 責任を持てる友人へ1匹譲る | 可能 |
| 新しい飼い主探しをする団体へ無料で渡す | 条件を守れば可能 |
| イベント参加者へ多数配る | 頒布に当たる |
| SNSで継続的に多数へ配る | 頒布に当たる可能性が高い |
| 代金や商品と引き換えに渡す | 販売に当たる可能性 |
卵も規制対象です。家庭で産卵したからといって、子ガメや卵を広く配ることはできません。
4. 飼えなくなったときの譲渡方法
高齢、病気、転居、介護、家族構成の変化などで、どうしても飼育を続けられなくなる場合があります。それでも、野外へ放すことはできません。
次の順番で引取り先を探します。
- 同居家族や親族に引き継げないか相談する
- 長期飼育ができる友人・知人を探す
- 新しい飼い主探しを行う団体や引取り飼養事業者を調べる
- 譲渡先の設備と終生飼養の意思を確認する
- 規制内容と飼育情報を伝え、原則として無償で譲る
環境省は、頒布に当たらない少数相手への無償譲渡について、申請・許可・届出を不要としています。譲る側が引取り料を支払って事業者などに引き取ってもらう形も、販売には当たらないとされています。
譲渡先には、少なくとも次の情報を伝えましょう。
- 推定年齢、甲羅の大きさ、性別
- 普段与えている餌
- 病気や治療の履歴
- かみつきやすさなどの性格
- 使用している水槽やろ過設備
- 長寿で大型になること
- 野外への放出と販売が禁止されていること
引取り先がすぐ見つかるとは限りません。飼育が限界になる前に探し始めることが重要です。自治体、交番、動物園などが必ず引き取る制度ではないため、突然持ち込まず、事前に対応できるか確認してください。
5. 野外で見つけた場合はどうするか
アカミミガメを野外で捕獲する行為自体は、外来生物法では規制されていません。販売・頒布目的でなければ、捕まえた個体を持ち帰って飼うことも可能です。
ただし、いったん持ち帰った個体を再び野外へ放すことは違法です。自宅で数日観察してから元の池へ戻す、といった行為もできません。
野外で見つけた
↓
寿命まで飼えるか
├─ はい → 捕獲して飼育することは可能
└─ いいえ → 安易に捕獲・移動させない
自分で飼う意思がない場合は、次の行動を避けてください。
- とりあえず自宅へ持ち帰る
- 別の池や川へ移す
- 子どもの一時的なペットとして持ち帰る
- 引取りの確認をせず役所や交番へ持ち込む
捕まえて、その場ですぐ放すキャッチアンドリリースは規制対象外です。ただし、土地や公園、水域の管理規則により採集が制限されることはあるため、場所ごとのルールも確認します。
道路上にいて危険な場合など、対応に迷ったときは無理に持ち帰らず、土地の管理者や管轄の地方環境事務所へ相談してください。
6. 新たに飼い始めることはできるのか
新規飼育そのものは全面禁止ではありません。
次の方法であれば、一般家庭が申請なしで飼い始めることができます。
- 友人や知人から少数の個体を無償で譲り受ける
- 譲渡先を探している飼い主や団体から無償で引き取る
- 野外で捕獲した個体を持ち帰る
一方、生きた個体をペットとして購入することは原則できません。
新たに迎える前には、次の条件を満たせるか考える必要があります。
- 20~40年に及ぶ可能性がある飼育を継続できる
- 成長後に十分な広さの水槽や設備を用意できる
- 定期的な水換え、ろ過、温度管理、日光浴を行える
- 転居や災害時にも運べる
- 医療費や設備費を負担できる
- 飼えなくなった場合も野外へ戻さない
法律上可能かどうかと、実際に最後まで飼えるかどうかは別問題です。「無料でもらえる」「近所の池にいる」という理由だけで持ち帰るべき動物ではありません。
7. 2023年6月1日から変わったこと
アカミミガメとアメリカザリガニは、2023年6月1日から「条件付特定外来生物」に指定されました。
根拠となる法律は、一般に外来生物法と呼ばれる「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」です。
「条件付特定外来生物」は、法律上の独立した分類名ではなく、通常の特定外来生物にかかる規制の一部を、当分の間適用しない生物の通称です。法律上は特定外来生物ですが、一般家庭での飼育や少数相手への無償譲渡などが適用除外になっています。
主な変更は次のとおりです。
| 手続きなしでできること | 原則禁止されたこと |
|---|---|
| 一般家庭でのペット飼育 | 野外への放出 |
| 野外での捕獲 | 生体の輸入 |
| 少数相手への無償譲渡・譲受け | 愛玩・観賞目的の販売・購入 |
| 捕獲直後のその場でのリリース | 不特定多数・特定多数への頒布 |
詳しい区分と例外は、環境省の条件付特定外来生物に関する規制内容で確認できます。
8. なぜ一律の飼育禁止にしなかったのか
アカミミガメは、在来のカメと餌や日光浴場所をめぐって競合し、水草、魚類、両生類、甲殻類、水生昆虫などにも影響を及ぼすと考えられています。
環境省の2019年時点の推計では、全国の約110万世帯で約160万匹が飼育されていました。これは規制設計時の背景を示す当時の推計であり、現在の飼育数を示すものではありません。
すでに非常に多くの家庭で飼われている生物を、一律に許可制や飼育禁止にすると、次のような逆効果が懸念されました。
厳しい手続きや飼育禁止
↓
負担や処罰を恐れる飼育者が増える
↓
池や川へ隠れて放す
↓
野外個体と生態系被害がさらに増える
そのため、家庭で飼い続ける行為は認めながら、放出や新たな流通を止める制度が採用されました。
規制が中途半端なのではなく、厳しくしすぎることで遺棄を増やさないための仕組みです。現在の飼育者には終生飼養を求め、新たな販売や野外への放出には強い制限をかける設計になっています。
生態や規制の背景は環境省のアカミミガメ解説ページでも確認できます。
9. 規制対象になる3亜種
対象になるアカミミガメは次の3亜種です。
- ミシシッピアカミミガメ
- キバラガメ
- カンバーランドキミミガメ
日本で広く飼われてきたのは、頭の横に赤い模様があるミシシッピアカミミガメです。幼体は甲羅や皮膚が緑色のため、「ミドリガメ」という名前で流通していました。
ただし、成長した雄は全身が黒っぽくなり、赤い模様が見えにくくなることがあります。「耳の横が赤くないから対象外」とは限りません。
生きた成体や幼体だけでなく、卵も規制対象です。同じ日にアメリカザリガニも条件付特定外来生物に指定されましたが、アメリカザリガニ以外の外国産ザリガニには、より厳しい通常の特定外来生物の規制がかかっている場合があります。
10. よくある質問
Q. 昔から飼っていることを証明するレシートは必要ですか?
必要ありません。一般家庭でペットとして飼う場合、購入時期にかかわらず許可、登録、届出は不要です。
Q. 引っ越し先へ一緒に連れて行けますか?
国内の引っ越しに伴って、自分の個体を安全な容器で運搬することは可能です。海外への持ち出しや再輸入には別の規制が関係するため、事前確認が必要です。
Q. 友人へ無料で譲ってもいいですか?
責任を持って飼える少数の相手への無償譲渡は可能です。放出禁止や長寿であることを説明し、飼育設備も確認してください。
Q. 里親募集をSNSに掲載できますか?
少数の新しい飼い主を探すこと自体は可能ですが、多数へ反復継続して配ると頒布に当たる可能性があります。利用するサービスが生体取引を禁止していないかも確認してください。
Q. 繁殖は禁止されていますか?
一般家庭での繁殖自体は直ちに禁止されていません。ただし、生まれた個体や卵にも責任が生じ、広く配ることはできません。20~40年生きる可能性を考え、不用意に繁殖させないことが重要です。
Q. 逃げた場合はどうすればよいですか?
すぐ周囲を捜し、必要に応じて警察、自治体、土地管理者などへ連絡してください。不適切な管理による脱走は違法となることがあります。見つかった後は、ふたや囲いを改善します。
Q. 専用の相談ダイヤルはありますか?
以前の「アメリカザリガニ・アカミミガメ相談ダイヤル」は、2025年9月末で終了しました。現在は、具体的な手続きや野外個体について管轄の地方環境事務所へ相談できます。
11. 飼育者が覚えておきたいこと
規制後も、家庭にいる個体を飼い続けることはできます。行政への許可申請や登録も必要ありません。
最後に重要な点を整理すると、次のとおりです。
- 今いる個体は、手続きなしで飼い続けられる
- 池や川へ放すことは禁止
- 逃げない設備で管理する
- 生きた個体の販売・購入は原則禁止
- 譲るなら、責任ある少数の相手へ原則無償で
- 野外の個体は、最後まで飼えないなら安易に持ち帰らない
- 卵や子ガメを不用意に増やさない
「規制されたから捨てる」のではなく、規制されたからこそ、今いる個体を最後まで逃がさずに飼うことが求められています。
法律や運用が変更される可能性もあります。販売、譲渡、引取り、野外個体の移動などで判断に迷った場合は、環境省の条件付特定外来生物に関する案内で最新情報を確認し、管轄の地方環境事務所へ相談してください。