新NISAで個別株を買う前に知りたいROE・ROAとは?企業の稼ぐ力を初心者向けに解説
1. まず結論:ROE・ROAは「買う銘柄を決める答え」ではなく、企業を見るための道具
個別株を選ぶとき、株価の上がり下がりや配当利回りだけを見て判断すると、企業の中身を見落としやすくなります。そこで役立つのが ROE と ROA です。
ROEは、株主のお金を使ってどれだけ利益を出したかを見る指標です。ROAは、会社が持つ資産全体を使ってどれだけ利益を出したかを見る指標です。
| 指標 | 日本語名 | 何を見るか | 初心者向けのイメージ |
|---|---|---|---|
| ROE | 自己資本利益率 | 株主資本に対する利益効率 | 株主のお金で稼ぐ力 |
| ROA | 総資産利益率 | 会社全体の資産に対する利益効率 | 会社全体で稼ぐ力 |
大切なのは、ROEが高い会社を機械的に買えばよいわけではないという点です。ROEは借入金を多く使うことで高く見える場合があり、ROAは業種によって水準が大きく変わります。
つまり、ROE・ROAは「この会社を買うべき」と教えてくれる魔法の数字ではありません。むしろ、次のような問いを立てるための道具です。
この会社は本業でしっかり稼いでいるのか。
借入金に頼りすぎていないか。
同じ業種の他社と比べて効率は高いのか。
配当や株価の期待を支えるだけの利益力があるのか。
この記事では、ROEとROAの違い、計算式、具体例、新NISAで個別株を見るときの使い方、よくある誤解まで整理します。
2. なぜ今、企業の収益性を見る力が重要なのか
投資は以前より身近になりました。金融庁の「NISAの利用状況」によると、2025年12月末時点のNISA口座数は 2,826万口座、NISA買付額は累計 71兆円 に達しています。
また、日本銀行の資金循環統計では、2025年12月末時点の家計金融資産は 2,351兆円。そのうち現金・預金は 1,140兆円、投資信託は 165兆円、株式等は 342兆円 とされています。
参考:日本銀行「資金循環統計」
つまり、日本の家計ではまだ現金・預金の比率が大きい一方で、NISAをきっかけに投資を始める人も増えています。
特につみたて投資枠では投資信託が中心ですが、成長投資枠では上場株式も対象になります。そのため、個別株を検討する人にとっては、企業の利益力や財務を読む基礎知識が重要です。
ただし、投資を始めたばかりの人ほど、次のような判断をしがちです。
| よくある判断 | 注意点 |
|---|---|
| 有名企業だから安心 | 知名度と投資価値は別 |
| 株価が下がったから割安 | 業績悪化で下がっている可能性もある |
| 配当利回りが高いからお得 | 減配リスクを見落とすことがある |
| ROEが高いから優良企業 | 借入金や一時的利益で高く見える場合がある |
投資判断では、派手なニュースよりも、企業が継続して利益を出せるかを確認することが大切です。その入口になるのがROEとROAです。
3. ROEとは:株主のお金でどれだけ利益を出したか
ROEは Return on Equity の略で、日本語では 自己資本利益率 と呼ばれます。
計算式は次のとおりです。
ROE(%)= 当期純利益 ÷ 自己資本 × 100
自己資本とは、簡単に言えば「株主に帰属する会社のお金」です。株主から集めた資金や、会社が過去に積み上げた利益などが含まれます。
たとえば、ある会社の数字が次のようになっていたとします。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 当期純利益 | 100億円 |
| 自己資本 | 1,000億円 |
この場合、ROEは次のように計算できます。
100億円 ÷ 1,000億円 × 100 = 10%
これは、株主資本100円に対して、1年間で10円の利益を生み出したという意味です。
ROEが注目される理由は、株主にとっての資本効率を表すからです。投資家は企業に資金を託し、その企業が利益を伸ばすことで、配当や株価上昇を期待します。そのため、ROEは「株主のお金をどれだけ有効に使っているか」を見る代表的な指標になります。
ただし、ROEだけで判断すると危険です。自己資本が小さい会社や、借入金を多く使っている会社では、ROEが高く見えることがあります。
4. ROAとは:会社全体の資産でどれだけ利益を出したか
ROAは Return on Assets の略で、日本語では 総資産利益率 と呼ばれます。
計算式は次のとおりです。
ROA(%)= 当期純利益 ÷ 総資産 × 100
総資産には、現金、建物、工場、機械、在庫、売掛金、土地、投資資産など、会社が持つさまざまな資産が含まれます。
たとえば、ある会社の数字が次のようになっていたとします。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 当期純利益 | 100億円 |
| 総資産 | 2,000億円 |
この場合、ROAは次のように計算できます。
100億円 ÷ 2,000億円 × 100 = 5%
これは、会社が持つ資産100円に対して、1年間で5円の利益を生み出したという意味です。
ROAが高い会社は、少ない資産で効率よく利益を出している可能性があります。たとえば、ソフトウェア、ネットサービス、コンサルティングなど、巨大な工場や設備を持たなくても利益を出せる業種では、ROAが高くなりやすい傾向があります。
一方、鉄道、電力、製造業、不動産業のように、多くの設備や土地を必要とする業種では、総資産が大きくなるため、ROAは低く見えやすくなります。
そのためROAは、異なる業種を単純に比べるより、同業他社との比較に向いています。
5. ROEとROAの違いは「分母」を見るとわかる
ROEとROAの違いは、計算式の分母にあります。
| 指標 | 分子 | 分母 | 見ているもの |
|---|---|---|---|
| ROE | 当期純利益 | 自己資本 | 株主資本の効率 |
| ROA | 当期純利益 | 総資産 | 会社全体の資産効率 |
次の2社を比べてみましょう。
| 項目 | A社 | B社 |
|---|---|---|
| 当期純利益 | 100億円 | 100億円 |
| 総資産 | 2,000億円 | 2,000億円 |
| 自己資本 | 1,000億円 | 500億円 |
| ROE | 10% | 20% |
| ROA | 5% | 5% |
A社とB社は、当期純利益も総資産も同じです。そのため、ROAはどちらも5%です。
しかし、B社は自己資本がA社の半分です。そのため、ROEは20%と高くなります。
ここで重要なのは、B社のほうが必ず優れているとは限らないということです。B社は自己資本が少ない分、借入金などの負債を多く使っている可能性があります。
借入金をうまく活用して成長しているなら評価できます。しかし、金利上昇や景気悪化で利益が減ると、返済負担が重くなるリスクもあります。
ROEとROAは、次のようにセットで見ると理解しやすくなります。
| 状態 | 読み取り方 |
|---|---|
| ROEもROAも高い | 資本効率も資産効率も高い可能性 |
| ROEは高いがROAは低い | 借入金の活用でROEが高く見えている可能性 |
| ROEは低いがROAは高い | 財務が保守的で、自己資本が厚い可能性 |
| ROEもROAも低い | 利益率や資産効率に課題がある可能性 |
初心者はまず、ROEだけを見ず、ROAも横に並べて確認することを習慣にするとよいでしょう。
6. ROEが高い会社を見るときの注意点
ROEは便利な指標ですが、誤解されやすい指標でもあります。
特に注意したいのは、次の3つです。
借入金が多いと高く見えることがある
ROEの分母は自己資本です。借入金を多く使って事業を拡大し、自己資本を小さめに保つと、ROEは高くなりやすくなります。
これは必ずしも悪いことではありません。借入金を使って事業を伸ばし、十分な利益を出している会社もあります。
しかし、負債が大きすぎると、金利上昇や売上減少に弱くなります。ROEを見るときは、自己資本比率、有利子負債、営業キャッシュフローもあわせて確認したいところです。
自社株買いで上がることがある
企業が自社株買いを行うと、自己資本が減り、ROEが上がることがあります。自社株買いは株主還元として評価されることがありますが、本業の利益成長とは別の要因です。
ROEが上がっているときは、次のどれに近いかを確認しましょう。
| ROE上昇の理由 | 見方 |
|---|---|
| 本業の利益が増えた | 持続性を評価しやすい |
| 自己資本が減った | 財務体質への影響を確認する |
| 一時的な特別利益が出た | 翌期以降も続くか注意する |
| 借入金を増やした | 金利負担や返済余力を見る |
8%は目安であって絶対基準ではない
ROEの目安として「8%」が語られることがあります。これは日本企業の資本効率を考えるうえでよく使われる水準です。
ただし、東京証券取引所は、PBRやROEの単純な水準だけでなく、資本コスト、成長投資、株主還元、事業ポートフォリオなどを含めて、企業価値向上に向けた経営を求めています。
参考:日本取引所グループ「市場区分の見直しに関するフォローアップ」
つまり、ROE8%は便利な目安ではありますが、絶対的な合格ラインではありません。業種、成長段階、財務方針、資本コストとあわせて考える必要があります。
7. ROAは業種差に注意して見る
ROAは会社全体の資産効率を見る指標ですが、業種によって水準が大きく変わります。
| 業種 | ROAが低く見えやすい理由 | 見方 |
|---|---|---|
| 銀行 | 総資産が非常に大きい | ROAだけでなく自己資本比率や不良債権も見る |
| 鉄道 | 線路、駅、車両などが必要 | 安定収益と設備投資のバランスを見る |
| 電力 | 発電所や送電設備が必要 | 規制、燃料費、金利の影響を見る |
| 製造業 | 工場、機械、在庫を抱える | 利益率と回転率を分けて見る |
| 不動産 | 土地や建物を保有する | 資産価値と借入金の水準を見る |
| IT・ソフトウェア | 固定資産が比較的少ない | 高ROAでも競争力の持続性を見る |
たとえば、製造業とソフトウェア企業をROAだけで比較すると、ソフトウェア企業のほうが高く見えやすいです。しかし、それはビジネスモデルの違いによる部分もあります。
ROAを見るときは、次の順番がおすすめです。
- 同じ業種の企業と比べる
- その会社の過去3〜5年の推移を見る
- 利益率が上がっているのか、資産が減っているだけなのかを見る
- 将来の成長投資を削りすぎていないか確認する
ROAは「今の資産効率」を見る指標です。将来の成長性まで完全に示すわけではありません。
8. PER・PBR・配当利回りと組み合わせると判断しやすい
個別株を見るとき、ROE・ROAだけで判断するのは不十分です。株価が割高か割安か、配当が続きそうか、財務に無理がないかも見る必要があります。
代表的な指標との関係を整理すると、次のようになります。
| 指標 | 何を見るか | ROE・ROAとの関係 |
|---|---|---|
| ROE | 株主資本で稼ぐ力 | 高いほど資本効率は良く見えるが、借入金に注意 |
| ROA | 総資産で稼ぐ力 | 会社全体の効率を見る。業種比較が重要 |
| PER | 利益に対して株価が高いか | 高ROEでもPERが高すぎると期待先行の可能性 |
| PBR | 純資産に対して株価が高いか | ROEが低い企業はPBRも低くなりやすい |
| 配当利回り | 株価に対する配当の割合 | 高配当でも利益効率が低いと減配リスクがある |
| 自己資本比率 | 財務の安全性 | ROEが高くても財務に無理がないか確認できる |
たとえば、ROEが高い会社でも、PERが非常に高ければ、すでに株価に大きな期待が織り込まれているかもしれません。
反対に、PBRが低い会社でも、ROEが低く、利益を十分に出せていないなら、単に「安い」のではなく、市場から評価されにくい理由がある可能性があります。
高配当株を見る場合も同じです。配当利回りが高くても、利益が減っていたり、キャッシュフローが弱かったりすると、将来の減配リスクがあります。
指標は単独で見るより、組み合わせて見るほど意味が深くなります。
9. 新NISAで個別株を見るときの確認順
成長投資枠で個別株を検討する場合、次の順番で見ると整理しやすくなります。
| 順番 | 見るもの | 目的 |
|---|---|---|
| 1 | 事業内容 | 何で稼いでいる会社かを理解する |
| 2 | 売上・利益の推移 | 成長しているか、安定しているかを見る |
| 3 | ROE・ROA | 稼ぐ力と資産効率を確認する |
| 4 | 自己資本比率・負債 | 財務に無理がないかを見る |
| 5 | PER・PBR | 株価が期待に対して高すぎないかを見る |
| 6 | 配当方針 | 配当が続きそうかを見る |
| 7 | 事業リスク | 為替、金利、競合、規制などを確認する |
ROE・ROAは、この流れの中心にあります。ただし、最初に見るべきなのは事業内容です。
何で稼いでいる会社なのかがわからないまま指標だけを見ると、数字の意味を誤解しやすくなります。
たとえば、同じROE10%でも、生活必需品を安定的に売る会社と、景気に左右されやすい会社では評価が変わります。同じROA5%でも、設備を多く持つ会社と、ほとんど固定資産を持たない会社では意味が違います。
新NISAは長期の資産形成に使われることが多い制度です。だからこそ、短期的な株価よりも、企業が長く利益を出せる仕組みを持っているかを確認することが大切です。
なお、この記事は投資判断の考え方を学ぶためのものであり、特定の銘柄の購入や売却をすすめるものではありません。実際に投資する場合は、自分のリスク許容度や資産全体のバランスを踏まえて判断してください。
10. 高配当株を見るとき、ROE・ROAはどう使うか
新NISAでは、配当を目的に個別株を検討する人もいます。配当金が非課税になる点は魅力ですが、配当利回りだけで選ぶのは危険です。
高配当株を見るときは、次のように確認するとよいでしょう。
| 見る項目 | 確認したいこと |
|---|---|
| 配当利回り | 株価に対して配当がどれくらいあるか |
| 配当性向 | 利益のうち何%を配当に回しているか |
| ROE | 株主資本を使って利益を出せているか |
| ROA | 会社全体として効率よく稼げているか |
| 営業キャッシュフロー | 本業で現金を生み出せているか |
| 自己資本比率 | 財務に無理がないか |
配当利回りが高い理由が、企業の利益成長ではなく、株価下落によるものなら注意が必要です。業績悪化で株価が下がった結果、見かけの配当利回りだけが高くなっている場合があるからです。
ROEやROAを見ると、配当の背景にある利益力を確認できます。
たとえば、ROEが安定していて、ROAも同業他社と比べて極端に低くなく、営業キャッシュフローが継続的にプラスであれば、配当の持続性を考える材料になります。
一方で、ROEが高くても負債が大きすぎる場合や、ROAが低迷している場合は、配当の原資に不安が残ることがあります。
高配当株ほど、利回りの数字だけではなく、利益の質と財務の安全性を見ることが重要です。
11. よくある誤解と失敗パターン
ROE・ROAを使うとき、初心者がつまずきやすい点を整理します。
ROEランキング上位をそのまま買ってしまう
ランキング上位の会社には、一時的な利益や自己資本の小ささによってROEが高くなっている企業も含まれます。数字が高い理由を確認せずに買うと、翌期に利益が落ちたとき大きく評価が変わることがあります。
ROAが低い会社をすぐ悪い会社だと判断する
ROAは業種によって水準が違います。設備を多く持つ会社はROAが低くなりやすいため、異業種比較だけで判断するのは危険です。
赤字企業のROE・ROAをうまく読めない
当期純利益が赤字の場合、ROEやROAはマイナスになります。さらに、自己資本が小さい会社では数値が大きく振れることがあります。赤字企業を見る場合は、売上成長、資金繰り、営業キャッシュフロー、黒字化の見通しも確認する必要があります。
配当利回りだけで選ぶ
配当利回りが高くても、利益やキャッシュが不足していれば、将来の減配リスクがあります。高配当株を見るときこそ、ROE・ROA・配当性向・キャッシュフローをセットで確認したいところです。
成長企業と成熟企業を同じ基準で比べる
成長企業は、広告費、人材採用、研究開発に資金を使うため、短期的な利益率が低くなる場合があります。一方、成熟企業は大きな成長はなくても、安定した利益と配当を出すことがあります。企業の成長段階によって、指標の読み方は変わります。
12. どこでROE・ROAを確認できるか
ROEやROAは、次のような場所で確認できます。
| 確認場所 | 特徴 |
|---|---|
| 企業の決算短信 | 最新決算の概要を確認しやすい |
| 有価証券報告書 | 詳細な財務情報を確認できる |
| 企業IRサイト | 決算説明資料や中期経営計画も見られる |
| 証券会社の銘柄ページ | 指標が一覧で見やすい |
| 金融情報サイト | 同業比較や時系列比較がしやすい |
初心者は、まず証券会社や金融情報サイトでROE・ROAを確認し、気になる会社があれば企業IRサイトで決算説明資料を見る流れが現実的です。
ただし、サイトによって計算に使う利益や自己資本の定義が少し違う場合があります。最初は細かい差よりも、次の3点を優先するとよいでしょう。
| 見方 | チェックポイント |
|---|---|
| 時系列比較 | 3〜5年で改善しているか |
| 同業比較 | 競合より高いか低いか |
| 財務との比較 | 借入金に頼りすぎていないか |
数字を読む力は、一度で身につくものではありません。英語や資格学習と同じように、同じ型で繰り返し見ることで少しずつ判断軸が育ちます。
学習習慣を作る選択肢として、完全無料で使える共益型プラットフォームの DailyDrops もあります。英会話、TOEIC、資格、受験勉強などの学習行動がユーザーに還元される仕組みで、継続的に知識を積み上げたい人にとって使いやすいサービスです。
13. FAQ
Q1. ROEとROAはどちらを重視すべきですか?
どちらか一方ではなく、セットで見るのがおすすめです。ROEは株主資本の効率、ROAは会社全体の資産効率を見ます。ROEだけを見ると、借入金の影響を見落とすことがあります。
Q2. ROEは何%以上なら良いですか?
一般的には8%が一つの目安として語られることがあります。ただし、業種や企業の成長段階によって適正水準は異なります。8%以上なら必ず良い、8%未満なら悪い、という単純な判断はできません。
Q3. ROAは何%以上なら良いですか?
ROAは業種差が大きい指標です。設備をあまり持たないIT企業では高くなりやすく、鉄道、電力、製造業、不動産などでは低くなりやすい傾向があります。同業他社と比較するのが基本です。
Q4. ROEが高くてROAが低い会社は危険ですか?
必ず危険とは限りませんが、借入金を多く使ってROEが高くなっている可能性があります。自己資本比率、有利子負債、金利負担、営業キャッシュフローを確認しましょう。
Q5. 新NISAではROEが高い銘柄を選べばよいですか?
ROEだけで銘柄を選ぶのはおすすめできません。事業内容、利益の推移、ROA、財務安全性、PER、PBR、配当方針、将来リスクをあわせて見る必要があります。
Q6. 投資信託だけを買う場合もROE・ROAは必要ですか?
必須ではありません。ただし、投資信託の中身は企業の集合体です。ROEやROAを知っておくと、投資先の国や業種、指数の特徴を理解しやすくなります。
Q7. ROE・ROAだけで投資判断してもよいですか?
不十分です。ROE・ROAは重要な指標ですが、銘柄選びの答えではありません。企業に対して「なぜこの数字なのか」「続くのか」「株価は妥当か」と考えるための入口として使うのが現実的です。
14. まとめ:ROE・ROAを読めると、個別株の見方が変わる
ROEとROAは、企業の収益性を理解するための基本指標です。
最後に重要ポイントを整理します。
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| ROE | 株主のお金でどれだけ利益を出したか |
| ROA | 会社全体の資産でどれだけ利益を出したか |
| ROEの注意点 | 借入金や自社株買いで高く見えることがある |
| ROAの注意点 | 業種によって水準が大きく違う |
| 実践的な使い方 | 同業比較、時系列比較、財務安全性とセットで見る |
| 新NISAでの位置づけ | 個別株を理解するための基礎指標として使う |
新NISAによって、個人が投資に触れる機会は増えました。しかし、制度が便利になっても、企業を見る力が自動的に身につくわけではありません。
大切なのは、株価、配当、話題性だけで判断せず、企業がどのように利益を生み出しているのかを数字で確認することです。
まずは気になる企業を1社選び、ROEとROAを確認してみましょう。そして、その数字がなぜ高いのか、なぜ低いのかを考えてみてください。
その小さな積み重ねが、長期的に納得感のある投資判断につながります。