スヌーズは逆効果?アラームを何度も押すと眠い理由と二度寝を防ぐ起き方
1. 結論:スヌーズは「使い方次第」だが、何度も押すなら見直したほうがいい
朝のアラームを止めて「あと5分だけ」と思ったのに、次に鳴ったときのほうが眠い。これは珍しいことではありません。スヌーズで余計に眠く感じる主な理由は、短い二度寝で睡眠が細切れになり、脳が覚醒しきらないまま何度も起こされるからです。
ただし、スヌーズそのものが常に悪いわけではありません。近年の研究では、短時間の計画的なスヌーズが、必ずしも認知機能を悪化させるとは限らないことも示されています。問題になりやすいのは、5分おき・10分おきに何度も鳴らし、起きる時刻を毎朝あいまいにしてしまう使い方です。
この記事の結論は、次の通りです。
| 起き方 | おすすめ度 | 理由 |
|---|---|---|
| 1回のアラームで起きる | 高 | 睡眠と覚醒の切り替えが明確 |
| スヌーズ1回だけ | 中 | 補助として使うなら現実的 |
| スヌーズ2回以上 | 低〜中 | 起床の先延ばしになりやすい |
| 5分おきに複数アラーム | 低 | 眠りが細切れになりやすい |
| 30分以上スヌーズを続ける | 低 | 睡眠時間も朝の時間も失いやすい |
目安としては、スヌーズを使うなら5〜10分を1回までにするのが現実的です。何度も押してしまう人は、意志を強くするよりも、アラームの置き場所・光・朝の最初の行動を変えるほうが効果的です。
2. スヌーズを何度も押すと眠い理由
スヌーズで眠気が増すように感じるのは、単に「寝足りないから」だけではありません。主に次の5つが関係します。
| 理由 | 何が起きているか |
|---|---|
| 睡眠が細切れになる | 眠る・起きるを短時間で繰り返す |
| 睡眠慣性が残る | 起きても脳がまだ完全に働かない |
| 深い眠りから起こされることがある | 覚醒への切り替えに時間がかかる |
| 最初のアラームを無視する習慣がつく | 脳が「まだ寝ていい」と学習する |
| 睡眠不足が解消されない | 5〜10分では根本的な眠気は取れにくい |
特に大きいのが、睡眠慣性です。睡眠慣性とは、起きた直後に頭がぼんやりし、注意力や判断力が一時的に落ちる状態のことです。目は開いていても、脳がまだ完全に起動していないような状態と考えるとわかりやすいでしょう。
たとえば、次のような経験は睡眠慣性と関係します。
- アラームを止めた記憶がない
- 起きた直後にスマホの操作を間違える
- 朝の会話が頭に入らない
- 勉強を始めても文字が滑る
- 仕事の準備にいつもより時間がかかる
睡眠慣性についてのレビュー研究では、起床直後には認知パフォーマンスが低下し、その影響は条件によって数分から30分以上続くことがあると説明されています。
参考:Sleep inertia: current insights
つまり、スヌーズを何度も押す朝は、次のような流れになりやすいのです。
アラームで起こされる
↓
まだ眠いので再び横になる
↓
短時間だけ眠る
↓
またアラームで起こされる
↓
睡眠慣性が残ったまま朝が始まる
これが、「寝たはずなのに余計に眠い」と感じる大きな理由です。
3. そもそも現代人は睡眠が足りていない
スヌーズを押してしまう人の多くは、朝の問題だけでなく、前日の夜からすでに起きにくい状態を作っています。
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、成人は個人差を前提にしつつ、おおよそ6〜8時間の睡眠時間が適正とされています。また、少なくとも6時間以上の睡眠確保が推奨されています。
参考:健康づくりのための睡眠ガイド2023
一方、令和5年の国民健康・栄養調査では、1日の平均睡眠時間が6時間未満の人は男性38.5%、女性43.6%でした。特に働き盛りの年代では、睡眠時間が短い人の割合が高くなっています。
参考:令和5年 国民健康・栄養調査結果の概要
つまり、朝にアラームを何度も止めてしまう背景には、次のような生活リズムが隠れていることがあります。
- 就寝時刻が遅い
- 寝る直前までスマホを見ている
- 夕方以降にカフェインを摂っている
- 平日と休日の起床時刻が大きく違う
- 仕事・勉強・家事で睡眠時間が削られている
スヌーズは、睡眠不足を解決する機能ではありません。
足りない睡眠を朝の5分で取り返そうとするほど、起床は不安定になりやすくなります。
特に、朝に英語学習・資格勉強・受験勉強をしたい人にとって、スヌーズで失う20〜30分は小さくありません。朝の30分を勉強に使うつもりでも、最初の20分を二度寝で使い、残り10分もぼんやりしていれば、学習効果はかなり下がります。
4. 研究ではスヌーズは悪い?それとも問題ない?
スヌーズについては、「絶対に悪い」と断定されることがあります。しかし、研究を見ると結論はもう少し慎重です。
2023年に発表されたJournal of Sleep Researchの研究では、スヌーズ利用者の実態調査と実験が行われました。実験では、30分間のスヌーズにより睡眠時間は約6分短くなった一方、深い睡眠段階から突然起こされることを避ける可能性があり、起床直後の認知課題に明確な悪影響は見られませんでした。
参考:Is snoozing losing? Why intermittent morning alarms are used and how they affect sleep, cognition, cortisol, and mood
また、スマートフォン利用者を対象にした2025年の研究では、スヌーズはかなり一般的な行動であることが示されています。参加者は平均して1日約2回スヌーズを使い、平均約11分をスヌーズに費やしていました。睡眠セッションの55.6%がスヌーズで終了していたという報告もあります。
参考:Snooze alarm use in a global population of smartphone users
ここから言えるのは、次のことです。
| 誤解 | 実際に近い考え方 |
|---|---|
| スヌーズは必ず悪い | 短時間なら大きな悪影響が出ない人もいる |
| スヌーズすれば睡眠不足を補える | 数分の二度寝では根本的な不足は埋まりにくい |
| 眠いのは意志が弱いから | 睡眠慣性や睡眠不足の影響が大きい |
| 何回押しても同じ | 回数が増えるほど起床が曖昧になる |
つまり、スヌーズは「使ったら負け」ではありません。問題は、起きるための補助ではなく、起きる決断を先延ばしする道具になっている場合です。
5. スヌーズは何分・何回までならいい?
スヌーズを使うなら、目安は5〜10分を1回までです。
もちろん個人差はありますが、何度も鳴らす前提でアラームを早めに設定するより、最初から本当に起きたい時刻に近づけたほうが、睡眠の連続性を保ちやすくなります。
たとえば、7時に起きたい場合を考えてみましょう。
| 設定 | 実際に起こりやすいこと |
|---|---|
| 6:30、6:40、6:50、7:00にアラーム | 30分間、浅い二度寝と覚醒を繰り返す |
| 6:50にアラーム、7:00に起床 | スヌーズは短く、起床期限が明確 |
| 7:00にアラーム、すぐ起床 | 睡眠を最後まで連続して取りやすい |
注意したいのは、スヌーズ時間の長さよりも、回数のほうが問題になりやすいことです。9分か10分かより、「何回押すか」「起き上がる行動につながっているか」が重要です。
iPhoneなどの影響で「スヌーズは9分」という印象を持つ人も多いですが、9分なら良くて10分なら悪い、という単純な話ではありません。大事なのは、次の3点です。
- 最初のアラームを起床準備の合図にする
- スヌーズは1回までにする
- 2回目のアラームでは必ず立ち上がる
どうしても一度で起きられない人は、次のように役割を分けるとよいでしょう。
1回目:目を覚ます合図
2回目:必ず起き上がる期限
このルールを守れない場合は、スヌーズ機能そのものをオフにし、スマホをベッドから離すほうが効果的です。
6. アラームを何個も設定するのは逆効果?
スヌーズボタンを押していなくても、5分おきにアラームを何個も設定しているなら、実質的には同じことが起きています。
よくある設定は、次のようなものです。
6:30
6:35
6:40
6:45
6:50
6:55
7:00
この方法は安心感がありますが、脳にとっては「最初のアラームでは起きなくていい」という学習になりやすいです。毎朝繰り返すほど、最初の音を無視する癖がつきます。
複数アラームを使うなら、次のように整理しましょう。
| アラーム | 役割 |
|---|---|
| 予備アラーム | 起床予定の5〜10分前に1回だけ |
| 本番アラーム | この音で必ず起きる |
| 最終アラーム | 遅刻防止用。普段は鳴らさない設定が理想 |
おすすめは、アラームを最大2つに減らすことです。いきなり1つにするのが不安な場合は、まず7個を4個、4個を2個に減らすだけでも変化があります。
さらに、次の工夫も有効です。
- 本番アラームだけ音を変える
- スマホをベッドから離す
- 起きたらすぐ照明をつける
- カーテンを開ける動線にスマホを置く
- アラーム停止後に水を飲む
アラームの目的は、何度も鳴らすことではなく、起きる行動につなげることです。
7. 二度寝を防ぐ具体的な起き方
二度寝を減らすには、朝の気合いに頼るより、起きる仕組みを作るほうが効果的です。
まず、スマホを枕元に置かないことです。手を伸ばせば止められる場所にあると、半分寝たまま操作できます。少なくとも立たないと止められない位置に置きましょう。
次に、起きた直後の行動を固定します。起床直後は判断力が落ちやすいため、「起きるかどうか」を考える時間を作らないことが大切です。
おすすめは、次の流れです。
アラームを止める
↓
立つ
↓
カーテンを開ける
↓
水を飲む
↓
洗顔する
↓
机かリビングに移動する
特に重要なのは、光を浴びることです。朝の光は体内時計にとって強い合図になります。曇りの日でもカーテンを開ける、冬の早朝は照明をつけるなど、目から明るさを入れる習慣を作りましょう。
また、就寝前の準備も大切です。
- 起きたあとに着る服を用意する
- 朝に飲む水を置いておく
- 勉強道具を机に開いておく
- スマホの充電場所をベッドから離す
- 就寝時刻を15分だけ早める
朝の行動は、夜のうちに半分決まります。起きてから頑張るのではなく、寝る前に起きやすい状態を作ることがポイントです。
8. 朝に勉強・仕事を始めたい人の起床ルーティン
朝に勉強や仕事をしたい人ほど、スヌーズの影響は大きくなります。なぜなら、起床直後の時間は限られており、スヌーズで20分失うだけで、朝の学習計画が崩れやすいからです。
ただし、起きてすぐ難しいタスクを始める必要はありません。睡眠慣性が残る時間帯は、脳を温めるウォームアップから入るほうが続きやすいです。
おすすめは、次のような順番です。
| 起床後の時間 | やること |
|---|---|
| 0〜5分 | 光を浴びる、水を飲む、洗顔 |
| 5〜10分 | 英単語、前日の復習、短い音声学習 |
| 10〜25分 | 資格問題、TOEIC、受験勉強の小問 |
| 25分以降 | 長文読解、思考力が必要な作業 |
朝の最初の5分は、成果を出す時間ではなく、始めるための時間と考えましょう。
完全無料で学習を始められる環境として、DailyDropsのような選択肢もあります。英会話、TOEIC、資格、受験勉強などを幅広く扱い、学習行動がユーザーに還元される共益型プラットフォームなので、起床後の「まず1問」「まず数分」の入口にしやすいサービスです。
朝学習で大切なのは、完璧な集中状態を待たないことです。眠気が少し残っていても、軽い復習から始めると、徐々に頭が働き始めます。
9. 危険な眠気:生活改善だけで済ませないほうがいいサイン
朝起きられない原因が、単なるスヌーズ習慣ではない場合もあります。
次のような状態が続く場合は、睡眠時間やアラーム設定だけで解決しようとせず、医療機関への相談も検討してください。
- 十分寝たはずなのに日中の眠気が強い
- 会議中・授業中・運転中に眠ってしまいそうになる
- 大きないびきを指摘される
- 睡眠中に呼吸が止まっていると言われた
- 朝起きると頭痛がある
- 休日に極端に長く寝ても疲れが取れない
- 生活リズムが後ろにずれて戻せない
睡眠時無呼吸症候群、概日リズム睡眠障害、過労、不眠、メンタル不調などが関係することもあります。特に、運転中の眠気や仕事中の強い眠気は事故につながる可能性があるため、放置しないことが大切です。
スヌーズを減らす工夫は有効ですが、強い眠気が続く場合は「自分がだらしない」と責めるのではなく、体からのサインとして受け止めましょう。
10. よくある質問
Q. スヌーズは何回までなら大丈夫ですか?
目安は1回までです。2回以上押すと、起床時刻が曖昧になり、眠りと覚醒を何度も切り替えることになります。まずは「5〜10分を1回だけ」に減らすのがおすすめです。
Q. スヌーズは9分と10分で違いがありますか?
大きな差を気にするより、回数と起き上がる行動のほうが重要です。9分でも10分でも、何度も押せば睡眠は細切れになります。時間よりも「1回で終わる仕組み」を作りましょう。
Q. アラームを5分おきに何個も設定するのはよくないですか?
安心感はありますが、最初のアラームを無視する習慣がつきやすくなります。複数設定するなら、予備アラームと本番アラームの2つまでに減らすのが現実的です。
Q. スヌーズを押してしまうのは睡眠不足のサインですか?
その可能性があります。毎朝強い眠気があるなら、アラームの工夫だけでなく、就寝時刻、カフェイン、夜のスマホ、休日の寝だめなども見直しましょう。
Q. 二度寝してもすっきり起きる方法はありますか?
短時間の計画的な二度寝なら、合う人もいます。ただし、何度もアラームを鳴らすのではなく、1回目で目を覚まし、2回目で必ず起きるルールにすることが大切です。
Q. 朝起きられない人は何時に寝るべきですか?
必要な睡眠時間から逆算します。たとえば7時に起きたい人が7時間眠るなら、遅くとも0時には眠っている必要があります。寝つくまでの時間も考えると、23時30分ごろには布団に入るのが現実的です。
11. まとめ:スヌーズを責めず、起きられる仕組みに変える
スヌーズで余計に眠くなるのは、意志の弱さだけが原因ではありません。睡眠不足、睡眠慣性、深い眠りからの覚醒、複数アラームの習慣、朝の光不足などが重なることで、起きても頭が働きにくくなります。
一方で、スヌーズは完全な悪者ではありません。短く計画的に使うなら、起床を助ける補助になる人もいます。問題は、毎朝何度も押して、起きる時刻を先延ばしにする使い方です。
今日からできる対策は、次の3つです。
- スヌーズは5〜10分を1回までにする
- アラームをベッドから離す
- 起きたら光・水・移動で覚醒を始める
朝の時間を変えるには、気合いよりも設計が大切です。アラームを減らし、起きる動線を作り、最初の行動を決めておくだけで、二度寝の確率は下げられます。
明日の朝、まずはアラームを1つ減らしてみてください。スヌーズに振り回される朝から、自分で一日を始める朝へ変えていきましょう。