児童手当はいくらもらえる?所得制限撤廃後の月額・年額・第3子加算を早見表で解説
結論から言うと、児童手当は高校生年代までの子を養育している家庭が対象です。所得制限は撤廃され、月額は原則として3歳未満が1万5,000円、3歳以上から高校生年代までが1万円、第3子以降は3万円です。
ただし、実際の受給額は「子どもの年齢」と「第何子として数えるか」で変わります。特に、18歳年度末を過ぎた大学生年代の兄姉がいる家庭では、下の子が第3子加算の対象になるかどうかで、年額が大きく変わることがあります。
1. まず金額だけ知りたい人向けの早見表
児童手当の金額は、子ども1人ごとの月額を足して計算します。目安は次の通りです。
| 子どもの人数・年齢 | 月額合計 | 1回の支給額 | 年額 |
|---|---|---|---|
| 0歳が1人 | 15,000円 | 30,000円 | 180,000円 |
| 4歳が1人 | 10,000円 | 20,000円 | 120,000円 |
| 1歳・4歳 | 25,000円 | 50,000円 | 300,000円 |
| 4歳・7歳 | 20,000円 | 40,000円 | 240,000円 |
| 2歳・5歳・8歳 | 50,000円 | 100,000円 | 600,000円 |
| 10歳・15歳・17歳 | 50,000円 | 100,000円 | 600,000円 |
| 20歳・17歳・14歳 | 40,000円 | 80,000円 | 480,000円 |
児童手当は毎月ではなく、偶数月に2か月分ずつ支給されます。そのため、1回の振込額は月額合計の2倍です。
月額合計 = 子どもごとの児童手当を足す
1回の支給額 = 月額合計 × 2
年額 = 月額合計 × 12
たとえば月額合計が5万円なら、偶数月ごとの支給額は10万円、年間では60万円です。
2. 所得制限撤廃後の児童手当とは
児童手当は、子どもを養育する家庭に支給される公的な給付です。家庭の生活を支え、子どもの成長に必要な費用を補う目的があります。
2024年10月分から制度が拡充され、主に次の点が変わりました。
| 変更点 | 変更後の内容 |
|---|---|
| 所得制限 | 撤廃 |
| 支給対象 | 中学生までから高校生年代までに延長 |
| 第3子以降 | 月3万円に増額 |
| 支給回数 | 年3回から年6回へ変更 |
こども家庭庁の児童手当制度のご案内では、支給対象を「0歳から18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある子」としています。一般的には「高校生年代まで」と表現されます。
ここで大切なのは、高校に通っているかどうかだけで決まる制度ではないという点です。高校に在学していない場合でも、年齢要件などを満たせば対象になることがあります。
3. 月額はいくらかかるかを年齢別に整理
児童手当の月額は、子どもの年齢と第3子以降に該当するかで決まります。
| 子どもの区分 | 第1子・第2子 | 第3子以降 |
|---|---|---|
| 3歳未満 | 15,000円 | 30,000円 |
| 3歳以上〜高校生年代 | 10,000円 | 30,000円 |
第1子・第2子の場合、3歳未満は月1万5,000円、3歳以上は月1万円です。一方、第3子以降に該当する子は、年齢にかかわらず月3万円になります。
具体例
| 家族構成 | 計算 | 月額合計 |
|---|---|---|
| 0歳 | 15,000円 | 15,000円 |
| 5歳 | 10,000円 | 10,000円 |
| 2歳・6歳 | 15,000円+10,000円 | 25,000円 |
| 2歳・6歳・9歳 | 10,000円+10,000円+30,000円 | 50,000円 |
| 1歳・4歳・高校生年代 | 15,000円+10,000円+30,000円 | 55,000円 |
3人きょうだいでも、3歳未満の子が第1子・第2子なのか、第3子以降なのかで金額が変わります。
たとえば、1歳・4歳・16歳の3人きょうだいを年齢が高い順に数えると、16歳が第1子、4歳が第2子、1歳が第3子です。この場合、1歳の子は3歳未満の第3子なので月3万円になります。
4. 第3子加算で受給額が大きく変わる
制度拡充後に最も間違えやすいのが、第3子以降の数え方です。
第3子以降とは、単に「支給対象の子どもの中で3人目」という意味ではありません。一定の条件を満たす兄姉がいる場合、児童手当の支給対象ではない上の子も人数に含めて数えます。
| 年齢区分 | 児童手当の支給 | 第3子判定の人数に含まれる可能性 |
|---|---|---|
| 0歳〜高校生年代 | あり | あり |
| 18歳年度末後〜22歳年度末 | なし | 経済的負担があればあり |
| 22歳年度末を過ぎた子 | なし | 原則なし |
たとえば、20歳・17歳・14歳の3人きょうだいがいる家庭を考えます。20歳の子には児童手当は出ません。ただし、親が学費や生活費などを負担している場合、第3子判定の人数に含められることがあります。
20歳:第1子として数えるが、支給はなし
17歳:第2子として月10,000円
14歳:第3子として月30,000円
この場合、月額合計は4万円、年額は48万円です。
もし20歳の子を人数に含められない場合、17歳と14歳は第1子・第2子扱いになり、月額合計は2万円になります。差額は月2万円、年額24万円です。
5. 大学生・専門学校生・別居の兄姉がいる場合
18歳年度末を過ぎた兄姉を第3子判定に含めるには、親などが監護に相当する世話をし、生計費を負担していることがポイントになります。自治体によっては「監護相当・生計費の負担についての確認書」などの提出が必要です。
判断に迷いやすいケースを整理します。
| 兄姉の状況 | 第3子判定に含まれる可能性 |
|---|---|
| 20歳の大学生で、親が学費・生活費を負担 | あり |
| 19歳の専門学校生で、親が仕送りしている | あり |
| 21歳の浪人生で、親が生活費を負担 | あり |
| 20歳で就職しているが、親が生活費を継続的に負担 | 状況により確認が必要 |
| 20歳で別居中だが、親が学費・家賃を負担 | あり |
| 23歳の社会人 | 原則なし |
| 20歳だが、親の経済的負担がない | 原則として難しい |
重要なのは、学校に通っているかどうかだけではなく、親などが経済的に支えている実態があるかです。
兄姉が住民票上は別住所になっている場合、仕送りをしている場合、アルバイト収入がある場合などは、自治体によって確認書類の扱いが異なることがあります。下の子が第3子加算の対象になりそうな家庭は、早めに市区町村へ確認しておくと安心です。
6. いつ振り込まれるかと支給月の考え方
児童手当は、年6回、偶数月に支給されます。支給されるのは、それぞれ前月分までの2か月分です。
| 支給月 | 支給される分 |
|---|---|
| 2月 | 12月・1月分 |
| 4月 | 2月・3月分 |
| 6月 | 4月・5月分 |
| 8月 | 6月・7月分 |
| 10月 | 8月・9月分 |
| 12月 | 10月・11月分 |
政府広報オンラインの児童手当の拡充案内でも、所得制限撤廃、高校生年代までの延長、第3子以降月3万円、支払回数の年6回化が示されています。
実際の振込日は市区町村によって異なります。多くの自治体では支給月の一定日に振り込みますが、土日祝日と重なる場合は前後することがあります。
児童手当を家計に組み込む場合は、毎月の収入として見込むより、2か月ごとのまとまった入金として管理する方が現実的です。
7. 申請が必要な人チェックリスト
所得制限が撤廃されたからといって、すべての家庭に自動で振り込まれるわけではありません。児童手当を受けるには、原則として申請が必要です。
特に次に当てはまる人は、手続き漏れに注意が必要です。
| 状況 | 確認したいこと |
|---|---|
| 子どもが生まれた | 出生後の認定請求が必要 |
| 他の市区町村から転入した | 転入先で申請が必要 |
| 以前は所得上限で受給していなかった | 改めて申請が必要な場合がある |
| 高校生年代の子だけを養育している | 新たに申請が必要な場合がある |
| 22歳年度末までの兄姉がいる | 第3子加算の確認書が必要な場合がある |
| 公務員になった | 勤務先での手続きに変わる |
| 公務員を退職した | 市区町村での手続きが必要 |
| 離婚協議中で子どもと同居している | 受給者変更が必要な場合がある |
| 子どもが施設入所・里親委託になった | 支給先が変わる場合がある |
出生や転入のときは、原則として翌日から15日以内の手続きが重要です。申請が遅れると、受け取れない月が出ることがあります。
出生・転入
↓
15日以内に申請
↓
必要な月から支給されやすい
手続き先は、会社ではなく原則として住んでいる市区町村です。ただし、公務員は勤務先での手続きになります。
8. 所得制限撤廃で変わったことと注意点
以前の児童手当には所得制限があり、所得が一定以上の家庭では月5,000円の特例給付になったり、所得上限を超えると支給されなかったりしました。
現在は所得制限が撤廃され、対象年齢の子を養育していれば、所得にかかわらず原則として支給対象になります。
変わったこと
- 所得による支給停止がなくなった
- 高校生年代まで支給対象になった
- 第3子以降が月3万円になった
- 年6回の支給になった
注意が必要なこと
- 申請が必要なケースは残っている
- 支給日は自治体によって異なる
- 児童扶養手当とは別制度
- 扶養控除とは仕組みが違う
- 離婚、別居、転入、転出では届出が必要になることがある
- 第3子判定では22歳年度末までの兄姉の扱いを確認する必要がある
所得制限撤廃は大きな変更ですが、「所得を確認しなくてよい制度になった」という意味ではありません。受給者の確認、養育状況、子どもの居住実態などは引き続き関係します。
9. 児童扶養手当・扶養控除との違い
名前が似ている制度が多いため、児童手当と混同しやすいものを整理しておきます。
| 制度 | 主な内容 | 児童手当との違い |
|---|---|---|
| 児童手当 | 子を養育する家庭への給付 | 所得制限撤廃後は幅広い子育て世帯が対象 |
| 児童扶養手当 | ひとり親家庭などへの給付 | 所得制限があり、対象条件も異なる |
| 扶養控除 | 所得税・住民税の控除 | 現金給付ではなく税負担を調整する制度 |
| 出産育児一時金 | 出産時の費用負担を補う給付 | 出産に関する一時的な給付 |
| 育児休業給付 | 育休中の収入減を補う給付 | 雇用保険に基づく給付 |
児童手当は、子どもが生まれた後から高校生年代まで続く給付です。出産時や育休中の給付とは目的も手続き先も異なります。
子育てに関するお金を整理するときは、「毎月・隔月でもらえるお金」「一時的にもらえるお金」「税金が軽くなる仕組み」を分けて考えると混乱しにくくなります。
10. 子育て費用の中でどう使うか
児童手当は、生活費に使っても、教育費として積み立ててもかまいません。大切なのは、振り込まれた後に何となく消えるのを防ぐことです。
厚生労働省の人口動態統計月報年計では、2025年の出生数は67万1236人、合計特殊出生率は1.14とされており、子育てを社会全体で支える必要性は高まっています。
一方で、教育費の負担も小さくありません。文部科学省の令和5年度子供の学習費調査では、保護者が支出した1年間の学習費総額が、公立高等学校で59万6954円、私立高等学校で117万9261円と示されています。
児童手当だけで教育費をすべてまかなうのは難しいものの、目的別に分けると使い道を決めやすくなります。
| 分け方 | 使い道の例 |
|---|---|
| すぐ使う分 | おむつ、ミルク、通園用品、給食費、医療費 |
| 年内に使う分 | 制服、教材、習い事、修学旅行、受験料 |
| 将来に残す分 | 進学準備、入学金、引っ越し、パソコン購入 |
おすすめしやすい方法は、支給日に次のように分けることです。
児童手当が入金される
↓
日常費に使う分を残す
↓
教育費用の口座に一定額を移す
↓
大きな支出の予定をメモしておく
たとえば、月額合計5万円の家庭なら、2か月に1回10万円が入ります。半分を日常費、半分を教育費として分けるだけでも、年間30万円を将来の支出に回せます。
11. よくある質問
Q. 高校生は児童手当の対象ですか?
A. 高校生年代まで対象です。正確には、18歳に達する日以後の最初の3月31日までの子が対象になります。
Q. 所得が高くても受け取れますか?
A. 所得制限は撤廃されています。対象年齢の子を養育していれば、所得にかかわらず原則として支給対象です。ただし、申請や養育状況などの確認は必要です。
Q. 第3子は必ず月3万円ですか?
A. 支給対象の子が第3子以降に該当する場合は月3万円です。ただし、第何子として数えるかは、兄姉の年齢や経済的負担の有無によって変わることがあります。
Q. 大学生の兄姉にも児童手当は出ますか?
A. 18歳年度末を過ぎた子には、原則として児童手当そのものは支給されません。ただし、22歳年度末までの兄姉は、第3子判定の人数に含まれる場合があります。
Q. 3歳になると金額は下がりますか?
A. 第1子・第2子の場合、3歳未満の月1万5,000円から、3歳以上の月1万円へ変わります。第3子以降なら月3万円なので、3歳になっても金額は変わりません。
Q. 支給日は全国同じですか?
A. 支給月は偶数月ですが、実際の振込日は市区町村によって異なります。土日祝日と重なる場合もあるため、自治体の案内を確認してください。
Q. 申請が遅れたら過去分も受け取れますか?
A. 原則として、申請した月の翌月分から支給されます。出生や転入では15日以内の手続きが重要で、遅れると受け取れない月が出ることがあります。
Q. 離婚協議中で別居している場合、誰が受け取りますか?
A. 子どもと同居している人が優先される場合があります。状況によって必要書類が変わるため、市区町村に相談する必要があります。
Q. 児童扶養手当と同時にもらえますか?
A. 条件を満たせば、別制度として受け取れる場合があります。ただし、児童扶養手当には所得制限などの条件があります。
12. まとめ
児童手当は、所得制限撤廃後、対象となる家庭が広がりました。基本は次のように整理できます。
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 0歳から高校生年代まで |
| 所得制限 | 撤廃 |
| 第1子・第2子 | 3歳未満は月15,000円、3歳以上は月10,000円 |
| 第3子以降 | 月30,000円 |
| 支給月 | 2月・4月・6月・8月・10月・12月 |
| 注意点 | 申請、15日ルール、第3子の数え方 |
受給額を確認するときは、次の順番で考えると間違いにくくなります。
1. 子どもを年齢が高い順に並べる
2. 22歳年度末までの兄姉が人数に入るか確認する
3. 高校生年代までの支給対象児童を確認する
4. 第1子・第2子・第3子以降の月額を当てはめる
5. 月額合計を2倍して、1回の支給額を出す
6. 年額は月額合計に12をかける
特に、大学生年代の兄姉がいる家庭では、第3子加算の有無で受給額が大きく変わります。出生、転入、所得上限で以前は受けていなかった場合、高校生年代の子だけを養育している場合も、申請漏れに注意が必要です。
金額がわかったら、日常費に使う分と将来に残す分を分けておくと、教育費や進学準備に備えやすくなります。迷う点がある場合は、早めに住んでいる市区町村の児童手当担当窓口で確認しておくと安心です。