英単語が見ればわかるのに書けないのはなぜ?思い出せない原因と覚え方
1. 結論:英単語は「見ればわかる」と「書ける」で別の力
単語帳では意味がわかるのに、小テストになると書けない。
長文の中では読めるのに、英作文になると簡単な英単語すら出てこない。
何度も見たはずなのに、日本語を見た瞬間にスペルが思い出せない。
この状態は、英語が苦手だから起きているわけではありません。多くの場合、原因は 「認識できる語彙」と「使える語彙」が別物 だからです。
英単語の力は、大きく分けると次の2つがあります。
| 種類 | できること | 例 |
|---|---|---|
| 認識できる語彙 | 見たり聞いたりすれば意味がわかる | environment を見て「環境」とわかる |
| 使える語彙 | 自分で思い出して書いたり話したりできる | 「環境」と言いたいときに environment と書ける |
つまり、英単語帳を見て「これは知っている」と思っても、何も見ずに書けるとは限りません。
見ればわかる単語は、まだ“読解用の語彙”で止まっている可能性があります。
書ける単語にするには、思い出す練習と使う練習が必要です。
英単語を見ればわかるのに書けない人は、努力不足ではなく、練習の向きがズレていることが多いです。
読む練習ばかりしていると、英語を見て日本語を答える力は伸びます。
しかし、テストや英作文で必要なのは、日本語や文脈から英語を思い出す力です。
この記事では、英単語が見ればわかるのに書けない理由を、記憶の仕組み・スペルの覚え方・具体的な練習法から整理します。
2. まず確認:あなたはどのタイプで英単語が書けない?
英単語が書けないといっても、原因は人によって違います。まずは、自分がどのタイプに近いか確認してみてください。
| チェック項目 | 起きていること | 優先すべき対策 |
|---|---|---|
| 英単語を見れば意味はすぐわかる | 認識できる語彙で止まっている | 日本語から英語を思い出す練習 |
| 日本語を見ても英語が出てこない | 再生練習が不足している | 英語を隠して答える練習 |
| 最初の数文字は出るが最後があいまい | スペルの記憶が弱い | 間違えた文字を見える化する |
| 単語単体ならわかるが文で使えない | 使い方の記憶が弱い | フレーズ・短文で覚える |
| 似た単語が混ざる | 意味・品詞・使い方の区別が弱い | 例文で比較する |
| 単語帳では正解できるがテストで書けない | 選択式の練習に偏っている | 記述式・入力式の練習を増やす |
特に多いのは、英語を見て日本語を答える練習だけで満足しているケース です。
たとえば、次の単語を見れば意味がわかる人は多いでしょう。
| 英単語 | 意味 |
|---|---|
necessary | 必要な |
environment | 環境 |
opportunity | 機会 |
knowledge | 知識 |
successful | 成功した |
しかし、逆に日本語だけを見て正しく書けるでしょうか。
| 日本語 | 書けるか |
|---|---|
| 必要な | necessary |
| 環境 | environment |
| 機会 | opportunity |
| 知識 | knowledge |
| 成功した | successful |
ここで手が止まるなら、単語をまったく知らないわけではありません。
見ればわかる段階から、自分で取り出せる段階に移れていない だけです。
3. なぜ今「書ける英単語」が重要なのか
英語学習では、以前よりも「読む・聞く」だけでなく、「書く・話す」力が重視されるようになっています。
学校のテストでも、単語の意味を選ぶ問題だけでなく、英作文・要約・説明問題が増えています。英検や大学入試、TOEIC、ビジネス英語でも、最終的には自分で英語を取り出して使う力が必要です。
文部科学省の「英語教育実施状況調査」では、高校卒業段階でCEFR A2相当以上、さらにB1相当以上の英語力を持つ生徒を増やすことが目標として示されています。令和6年度の概要では、高校生のCEFR B1レベル相当以上の割合が 21.2% と示され、国の目標である 30%以上 にはまだ届いていません。
また、文部科学省の英語力調査では、高校生が英語学習で苦手に感じる項目として「英語を書くこと」「英語を話すこと」が挙げられています。これは、英単語や文法を知識として持っていても、それを自分から取り出して使う段階でつまずく人が多いことを示しています。
今の英語学習では、次の力が重要です。
- 日本語を見て英単語を思い出す
- 文脈に合う単語を選ぶ
- スペルを正確に書く
- 覚えた単語を英作文で使う
- 会話やメールで自然に使う
- 似た単語を意味や品詞で使い分ける
「見れば意味がわかる」だけでは、読解には役立っても、書く・話す場面では不十分になりやすいです。
だからこそ、英単語を覚えるときは、最初から 読むための単語 と 使うための単語 を分けて考える必要があります。
4. 「見ればわかる」の正体は認識できる語彙
英単語を見れば意味がわかる状態は、英語学習では 受容語彙 と呼ばれます。英語では receptive vocabulary といいます。
受容語彙とは、読んだり聞いたりしたときに理解できる語彙のことです。
たとえば、次のような状態です。
importantを見れば「重要な」とわかるincreaseを見れば「増える」とわかるdecisionを見れば「決定」とわかるopportunityを見れば「機会」とわかるexperienceを見れば「経験」とわかる
受容語彙は、長文読解やリスニングでとても重要です。すべての単語を自分で書けなくても、意味を認識できれば英文の内容を追うことができます。
しかし、受容語彙には弱点があります。
それは、手がかりがあるときに反応する力 だということです。
単語帳で英単語を見たときは、スペルも発音も意味も目の前にあります。脳はそれを見て「ああ、知っている」と判断します。
しかし、英作文やテストでは逆です。
「環境」と書きたいとき、目の前に environment はありません。自分の記憶の中から、意味・スペル・品詞・使い方を取り出す必要があります。
この「取り出す力」が弱いと、見ればわかるのに書けない状態になります。
5. 「書ける」の正体は使える語彙
自分で書いたり話したりできる語彙は、産出語彙 または 発表語彙 と呼ばれます。英語では productive vocabulary といいます。
産出語彙とは、自分の頭の中から取り出して使える語彙です。
たとえば、次のような状態です。
| 日本語 | 自分で書ける状態 |
|---|---|
| 環境 | environment と書ける |
| 経験 | experience と書ける |
| 必要な | necessary と書ける |
| 影響 | influence と書ける |
| 改善する | improve と書ける |
ここで大切なのは、産出語彙は受容語彙より少なくなりやすい ということです。
これは日本語でも同じです。読めば意味がわかる言葉でも、自分の会話や文章ではあまり使えない言葉があります。
たとえば、「顕著」「妥当」「抽象」「網羅」「促進」などは、読めば意味がわかっても、日常会話で自然に使うには少しハードルがあります。
英単語も同じです。見れば意味がわかる単語のすべてが、すぐに自分で書ける単語になるわけではありません。
英単語を使えるようになる流れは、次のように考えるとわかりやすいです。
| 段階 | できること | 例 |
|---|---|---|
| 1 | 見て意味がわかる | improve を見て「改善する」とわかる |
| 2 | 聞いて意味がわかる | 音声で聞いて意味が取れる |
| 3 | 日本語から英語を思い出せる | 「改善する」から improve が出る |
| 4 | スペルを書ける | improve と正しく書ける |
| 5 | 文の中で使える | I want to improve my English. と書ける |
| 6 | 会話や作文で自然に使える | 文脈に合わせて使える |
「見ればわかる」は、まだ1段階目です。
「書ける」「使える」にするには、3〜5段階目の練習が必要です。
6. 英単語を見ればわかるのに書けない5つの理由
英単語が書けない原因は、単純な暗記不足だけではありません。主な理由は次の5つです。
| 原因 | 起きていること | 例 |
|---|---|---|
| 思い出す練習が少ない | 見て確認するだけで終わっている | 単語帳を眺めるだけ |
| 日本語から英語に戻す練習が少ない | 英語→日本語だけ練習している | important →「重要」はできるが逆ができない |
| スペルの記憶があいまい | 意味はわかるが文字列を再現できない | environment の途中が抜ける |
| 文の中で使っていない | 単語単体では知っているが使い方が不明 | influence をどう文に入れるかわからない |
| 似た単語と混ざる | 意味や品詞の区別が弱い | affect と effect が混ざる |
特に多いのは、単語帳を読むだけで覚えた気になっているケース です。
単語帳を何周もしている人ほど、「何度も見たから覚えている」と思いやすくなります。しかし、見慣れた単語を認識する力と、何も見ずに思い出す力は違います。
たとえば、necessary を見れば「必要な」とわかっても、「必要な」を見て necessary と書けるとは限りません。
これは、記憶の入り口はできていても、出口がまだ弱い状態です。
英単語を書けるようにするには、単語を目で確認するだけでなく、自分の頭から取り出す練習 が必要です。
7. 単語帳では覚えたのにテストで書けない理由
単語帳では覚えたはずなのに、テストになると書けない。これは多くの人が経験する悩みです。
理由は、単語帳での学習とテストで求められる力が違うからです。
| 場面 | 目の前にある情報 | 必要な力 |
|---|---|---|
| 単語帳を見る | 英単語・意味・例文がある | 見て判断する力 |
| 選択問題を解く | 候補がある | 選ぶ力 |
| 小テストで書く | 日本語だけがある | 思い出して書く力 |
| 英作文を書く | 文脈だけがある | 必要な単語を選んで使う力 |
単語帳で「覚えた」と感じるのは、英単語を見て意味を思い出せた状態です。
しかし、小テストでは、日本語から英語を思い出す必要があります。
たとえば、次の2つは似ているようで、脳に求められる作業が違います。
| 練習 | 例 | 鍛えられる力 |
|---|---|---|
| 英語→日本語 | necessary → 必要な | 認識する力 |
| 日本語→英語 | 必要な → necessary | 思い出して書く力 |
単語帳で英語→日本語ばかり練習していると、読める単語は増えます。
しかし、日本語→英語の練習をしていないと、テストで書く力は伸びにくいです。
テストで書けるようにしたいなら、単語帳の使い方を次のように変えましょう。
- 英単語を見て意味を確認する
- いったん英単語を隠す
- 日本語だけを見て英語を思い出す
- 紙やアプリに実際に書く
- 答えを見てスペルを確認する
- 間違えた単語だけを翌日に再テストする
大切なのは、答えを見る前に必ず思い出そうとする時間を作ること です。
8. 英語→日本語だけでは書けるようになりにくい
英単語学習でよくある勘違いは、「意味がわかれば覚えた」と考えることです。
もちろん、意味がわかることは大切です。読解では、英語を見て日本語の意味が取れるだけでも大きな力になります。
しかし、「書ける英単語」を増やしたいなら、それだけでは足りません。
| 練習方法 | できるようになること | 書ける英単語への効果 |
|---|---|---|
| 英語を見て日本語を答える | 意味を認識する | 低〜中 |
| 日本語を見て英語を答える | 単語を思い出す | 高 |
| 英語を隠してスペルを書く | つづりを再現する | 高 |
| 単語を使って短文を書く | 文中で使う | 高 |
| 翌日もう一度書く | 記憶を定着させる | 高 |
英語→日本語の練習は、受容語彙を増やす練習です。
日本語→英語の練習は、産出語彙を増やす練習です。
英単語を書けるようにしたいなら、最低でも学習時間の一部を 日本語→英語 に使う必要があります。
おすすめは、単語学習の最後に次の確認を入れることです。
- 今日覚えた単語を英語を隠して書く
- 日本語だけを見て3秒以内に英語を思い出す
- 書けなかった単語だけ印をつける
- 翌日に印のついた単語だけ再テストする
- 1語につき1つ短いフレーズを作る
たとえば、improve を覚えるなら、単語だけで終わらせず、次のように広げます。
| 段階 | 例 |
|---|---|
| 単語 | improve |
| 意味 | 改善する、伸ばす |
| フレーズ | improve my English |
| 短文 | I want to improve my English. |
| 応用 | I practice every day to improve my English. |
このように、単語を「意味」だけでなく「使う形」で覚えると、英作文や会話で取り出しやすくなります。
9. スペルミスは注意不足ではなく記憶の種類の問題
英単語を書けない人は、スペルミスを「自分が雑だから」「注意力がないから」と考えがちです。
しかし、スペルミスには種類があります。原因を分けて考えると、対策もしやすくなります。
| ミスの種類 | 例 | 原因 |
|---|---|---|
| 文字の抜け | enviroment | 音と文字の対応が弱い |
| 順番ミス | freind | 文字列の記憶が不安定 |
| 似た単語との混同 | effect / affect | 意味と品詞の区別が弱い |
| 発音由来のミス | becouse | 音から推測して書いている |
| 語尾ミス | successfull | 派生語の形を覚えていない |
| 二重子音のミス | begining | つづりの規則が曖昧 |
スペルを正確に書くには、意味だけでなく、次の情報をまとめて覚える必要があります。
- 発音
- つづり
- 品詞
- 意味
- 例文
- よく使う組み合わせ
- 派生語
たとえば success を覚えるなら、単体で覚えるより次のようにまとめたほうが使いやすくなります。
| 単語 | 品詞 | 意味 |
|---|---|---|
success | 名詞 | 成功 |
succeed | 動詞 | 成功する |
successful | 形容詞 | 成功した |
successfully | 副詞 | 成功裏に |
「英単語を見ればわかるのに書けない」と感じるときは、意味だけで覚えていて、スペル・品詞・派生語まで結びついていないことが多いです。
スペルミスを減らすには、ただ10回書くより、次のように間違いを分析するほうが効果的です。
| 間違えた単語 | 自分のミス | 正しい形 | 次に見るポイント |
|---|---|---|---|
necessary | neccesary | necessary | c は1つ、s は2つ |
environment | enviroment | environment | n を抜かない |
because | becouse | because | au ではなく au ではない |
successful | successfull | successful | 最後の l は1つ |
間違えたスペルをただ消すのではなく、「どこを間違えたか」を残すと、次に同じミスをしにくくなります。
10. 書ける英単語に変える5ステップ
見ればわかる単語を、書ける単語に変えるには、次の5ステップがおすすめです。
| ステップ | やること | 目的 |
|---|---|---|
| 1 | 英語を見て意味を確認する | 最低限の理解 |
| 2 | 日本語を見て英語を思い出す | 再生力を作る |
| 3 | 実際に書く | スペルを固定する |
| 4 | 短い文で使う | 文脈で使えるようにする |
| 5 | 翌日・3日後に再テストする | 忘却を防ぐ |
たとえば environment を覚えるなら、次のように練習します。
| ステップ | 例 |
|---|---|
| 1 | environment = 環境 |
| 2 | 「環境」だけを見て environment を思い出す |
| 3 | 何も見ずに environment と書く |
| 4 | We should protect the environment. と文で使う |
| 5 | 翌日に「環境」だけを見てもう一度書く |
ポイントは、最初から長い英作文をしようとしないことです。
書けない単語が多い段階で長文を書こうとすると、負荷が高すぎて続きません。まずは1語、次にフレーズ、最後に短文で十分です。
おすすめの順番は次の通りです。
| 段階 | 例 |
|---|---|
| 単語 | practice |
| フレーズ | practice English |
| 短文 | I practice English every day. |
| 応用文 | I practice English every day to improve my speaking skills. |
このように少しずつ広げると、英単語が「知っている情報」から「使える道具」に変わっていきます。
11. 中学生・高校生・社会人で違う対策
英単語を書けない原因は、学習段階によって少し違います。自分の状況に合わせて対策を変えると、効率よく改善できます。
| 学習者 | よくある悩み | 優先すべき対策 |
|---|---|---|
| 中学生 | 小テストでスペルが書けない | 発音とつづりをセットで覚える |
| 高校生 | 長文では読めるが英作文で使えない | フレーズ・例文で覚える |
| 受験生 | 覚えたはずの単語が本番で出ない | 時間を空けた再テストをする |
| TOEIC学習者 | 見ればわかるが使えない | 場面別の表現で覚える |
| 社会人 | 読めるがメールで書けない | 定型表現として覚える |
| 英会話学習者 | 頭ではわかるが口から出ない | 短文を声に出して練習する |
中学生の場合は、まずスペルと発音のつながりを作ることが大切です。たとえば Wednesday や because のように、発音だけでは書きにくい単語は、音・文字・意味をセットで確認しましょう。
高校生や受験生の場合は、長文では読めるのに英作文で使えない単語が増えやすくなります。この場合は、単語単体ではなく、solve a problem、make a decision、have an influence on のようなフレーズで覚えると使いやすくなります。
社会人の場合は、ビジネスメールや資格試験で使う表現を、単語ではなく定型表現として覚えるのがおすすめです。
たとえば、次のような形です。
| 言いたいこと | 覚える表現 |
|---|---|
| 確認します | I will check it. |
| 共有ありがとうございます | Thank you for sharing. |
| 詳細を教えてください | Could you provide more details? |
| 日程を変更したいです | I would like to reschedule. |
英単語は、自分が使う場面に近い形で覚えるほど、思い出しやすくなります。
12. 1週間で「書けない単語」を減らす練習メニュー
英単語を効率よく書けるようにするには、毎日同じことを長時間やるより、短時間で何度も思い出すほうが効果的です。
以下は、1日10〜15分でできるメニューです。
| 日 | やること | 目安 |
|---|---|---|
| 1日目 | 新しい単語を10語確認し、日本語から英語を書く | 10〜15分 |
| 2日目 | 前日の10語を再テストし、間違えた単語だけ書く | 10分 |
| 3日目 | 10語を短いフレーズで使う | 10〜15分 |
| 4日目 | 日本語だけを見て再テストする | 10分 |
| 5日目 | 間違えた単語で短文を作る | 10〜15分 |
| 6日目 | 何も見ずに覚えている単語を書き出す | 10分 |
| 7日目 | 10語を総復習し、書けない単語を次週へ回す | 10〜15分 |
ここで大切なのは、全部を完璧に覚えようとしないことです。
10語中10語を一度で覚えようとすると、苦しくなります。最初は10語中5語でも構いません。重要なのは、間違えた単語を「失敗」と考えず、次に出すべき単語として残すことです。
英単語学習では、間違えた単語こそ価値があります。なぜなら、自分の「見ればわかるけれど書けない単語」が明確になるからです。
また、1週間メニューを続けるときは、次のように単語を分類すると復習しやすくなります。
| 分類 | 状態 | 次の行動 |
|---|---|---|
| A | すぐ書ける | 3日後に確認 |
| B | 意味はわかるが書けない | 翌日に再テスト |
| C | スペルを間違える | 間違えた文字を記録 |
| D | 意味もあいまい | 例文から覚え直す |
すべての単語を同じ回数だけ復習する必要はありません。
書けない単語に時間を多く使うほうが効率的です。
13. 英単語アプリを使うときの注意点
英単語アプリは便利ですが、使い方によっては「見ればわかる単語」ばかり増えてしまうことがあります。
特に注意したいのは、次のような使い方です。
- 選択肢を見て正解を選ぶだけ
- 正解したらすぐ次へ進む
- 間違えた単語を翌日に戻さない
- スペル入力をしない
- 例文を読まずに単語だけ処理する
- 復習より新しい単語を増やすことを優先する
選択式の問題は、学習の入口としては有効です。しかし、選択肢がある状態では、完全に自力で思い出しているとは限りません。
書ける単語を増やしたいなら、アプリを使うときも次の設定や使い方を意識しましょう。
| 目的 | おすすめの使い方 |
|---|---|
| 意味を覚える | 英語→日本語で確認する |
| 書けるようにする | 日本語→英語で入力する |
| スペルを覚える | 英語を隠して手入力する |
| 忘れにくくする | 翌日・3日後に再テストする |
| 使えるようにする | 例文やフレーズで覚える |
英単語を「見て終わり」にしないためには、学習した内容を後日もう一度取り出す仕組みが必要です。紙の単語帳でもできますが、復習タイミングや学習記録を自分で管理するのが難しい人は、アプリを使うのも一つの方法です。
DailyDrops は完全無料で利用でき、英会話・TOEIC・資格・受験勉強などに対応した共益型の学習プラットフォームです。学習行動がユーザーに還元される仕組みがあるため、英単語を継続的に復習したい人にとって、選択肢の一つになります。
大切なのは、どのアプリを使うかだけではありません。
英単語を見て終わらせず、思い出して使う流れを作ること です。
14. よくある失敗と対策
英単語を書けるようにしようとすると、多くの人が同じところでつまずきます。
| 失敗 | 原因 | 対策 |
|---|---|---|
| 何度も書いているのに覚えない | 手だけ動かしている | 書く前に必ず思い出す |
| スペル練習が苦痛 | 量が多すぎる | 1日5〜10語に絞る |
| 翌日には忘れる | 復習間隔が空きすぎ | 翌日・3日後に再テスト |
| 英作文で使えない | 単語単体で覚えている | フレーズ・短文で覚える |
| 似た単語が混ざる | 違いを説明できない | 品詞・例文で比較する |
| 覚えた単語が本番で出ない | 練習が簡単すぎる | 答えを隠して再現する |
特に避けたいのは、英単語を10回ずつ写すだけ の勉強です。
もちろん、書くこと自体は意味があります。しかし、何も考えずに写しているだけでは、記憶から取り出す練習になりません。
効果を上げるなら、次の順番に変えてください。
- 日本語を見る
- 英語を思い出す
- 書く
- 答えを見る
- 間違えた部分を直す
- もう一度隠して書く
同じ「書く」でも、写すのではなく、思い出して書く。
これだけで学習効果は大きく変わります。
学習科学では、覚えたい情報をただ読み返すより、思い出そうとする練習のほうが記憶に残りやすいことが知られています。これは「検索練習」や retrieval practice と呼ばれます。
参考:Roediger & Karpicke, 2006, Test-enhanced learning
英単語でいえば、次のような練習です。
- 答えを見る前に3秒思い出す
- 日本語だけを見て英語を書く
- スペルを隠して発音から書く
- 例文の空欄に単語を入れる
- 間違えた単語を翌日にもう一度書く
思い出せなかった時間も、学習の一部です。
すぐに答えを見るより、「何だったかな」と数秒考えることで、次に思い出しやすくなります。
15. よくある質問
Q. 英単語を何回書いても覚えられないのはなぜですか?
何回も書いているのに覚えられない場合、原因は「書く回数」ではなく「書き方」にあるかもしれません。
答えを見ながら10回写しても、記憶から取り出す練習にはなりにくいです。英単語を書けるようにするには、書く前に英語を隠し、日本語だけを見て思い出す時間を作ることが大切です。
おすすめは、次の流れです。
- 日本語を見る
- 英語を思い出す
- 何も見ずに書く
- 答えを見る
- 間違えた部分だけ直す
- 翌日に再テストする
回数よりも、「思い出してから書く」ことを優先しましょう。
Q. 英単語は読めるのにスペルが書けない場合、何から直すべきですか?
まずは、読める単語と書ける単語を分けて確認しましょう。
英単語を見て意味がわかるなら、意味の理解はある程度できています。次に必要なのは、スペルを記憶から再現する練習です。
特に効果的なのは、間違えたスペルを記録することです。
たとえば environment を enviroment と書いたなら、「n が抜けた」とメモします。間違いを見える化すると、次に同じミスをしにくくなります。
Q. 単語帳では覚えているのにテストで書けないのはなぜですか?
単語帳では、英単語・意味・例文が目の前にあります。そのため、脳は「見て判断する」だけでも正解できてしまいます。
一方、テストでは日本語や文脈だけを手がかりに、自分で英単語を思い出す必要があります。
つまり、単語帳でできているのは「再認」、テストで必要なのは「再生」です。
テストで書けるようにするには、単語帳を見るだけでなく、英語を隠して日本語から英語を書く練習を入れましょう。
Q. 英単語を日本語から英語に直す練習は必要ですか?
必要です。特に、英作文・小テスト・スピーキング・記述問題で使いたいなら、日本語から英語に直す練習は欠かせません。
英語→日本語だけの練習では、読める単語は増えます。
しかし、日本語→英語の練習をしないと、自分で書く力は伸びにくいです。
すべての単語でやる必要はありませんが、よく使う単語・テストに出る単語・英作文で使いたい単語は、日本語から英語に戻せるようにしておきましょう。
Q. 英単語アプリだけでスペルまで覚えられますか?
アプリの使い方によります。
選択式だけなら、意味を認識する力は伸びますが、スペルを書く力は伸びにくいです。スペルまで覚えたいなら、入力式・記述式・復習機能を使う必要があります。
アプリを使う場合も、次の3つを意識しましょう。
- 英語を隠して日本語から思い出す
- スペルを実際に入力する
- 間違えた単語を翌日もう一度出す
アプリは便利な道具ですが、見て終わりにすると「読めるけれど書けない」状態が残りやすくなります。
Q. 英作文が苦手な人は単語からやるべきですか?
単語だけでなく、短いフレーズから始めるのがおすすめです。
いきなり長い英作文を書く必要はありません。
| 日本語 | 覚える形 |
|---|---|
| 英語を勉強する | study English |
| スコアを伸ばす | improve my score |
| ミスをする | make a mistake |
| 単語を復習する | review words |
| 毎日練習する | practice every day |
このような短いかたまりを増やすと、英作文の負担が下がります。
Q. 英単語はすべて書けるようにするべきですか?
すべての単語を完璧に書けるようにする必要はありません。
読解で意味がわかれば十分な単語もあります。一方で、英作文・会話・小テスト・資格試験で使う単語は、書ける状態にしておく必要があります。
目安として、次のように分けると効率的です。
| 単語の種類 | 目標 |
|---|---|
| 長文でよく出る難語 | 見て意味がわかる |
| 学校の小テスト範囲 | 正確に書ける |
| 英作文で使いやすい単語 | フレーズで使える |
| 会話で使う基本語 | すぐ口から出る |
| 資格試験の頻出語 | 意味・品詞・使い方がわかる |
全部を同じレベルで覚えようとすると時間が足りません。目的に合わせて、書けるようにする単語を選びましょう。
16. まとめ:見てわかる単語を、思い出して使える単語へ
英単語を見ればわかるのに書けないのは、珍しいことではありません。
原因は、知識がないからではなく、認識できる語彙が、まだ使える語彙に変わっていないこと です。
大切なポイントを整理します。
- 見ればわかる単語は、受容語彙である
- 書ける単語は、産出語彙である
- 単語帳を読むだけでは、書く力は伸びにくい
- 英語→日本語だけでなく、日本語→英語の練習が必要
- スペルミスは注意不足ではなく、記憶の結びつきの弱さでも起きる
- 書けるようにするには、思い出してから書く練習が重要
- 単語単体ではなく、フレーズや短文で覚えると使いやすい
- 間違えた単語は、次に伸びる単語として残す
英単語学習で目指したいのは、単語帳を見て「知っている」と感じることではありません。
必要な場面で、自分の頭から取り出して使えることです。
今日からは、単語を見て確認するだけで終わらせず、最後に1回だけでも隠して思い出してみてください。
その小さな練習が、「見ればわかる英単語」を「自分で書ける英単語」に変えていきます。