学資保険はいらない?新NISAとどっちがいいか・デメリット・必要な人を解説
1. 結論:全員に必要ではないが、向いている家庭はある
子どもの教育費を準備する方法として、学資保険は今でも候補になります。ただし、昔のように「子どもが生まれたらとりあえず入るもの」と考える必要はありません。
結論からいうと、学資保険は教育費を大きく増やす商品ではなく、教育費を確実に積み立てるための保険商品です。
そのため、次のように考えると判断しやすくなります。
| 重視すること | 向いている方法 |
|---|---|
| 元本割れをできるだけ避けたい | 預貯金、学資保険 |
| 親に万一があっても教育費を残したい | 学資保険、生命保険 |
| 長期で増やす可能性を取りたい | 新NISA |
| 途中で使える柔軟性がほしい | 預貯金、新NISA |
| 自分で貯金を続けるのが苦手 | 学資保険 |
つまり、学資保険が必要かどうかは「お得かどうか」だけでは決まりません。
重要なのは、自分で貯められるか、投資の値動きに耐えられるか、親の死亡保障が足りているかです。
次のどれかに当てはまる家庭では、学資保険は検討する価値があります。
- 毎月の貯金をつい使ってしまう
- 教育費だけは別枠で確実に残したい
- 投資で元本割れするのが怖い
- 親の死亡保障が少ない
- 大学入学時にまとまったお金を用意したい
一方で、計画的に貯蓄できる家庭、すでに死亡保障が十分な家庭、新NISAなどで長期投資を続けられる家庭では、学資保険の優先度は下がります。
2. 30秒診断:加入を検討してよい人・慎重に考える人
まずは、次の表で大まかに判断してみましょう。
| 質問 | はいの場合 |
|---|---|
| 毎月自動で引き落とされないと貯金が続きにくい | 学資保険は候補 |
| 投資信託の値下がりを見ると不安になりそう | 学資保険・預貯金向き |
| 親の死亡保障が十分ではない | 学資保険または生命保険を検討 |
| 生活防衛資金がまだ少ない | 先に現金貯蓄を優先 |
| 途中でお金を使う可能性がある | 学資保険は慎重に |
| 15年以上使わない余裕資金がある | 新NISAも候補 |
| 返戻率だけで商品を選ぼうとしている | 一度立ち止まるべき |
特に大切なのは、途中解約しないで続けられるかです。
学資保険は、契約してすぐに大きく増える商品ではありません。途中で解約すると、解約返戻金が払込保険料を下回ることがあります。
そのため、生活費・住宅ローン・車の購入・第二子以降の出産・転職などで家計が変化しても、無理なく払える保険料に抑えることが大切です。
3. 学資保険とは、教育費を準備するための貯蓄型保険
学資保険とは、子どもの進学時期に合わせて教育資金を受け取るための保険です。契約者は親や祖父母、被保険者は子どもになることが一般的です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 主な目的 | 子どもの教育資金を準備する |
| 契約者 | 親または祖父母 |
| 被保険者 | 子ども |
| 受取時期 | 17歳、18歳、大学在学中など |
| 主な保障 | 契約者死亡時の保険料払込免除など |
| 注意点 | 途中解約で元本割れする可能性がある |
学資保険の特徴は、貯蓄と保障がセットになっていることです。
たとえば、契約者である親に万一のことがあった場合、以後の保険料の支払いが免除され、予定どおり満期保険金を受け取れる商品があります。
これは通常の貯金にはない機能です。
ただし、保険である以上、保障コストが含まれます。そのため、同じ金額を投資に回した場合より大きく増えにくいことがあります。
学資保険を選ぶときは、次の式で返戻率を確認します。
返戻率 = 受取総額 ÷ 払込保険料総額 × 100
たとえば、保険料を合計300万円支払い、満期時に312万円受け取れるなら、返戻率は104%です。
一見すると増えているように見えますが、18年かけて12万円増える計算です。安全性や保障はありますが、資産を大きく増やす力は限定的です。
4. なぜ今、教育費準備が重要なのか
教育費は、家計の中でも特に大きな支出です。しかも、大学入学前後にまとまった支払いが集中しやすい特徴があります。
文部科学省の令和5年度子供の学習費調査では、年間の学習費総額は公立中学校で約54.2万円、私立中学校で約156万円、公立高校で約59.7万円、私立高校で約117.9万円とされています。学校種別によって負担は大きく変わります。
さらに大学では、入学金・授業料・施設設備費などが一度に発生します。
文部科学省の私立大学等の令和7年度入学者に係る学生納付金等調査結果によると、私立大学学部の初年度学生納付金等の平均は1,507,647円です。
つまり、大学進学時には、少なくとも100万円単位の資金が必要になる可能性があります。
教育費は「足りなければ後で考える」では対応しにくい支出です。奨学金や教育ローンという選択肢はありますが、貸与型奨学金やローンは将来の返済負担につながります。
日本学生支援機構の令和4年度学生生活調査でも、学生生活費や奨学金受給状況が調査されています。大学進学には、授業料だけでなく生活費・通学費・教材費もかかるため、早めに資金計画を立てる意味は大きいです。
5. 学資保険のメリットは「強制力」と「保障」
学資保険のメリットは、単にお金を貯められることではありません。主なメリットは次の3つです。
| メリット | 内容 |
|---|---|
| 自動で積み立てられる | 毎月保険料が引き落とされるため、貯金が苦手でも続けやすい |
| 教育費専用に分けられる | 生活費と混ざりにくく、使い込みを防ぎやすい |
| 親の万一に備えられる | 保険料払込免除などにより、教育費を守りやすい |
特に、貯金が苦手な家庭にとっては「強制的に積み立てられる」ことが大きなメリットです。
普通預金に入れていると、家電の買い替え、旅行、車検、住宅関連費などで使ってしまうことがあります。学資保険なら教育費として別管理しやすく、目的外に使いにくくなります。
また、契約者である親が亡くなった場合や高度障害状態になった場合に、以後の保険料が免除される商品もあります。これは、教育費の準備と親の保障を同時に考えたい家庭にとって意味があります。
ただし、すでに十分な生命保険に加入している家庭では、この保障の価値は相対的に小さくなります。
6. デメリットは「増えにくい」「途中解約に弱い」「柔軟性が低い」
学資保険で最も注意したいのは、デメリットです。
| デメリット | 注意点 |
|---|---|
| 大きく増えにくい | 返戻率が高くても年利換算では低いことが多い |
| 途中解約で元本割れしやすい | 契約初期ほど解約返戻金が少ない傾向がある |
| 資金拘束がある | 必要なときに自由に引き出しにくい |
| インフレに弱い | 将来の教育費上昇に追いつけない可能性がある |
| 保険料が家計を圧迫する | 収入減や支出増があると継続が難しくなる |
特に誤解されやすいのは、返戻率100%超なら必ず有利という考え方です。
たとえば、18年間で324万円を払い込み、満期で337万円を受け取る場合、返戻率は約104%です。しかし、18年かけて増える金額は約13万円です。
この数字をどう見るかは、家庭によって変わります。
「少しでも増えて、親の保障もあるなら十分」と考えるなら候補になります。一方で、「18年預けるならもっと増やしたい」と考えるなら、新NISAなどの長期投資も比較すべきです。
また、学資保険は途中解約に弱い商品です。生活防衛資金がない状態で加入すると、急な支出のたびに解約リスクが高まります。
先に、生活費の6か月分程度を目安に現金を確保してから検討するほうが安全です。
7. 新NISAと比べると、どちらがいいのか
2024年から新NISAが始まり、教育費準備でも投資を活用しやすくなりました。
金融庁のNISA特設ウェブサイトでは、2024年からのNISAについて、つみたて投資枠と成長投資枠の併用、年間投資枠最大360万円、非課税保有限度額最大1,800万円などが説明されています。
学資保険と新NISAを比べると、役割はかなり違います。
| 比較項目 | 学資保険 | 新NISA |
|---|---|---|
| 目的 | 教育費の確実な準備 | 長期の資産形成 |
| 元本保証 | 商品によるが、満期まで続ければ元本割れしにくいものがある | なし |
| 増える可能性 | 小さい | 大きい可能性がある |
| 損する可能性 | 途中解約で元本割れ | 相場下落で元本割れ |
| 資金の自由度 | 低め | 比較的高い |
| 親の保障 | あり得る | なし |
| 向いている人 | 安心・強制力重視 | 長期運用・柔軟性重視 |
新NISAの魅力は、長期運用によって資産を増やせる可能性があることです。一方で、教育費は使う時期がある程度決まっています。
大学入学直前に相場が下落すると、必要なタイミングで売却しにくくなるリスクがあります。
そのため、教育費を新NISAだけで準備する場合は、子どもが高校生に近づくにつれて現金比率を高めることが重要です。
8. いくら違う?学資保険・新NISA・預金のシミュレーション
ここでは、毎月積み立てた場合の大まかな比較を見てみます。投資は毎年同じ利回りで増えるとは限らないため、あくまで目安です。
| 毎月の積立額 | 18年の元本 | 学資保険104% | 年3%運用 | 年5%運用 |
|---|---|---|---|---|
| 1万円 | 216万円 | 約225万円 | 約285万円 | 約349万円 |
| 1.5万円 | 324万円 | 約337万円 | 約428万円 | 約524万円 |
| 2万円 | 432万円 | 約449万円 | 約570万円 | 約698万円 |
この表を見ると、新NISAで長期運用できた場合の増え方は大きく見えます。
ただし、ここで重要なのは、投資には元本保証がないという点です。年3%や年5%は毎年確実に得られる利回りではありません。
教育費は、老後資金と違って「使う時期を先延ばししにくいお金」です。
そのため、現実的には次のような組み合わせが考えられます。
| 目的 | 方法 |
|---|---|
| 大学入学金・初年度費用 | 預貯金、学資保険 |
| 10年以上先の教育費 | 新NISA |
| 急な支出への備え | 普通預金 |
| 親の万一への備え | 生命保険、学資保険 |
学資保険か新NISAかを二択で考えるより、安全資産と投資を分けるほうが失敗しにくくなります。
9. 児童手当をどう使うかで教育費準備は変わる
教育費の準備では、児童手当の使い方も重要です。
こども家庭庁の児童手当制度の案内では、支給対象は0歳から18歳到達後の最初の3月31日までの児童を養育している方とされています。支給額は、3歳未満が月15,000円、3歳以上高校生年代までが月10,000円、第3子以降は月30,000円です。
第1子・第2子で考えると、児童手当を全額貯めるだけでも教育費の土台になります。
ただし、児童手当をすべて学資保険に回すべきとは限りません。
| 家計状況 | 児童手当の使い方 |
|---|---|
| 生活防衛資金が少ない | まず普通預金で確保 |
| 貯金が苦手 | 一部を学資保険に回す |
| 投資経験がある | 一部を新NISAで長期運用 |
| 近い将来に大きな支出がある | 流動性の高い預金を優先 |
| 保障が不足している | 学資保険や生命保険を検討 |
児童手当は、教育費準備の大切な原資です。しかし、すべてを固定してしまうと、急な出費に対応しにくくなります。
最初は普通預金で貯め、家計に余裕が出てから学資保険や新NISAに分ける方法もあります。
10. 家庭タイプ別:必要な人・不要な人の判断基準
学資保険が必要かどうかは、家庭の状況によって変わります。
| 家庭の状況 | 判断 |
|---|---|
| 共働きで貯蓄力がある | 優先度は低め。新NISAや預貯金で対応しやすい |
| 片働きで死亡保障が少ない | 学資保険または生命保険を検討 |
| 毎月の貯金が苦手 | 少額の学資保険は候補 |
| 住宅ローン負担が重い | 固定保険料は慎重に |
| 子どもが0〜3歳 | 長期で準備できるため比較余地あり |
| 子どもが中学生以上 | 新規加入より預貯金・安全資産中心が現実的 |
| 祖父母が援助したい | 税金・契約者・受取人の関係に注意 |
特に、子どもが小さいほど選択肢は広がります。0〜3歳なら、学資保険も新NISAも比較できます。
一方で、子どもが中学生以上の場合、大学入学までの期間が短いため、投資リスクを大きく取りにくくなります。この場合は、預貯金や個人向け国債など、安全性の高い方法を中心に考えるほうが現実的です。
また、祖父母が保険料を払う場合は、贈与税や相続、契約者・受取人の設定によって税務上の扱いが変わる可能性があります。大きな金額になる場合は、保険会社や税理士に確認したほうが安心です。
11. 生命保険料控除はあるが、節税目的で選ばない
学資保険の保険料は、一般生命保険料控除の対象になることがあります。
国税庁の生命保険料控除に関する説明では、新生命保険料と旧生命保険料の両方の支払いがある場合の控除額について説明されています。新契約分の一般生命保険料控除は、所得税で最大4万円が一つの目安になります。
ただし、これは「税金が4万円安くなる」という意味ではありません。所得控除なので、実際の節税額は所得税率や住民税によって変わります。
たとえば、所得税率10%の人が4万円の所得控除を受けた場合、所得税の軽減額はおおむね4,000円です。
また、すでに他の生命保険で控除枠を使っている場合、学資保険を追加しても控除額が増えないことがあります。
学資保険を選ぶ理由は、節税ではなく、教育費の確実な準備と保障です。節税効果だけを理由に加入すると、期待外れになりやすいので注意しましょう。
12. 教育費はいくら貯めるべきか
教育費の目標額は、進路によって大きく変わります。
ただし、最初から全額を準備しようとすると負担が重くなりすぎます。まずは、大学入学前後に必要なまとまったお金を目標にするのが現実的です。
| 目的 | 目標額の目安 |
|---|---|
| 大学入学前の初期費用 | 100万〜200万円 |
| 私立大学の初年度費用対策 | 150万〜250万円 |
| 自宅外通学も想定 | 300万円以上 |
| すべて親が負担したい | 500万円以上も検討 |
特に重視したいのは、入学前に必要になるお金です。
大学の授業料は入学後に分けて支払うケースもありますが、入学金や初年度納付金は早い時期に必要になることがあります。総合型選抜や学校推薦型選抜では、一般入試より早く手続きが進む場合もあります。
そのため、教育費準備では「18歳で受け取れる」だけでなく、入学手続きに間に合うかを確認する必要があります。
学資保険を契約する場合は、受取時期が17歳なのか18歳なのか、何月に受け取れるのかまで確認しましょう。
13. 学習費は「貯め方」だけでなく「使い方」も重要
教育費を考えるときは、いくら貯めるかだけでなく、どの学習手段にお金を使うかも大切です。
高額な塾や教材が必ず悪いわけではありません。しかし、無料または低コストで始められる学習方法を試してから、有料サービスを選ぶほうが家計への負担は抑えやすくなります。
英会話、TOEIC、資格、受験勉強などは、継続できる環境を作ることが成果につながります。
たとえば、DailyDropsは完全無料で利用でき、学習行動がユーザーに還元される共益型プラットフォームです。教育費を準備しながら、日々の学習コストを抑える選択肢の一つとして活用できます。
教育費は、単にお金を出すことではありません。
- 何にお金を使うか
- 何を無料で学ぶか
- いつ有料サービスを使うか
- 子どもだけでなく親も金融知識を学ぶか
こうした判断の積み重ねが、将来の選択肢を広げます。
14. よくある質問
Q. 学資保険は本当に不要ですか?
不要な人もいますが、必要な人もいます。自分で計画的に貯蓄でき、死亡保障も十分で、投資の値動きにも対応できる家庭では優先度は低めです。一方で、貯金が苦手な家庭や、親の万一に備えて教育費を守りたい家庭では候補になります。
Q. 新NISAと学資保険はどちらがいいですか?
増やす可能性を重視するなら新NISA、確実性と保障を重視するなら学資保険です。ただし、新NISAは元本保証がありません。大学入学が近づいたら、投資資産を少しずつ現金化するなどの工夫が必要です。
Q. 返戻率は何%なら良いですか?
返戻率だけで判断しないことが大切です。100%を超えていても、18年かけて数%しか増えない場合があります。返戻率に加えて、受取時期、払込期間、保障内容、途中解約時の返戻金を確認しましょう。
Q. 途中解約するとどれくらい損しますか?
商品や解約時期によって異なりますが、契約初期に解約すると払込保険料を下回る可能性があります。加入前に、解約返戻金の推移を必ず確認しましょう。
Q. 児童手当は学資保険と新NISAのどちらに回すべきですか?
生活防衛資金が少ない場合は、まず普通預金を優先するのが安全です。そのうえで、貯金が苦手なら一部を学資保険、長期で増やしたいなら一部を新NISAに回す方法があります。
Q. 子どもが中学生でも学資保険に入る意味はありますか?
大学入学までの期間が短いため、返戻率や受取時期の面で選択肢は限られます。中学生以降は、預貯金や安全性の高い資産で確実に準備するほうが現実的な場合があります。
Q. 祖父母が学資保険に入る場合の注意点はありますか?
契約者、被保険者、受取人の設定によって税金の扱いが変わる可能性があります。保険料の負担や受取金額が大きい場合は、贈与税や相続の観点から専門家に確認したほうが安心です。
15. まとめ:返戻率より、家計に合う役割分担で決める
学資保険は、教育費を大きく増やすための商品ではありません。強みは、教育費を自動で積み立てられること、目的外に使いにくいこと、親に万一があった場合の保障を持てることです。
一方で、途中解約に弱く、柔軟性が低く、返戻率も大きくは期待しにくいというデメリットがあります。
新NISAは長期で増やす可能性がありますが、元本保証はありません。教育費のように使う時期が決まっているお金は、すべてを投資に回すのではなく、安全資産と分けて準備することが大切です。
判断に迷ったら、次の順番で考えてみましょう。
- 生活防衛資金はあるか
- 親の死亡保障は足りているか
- 毎月の貯蓄を自分で続けられるか
- 投資の値下がりに耐えられるか
- 大学入学前にいくら必要か
この5つを整理すると、学資保険が必要かどうかはかなり見えやすくなります。
教育費準備で大切なのは、ひとつの商品に正解を求めることではありません。預貯金、学資保険、新NISA、生命保険をそれぞれの役割に分け、無理なく続けられる形を選ぶことです。