中学理科の計算問題が苦手な理由|公式を覚えたのに使えない人の読み方
理科の計算でつまずく人は、計算力がまったく足りないのではなく、公式に入れる前の読み取りで止まっていることが多いです。
公式は覚えている。
授業で解説を聞くとわかる。
でも、自分で問題文を読むと「どの公式を使うのか」「どの数字を入れるのか」がわからない。
この状態は、中学生の理科ではとてもよく起こります。
結論から言うと、理科の計算問題を解くには、次の順番が大切です。
- 何を求める問題か確認する
- 数値と単位を抜き出す
- 単位をそろえる
- 使う公式を選ぶ
- 計算する
- 答えの意味を確認する
理科の計算は、数学のように式だけが与えられる問題ではありません。実験の説明、表、グラフ、図、単位、日常現象が混ざっています。だから、公式暗記だけでは対応しにくいのです。
この記事では、中学理科で計算問題が苦手になる理由を、密度・圧力・濃度・オームの法則などの例題とあわせて解説します。定期テストや高校受験で「理科の計算だけ落としてしまう」と感じている人は、まず解き方よりも読み方の型を整えていきましょう。
1. 理科の計算問題が苦手な人は「公式前」でつまずいている
理科の計算問題というと、多くの人は「計算ミスを減らせばよい」と考えます。
もちろん、割り算、小数、割合、比例、単位換算は大切です。
しかし、実際には計算を始める前に止まっている人が少なくありません。
たとえば、次のような状態です。
| よくある悩み | 本当のつまずき |
|---|---|
| 公式は覚えたのに使えない | どの場面で使う公式か判断できていない |
| 問題文が長いと混乱する | 必要な数値を抜き出せていない |
| 解説を見ればわかる | 自分で読み取る手順が固まっていない |
| 単位換算で間違える | 数字だけ見て単位を読んでいない |
| 応用問題になると解けない | 計算結果の意味を理解していない |
理科の計算問題は、単なる計算ではありません。
読解力、理科の知識、単位の理解、数学的な処理、結果の判断がセットになった問題です。
そのため、公式を覚えているのに解けない人は、努力不足ではなく、勉強の順番が少しずれている可能性があります。
公式を増やす前に、まずは問題文を次のように読む習慣をつけましょう。
求めるものは何か
与えられている数値は何か
単位はそろっているか
どの関係を使えばよいか
この4つを確認するだけで、理科の計算問題はかなり整理しやすくなります。
2. なぜ今、理科の計算問題の読み方が重要なのか
理科の学習では、知識を覚えるだけでなく、実験や観察の結果をもとに考える力が重視されています。
文部科学省の全国学力・学習状況調査では、教科に関する調査として、知識・技能だけでなく、思考力・判断力・表現力等に関わる力も問われます。理科でも、表やグラフ、実験条件を読み取り、科学的に考える力が必要になります。
参考:文部科学省 全国学力・学習状況調査
高校入試でも、理科は単純な一問一答だけではありません。
- 実験結果を表から読み取る
- グラフから数値を選ぶ
- 条件を変えたときの変化を考える
- 計算結果を使って理由を説明する
- 単位をそろえてから公式に代入する
このような問題が出るため、公式を丸暗記しているだけでは点数が安定しにくくなります。
特に中学理科では、物理分野や化学分野を中心に計算問題が出やすいです。密度、圧力、濃度、電流、電圧、抵抗、仕事、湿度、地震の速さなど、複数の単元に計算が登場します。
つまり、理科の計算が苦手なままだと、1つの単元だけでなく、複数の分野で少しずつ失点しやすくなります。
逆に言えば、公式の使い方と単位の読み方を身につけると、複数の単元で点を取り戻せるということです。
3. 中学理科で計算問題が出やすい単元
まずは、どの単元で計算問題が出やすいのかを整理しておきましょう。
| 単元 | よく使う公式・考え方 | つまずきやすい点 |
|---|---|---|
| 密度 | 密度 = 質量 ÷ 体積 | g/cm³ の意味がわからない |
| 濃度 | 濃度 = 溶質 ÷ 水溶液 × 100 | 食塩と食塩水を混同する |
| 圧力 | 圧力 = 力 ÷ 面積 | cm² と m² の換算を間違える |
| オームの法則 | 電圧 = 電流 × 抵抗 | V、A、Ω の関係があいまい |
| 仕事 | 仕事 = 力 × 距離 | 力の向きと動いた距離を混同する |
| 速さ | 速さ = 距離 ÷ 時間 | 地震や音の問題で条件を読み落とす |
| 湿度 | 湿度 = 水蒸気量 ÷ 飽和水蒸気量 × 100 | 表から必要な数値を選べない |
| 化学変化 | 質量比、比例 | 反応する物質の比を読み取れない |
| 天体 | 角度、時間、方位 | 図の見方と計算が結びつかない |
この表を見るとわかるように、理科の計算でよく出るのは、難しい数学というより、割合・比例・単位換算・1あたりの量です。
たとえば、密度、圧力、速さ、湿度は、どれも「何かを何かで割る」形になっています。
- 密度:体積あたりの質量
- 圧力:面積あたりの力
- 速さ:時間あたりの距離
- 湿度:飽和水蒸気量に対する水蒸気量の割合
つまり、公式を別々に暗記するだけでなく、何を基準にして比べているのかを考えることが大切です。
4. 公式を覚えたのに使えない4つの理由
公式を覚えたのに使えない人には、よくある原因があります。
公式を文字の並びで覚えている
たとえば、密度 = 質量 ÷ 体積 と覚えていても、密度が「同じ体積あたりの重さ」を表すと理解していなければ、問題文が少し変わっただけで迷います。
公式は、暗号のように覚えるのではなく、言葉に直して覚える必要があります。
| 公式 | 言葉に直す |
|---|---|
密度 = 質量 ÷ 体積 | 同じ体積あたりの質量 |
圧力 = 力 ÷ 面積 | 同じ面積あたりにかかる力 |
濃度 = 溶質 ÷ 水溶液 × 100 | 全体のうち溶けているものの割合 |
速さ = 距離 ÷ 時間 | 1単位時間あたりに進む距離 |
電圧 = 電流 × 抵抗 | 電流を流すはたらきと抵抗の関係 |
公式の意味を説明できるようになると、問題文の中で公式を選びやすくなります。
求めるものを確認する前に計算している
理科の計算でよくある失敗は、問題文に出てきた数字をすぐに使ってしまうことです。
しかし、先に確認すべきなのは数字ではなく、何を求める問題なのかです。
たとえば、質量と体積が出てきても、求めるものが密度とは限りません。密度がすでに与えられていて、質量を求める問題かもしれません。
最初に見るべきなのは、次の表現です。
- 求めなさい
- 何gか
- 何cm³か
- 何Paか
- 何%か
- どちらが大きいか
- 理由を説明しなさい
「何を答える問題か」がわからないまま計算すると、途中で式が合わなくなります。
単位を見ずに数字だけで考えている
理科の計算では、単位が大きなヒントになります。
| 単位 | 表している量 | 関係しやすい公式 |
|---|---|---|
g、kg | 質量 | 密度、濃度、化学変化 |
cm³、m³ | 体積 | 密度、気体 |
cm²、m² | 面積 | 圧力 |
N | 力 | 圧力、仕事 |
A | 電流 | オームの法則 |
V | 電圧 | オームの法則 |
Ω | 抵抗 | オームの法則 |
% | 割合 | 濃度、湿度 |
秒、分 | 時間 | 速さ、地震、音 |
たとえば、問題文に N と m² が出てきたら、圧力の可能性があります。
g と cm³ が出てきたら、密度の可能性があります。
V、A、Ω が出てきたら、電気の問題です。
単位は、使う公式を探すためのヒントです。数字だけを追うのではなく、必ず単位までセットで読みましょう。
答えの意味を確認していない
計算して数値が出ても、それが何を意味するのかを確認しないと、応用問題で弱くなります。
たとえば、密度が大きいということは、同じ体積あたりの質量が大きいということです。
圧力が大きいということは、同じ面積あたりに大きな力がかかっているということです。
理科では、計算結果を使って「なぜそうなるのか」を説明する問題もあります。
そのため、計算後には必ず次のように考えましょう。
この答えは、理科の現象として何を表しているのか。
この確認をするだけで、計算問題が単なる数字合わせではなくなります。
5. 単位を見ると使う公式が見えやすくなる
理科の計算で迷ったときは、問題文の単位を見てください。
単位は、その数値が何を表しているかを教えてくれます。
たとえば、60g は質量、20cm³ は体積です。
質量と体積があり、求めるものが g/cm³ なら、密度の問題だと判断できます。
また、10N は力、0.02m² は面積です。
力と面積があり、求めるものが Pa なら、圧力の問題だと判断できます。
ただし、単位を見るときには、単位換算にも注意が必要です。
特に間違えやすいのは面積です。
| 換算 | 注意点 |
|---|---|
1m = 100cm | 長さの換算 |
1m² = 10000cm² | 面積は縦と横があるため100倍ではない |
1kg = 1000g | 質量の換算 |
1L = 1000mL | 体積の換算 |
1cm³ = 1mL | 水溶液の問題でよく使う |
圧力の問題では、面積が cm² で書かれていても、答えを Pa で求めるときには m² に直すことがあります。
1m = 100cm だからといって、1m² = 100cm² ではありません。
面積は縦と横の両方が100倍になるため、1m² = 10000cm² です。
この換算を間違えると、答えが100倍、10000倍ずれてしまうことがあります。
理科の計算では、公式に代入する前に、必ず単位を確認しましょう。
6. 例題でわかる:密度の読み方
密度は、中学理科でよく出る計算問題です。
公式は次の通りです。
密度 = 質量 ÷ 体積
ただし、公式を覚えるだけではなく、密度を「同じ体積あたりの質量」と考えることが大切です。
例題を見てみましょう。
質量が
80g、体積が20cm³の物体があります。この物体の密度を求めなさい。
まず、情報を整理します。
| 確認すること | 内容 |
|---|---|
| 求めるもの | 密度 |
| 質量 | 80g |
| 体積 | 20cm³ |
| 使う公式 | 密度 = 質量 ÷ 体積 |
計算は、80 ÷ 20 = 4 です。
答えは 4g/cm³ になります。
ここで大事なのは、4 という数字だけで終わらないことです。
4g/cm³ とは、1cm³ あたり 4g の質量があるという意味です。
密度の問題でつまずく人は、公式そのものよりも、次の点で間違えやすいです。
- 質量と体積を逆にしてしまう
- 単位を書き忘れる
g/cm³の意味がわからない- 計算結果を物質の判断に使えない
密度は、「同じ大きさならどちらが重いか」を考える単元です。
日常のイメージとしては、同じ大きさの鉄と発泡スチロールを比べるとわかりやすいです。同じ体積でも鉄のほうが重いため、鉄のほうが密度が大きいと考えられます。
7. 例題でわかる:圧力の読み方
圧力は、公式だけでなく単位換算でつまずきやすい単元です。
公式は次の通りです。
圧力 = 力 ÷ 面積
圧力は、「同じ面積あたりにどれくらいの力がかかっているか」を表します。
例題を見てみましょう。
20Nの力が、0.01m²の面積にかかっています。このときの圧力を求めなさい。
情報を整理します。
| 確認すること | 内容 |
|---|---|
| 求めるもの | 圧力 |
| 力 | 20N |
| 面積 | 0.01m² |
| 使う公式 | 圧力 = 力 ÷ 面積 |
計算は、20 ÷ 0.01 = 2000 です。
答えは 2000Pa です。
圧力が苦手な人は、「なぜ面積で割るのか」がわからないことがあります。
これは、同じ力でも、広い面積に分散されると圧力が小さくなり、狭い面積に集中すると圧力が大きくなるからです。
たとえば、雪の上で普通の靴だと沈みやすく、スキー板を履くと沈みにくいのは、体重が広い面積に分散されるためです。
つまり、圧力では次のイメージが大切です。
| 状態 | 圧力 |
|---|---|
| 面積が小さい | 大きくなりやすい |
| 面積が大きい | 小さくなりやすい |
| 力が大きい | 大きくなりやすい |
| 力が小さい | 小さくなりやすい |
公式を覚えるだけでなく、このイメージを持っておくと、応用問題でも判断しやすくなります。
8. 例題でわかる:濃度の読み方
濃度は、割合が苦手な人にとって難しく感じやすい単元です。
公式は次の通りです。
濃度 = 溶質の質量 ÷ 水溶液の質量 × 100
ここで注意したいのは、分母が「水」ではなく「水溶液全体」だということです。
例題を見てみましょう。
水
90gに食塩10gを溶かしました。この食塩水の濃度は何%ですか。
まず、水溶液全体の質量を求めます。
水溶液の質量 = 水の質量 + 食塩の質量
つまり、90 + 10 = 100g です。
情報を整理します。
| 確認すること | 内容 |
|---|---|
| 求めるもの | 濃度 |
| 溶質 | 食塩 10g |
| 水溶液全体 | 100g |
| 使う公式 | 濃度 = 溶質 ÷ 水溶液 × 100 |
計算は、10 ÷ 100 × 100 = 10 です。
答えは 10% です。
濃度でよくある間違いは、10 ÷ 90 × 100 としてしまうことです。
しかし、濃度は「水に対する食塩の割合」ではなく、食塩水全体に対する食塩の割合です。
この違いを理解するだけで、濃度の問題はかなり解きやすくなります。
濃度の問題では、次の3つを必ず区別しましょう。
| 言葉 | 意味 |
|---|---|
| 溶質 | 溶けているもの。食塩など |
| 溶媒 | 溶かしているもの。水など |
| 水溶液 | 溶質と溶媒を合わせた全体 |
この区別ができると、公式にどの数値を入れるか迷いにくくなります。
9. 例題でわかる:オームの法則の読み方
電気の計算では、V、A、Ω という単位が出てきます。
この単位の意味があいまいなままだと、公式を選びにくくなります。
オームの法則は次の通りです。
電圧 = 電流 × 抵抗
単位で見ると、次のようになります。
| 量 | 単位 | 意味のイメージ |
|---|---|---|
| 電圧 | V | 電流を流そうとするはたらき |
| 電流 | A | 電気の流れの大きさ |
| 抵抗 | Ω | 電流の流れにくさ |
例題を見てみましょう。
抵抗が
6Ωの電熱線に2Aの電流が流れています。このときの電圧を求めなさい。
情報を整理します。
| 確認すること | 内容 |
|---|---|
| 求めるもの | 電圧 |
| 抵抗 | 6Ω |
| 電流 | 2A |
| 使う公式 | 電圧 = 電流 × 抵抗 |
計算は、2 × 6 = 12 です。
答えは 12V です。
オームの法則でつまずく人は、公式の形を1つだけ覚えていて、求めるものが変わると迷いやすくなります。
たとえば、電流を求めるなら、電流 = 電圧 ÷ 抵抗 です。
抵抗を求めるなら、抵抗 = 電圧 ÷ 電流 です。
公式変形が苦手な人は、丸暗記だけで乗り切ろうとせず、表にして整理するとよいです。
| 求めるもの | 式 |
|---|---|
| 電圧 | 電圧 = 電流 × 抵抗 |
| 電流 | 電流 = 電圧 ÷ 抵抗 |
| 抵抗 | 抵抗 = 電圧 ÷ 電流 |
電気の問題は、単位を見ればかなり判断しやすくなります。
V、A、Ω が出てきたら、まずオームの法則を疑いましょう。
10. 比例・割合・単位換算でつまずく人の共通点
理科の計算問題で苦手意識が強い人は、比例・割合・単位換算のどこかで引っかかっていることが多いです。
特に、次の考え方は多くの単元に出てきます。
| 考え方 | 出てくる単元 |
|---|---|
| 1あたりの量 | 密度、圧力、速さ |
| 全体に対する割合 | 濃度、湿度 |
| 比例 | 化学変化、電流、ばね |
| 単位換算 | 圧力、密度、速さ、電気 |
| 表やグラフの読み取り | 実験問題、地震、天体 |
たとえば、密度は「1cm³あたりの質量」です。
圧力は「1m²あたりの力」です。
速さは「1秒あたり、または1時間あたりに進む距離」です。
このように、理科では「1あたり」を求める考え方がよく出ます。
また、濃度や湿度では、割合の考え方が重要です。
割合の基本は、割合 = 比べる量 ÷ もとにする量 です。
濃度なら、比べる量は溶質、もとにする量は水溶液全体です。
湿度なら、比べる量は空気中の水蒸気量、もとにする量は飽和水蒸気量です。
理科の計算を得意にしたいなら、公式を単元ごとにバラバラに覚えるだけでなく、次のように共通点で整理しましょう。
- 割り算は「1あたり」を求めることが多い
×100がある式は割合や百分率と関係しやすい- 単位が変わると答えも大きく変わる
- 表やグラフから数値を選ぶ問題では、計算前の読み取りが重要
この見方ができると、新しい問題でも「見たことがないから無理」となりにくくなります。
11. 文章題を図や表にするコツ
理科の計算問題で文章が長いと、どの数字を使えばいいのかわからなくなります。
その場合は、頭の中だけで考えず、表やメモに整理しましょう。
おすすめの手順は次の通りです。
- 求めるものに線を引く
- 数値と単位を抜き出す
- 使わない情報を消す
- 表に整理する
- 公式を選ぶ
- 計算後に答えの意味を確認する
たとえば、次のような問題があるとします。
ある物体の質量は
150g、体積は50cm³でした。この物体の密度を求めなさい。
この問題は、次のように整理できます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 求めるもの | 密度 |
| 質量 | 150g |
| 体積 | 50cm³ |
| 使う公式 | 密度 = 質量 ÷ 体積 |
| 計算 | 150 ÷ 50 = 3 |
| 答え | 3g/cm³ |
このように表にすると、どの数字を使えばよいかがはっきりします。
長い文章題では、問題文に出てきた数字を全部使うとは限りません。
実験の説明や条件の中には、計算に直接使わない情報もあります。
だからこそ、まずは「求めるもの」と「使う数値」を分けることが大切です。
理科の文章題が苦手な人は、次の型でメモするだけでも読みやすくなります。
| メモする項目 | 書く内容 |
|---|---|
| 求めるもの | 何を答える問題か |
| 与えられた数値 | 数字と単位 |
| 単位換算 | 必要なら直す |
| 使う公式 | なぜその公式か |
| 計算 | 途中式 |
| 答えの意味 | 何を表す数値か |
最初は時間がかかっても構いません。
この型で整理する練習を続けると、だんだん頭の中でも同じ流れで読めるようになります。
12. 高校受験で理科の計算問題を落とさない勉強順
高校受験に向けて理科の計算問題を対策するなら、いきなり難しい入試問題を解くよりも、順番を決めて練習するほうが効果的です。
おすすめの順番は次の通りです。
| 順番 | 練習内容 | 目的 |
|---|---|---|
| 1 | 基本公式を意味とセットで覚える | 公式選びの土台を作る |
| 2 | 単位を見て分野を判断する | 問題文を読みやすくする |
| 3 | 代入だけの基本問題を解く | 公式の使い方に慣れる |
| 4 | 単位換算が入る問題を解く | 失点しやすい部分を減らす |
| 5 | 表やグラフを使う問題を解く | 入試形式に近づける |
| 6 | 計算結果を説明する問題を解く | 思考力問題に対応する |
| 7 | 過去問で時間配分を確認する | 本番の処理速度を上げる |
苦手な人ほど、最初から過去問ばかり解くと挫折しやすくなります。
まずは、密度・濃度・圧力・オームの法則のような基本単元で、次の一文を言えるようにしましょう。
この問題では、何が与えられていて、何を求めるから、この公式を使う。
これが言えるようになると、公式暗記から公式活用に変わります。
また、間違えた問題は、ただ答えを写すのではなく、原因を分類してください。
| 間違いの種類 | 復習方法 |
|---|---|
| 公式を選べなかった | 単位と求めるものを確認する |
| 代入する数値を間違えた | 表にして整理し直す |
| 単位換算を間違えた | 換算だけを別に練習する |
| 計算ミスをした | 小数や割り算を確認する |
| 答えの意味がわからなかった | 計算後に一文で説明する |
「間違えた」で終わらせず、「どこで間違えたか」まで見ることが、理科の計算を伸ばす近道です。
13. 学習アプリを使うなら、解いた後の記録が残るものを選ぶ
理科の計算問題を練習するとき、アプリやWeb教材を使うのも一つの方法です。
ただし、動画を見ただけ、解説を読んだだけでは、公式を使えるようになったとは限りません。
大切なのは、実際に自分で解き、間違えた原因を確認することです。
学習サービスを使うなら、次のような点を見るとよいでしょう。
- どの単元を学習したか残る
- 間違えた問題を振り返れる
- 継続しやすい
- 無料で始められる
- 学習行動が自分に返ってくる
完全無料で利用できるDailyDropsのように、学習行動がユーザーに還元される共益型プラットフォームを選択肢の一つにすると、ただ問題を解くだけでなく、自分の積み上げを確認しやすくなります。
理科の計算問題は、1回理解しただけで急に得意になるものではありません。
公式を覚える、問題を読む、単位を確認する、間違いを分類する、もう一度解く。この流れを続けることで、少しずつ「公式を知っている」から「公式を使える」状態に近づいていきます。
14. よくある質問
Q1. 理科の計算問題は、数学が苦手だと伸びませんか?
伸びます。
中学理科でよく使う数学は、割合、比例、割り算、小数、単位換算などにかなり絞られます。数学全体を完璧にしようとするより、理科でよく使う計算に絞って練習するほうが現実的です。
Q2. 公式を覚えているのに、問題になると使えません。
公式を覚えるときに、意味と単位をセットにしましょう。
たとえば、密度なら「同じ体積あたりの質量」、単位は g/cm³ です。
圧力なら「同じ面積あたりの力」、単位は Pa です。
公式だけでなく、「何を表す式なのか」まで言えるようにすると、問題文の中で使いやすくなります。
Q3. 問題文が長いと、どの数字を使うかわかりません。
まず、求めるものに線を引いてください。
次に、数値と単位だけを表に抜き出します。
文章題は、頭の中だけで処理しようとすると混乱します。
「求めるもの」「与えられた数値」「単位」「使う公式」に分けるだけで、かなり読みやすくなります。
Q4. 単位換算は何を優先して覚えるべきですか?
まずは、よく出るものに絞りましょう。
| 換算 | よく出る場面 |
|---|---|
1kg = 1000g | 質量 |
1L = 1000mL | 水溶液 |
1cm³ = 1mL | 体積 |
1m = 100cm | 長さ |
1m² = 10000cm² | 圧力 |
1分 = 60秒 | 速さ、地震 |
特に 1m² = 10000cm² は間違えやすいので、圧力の前に必ず確認しておきましょう。
Q5. 理科の計算問題は、何問くらい解けばできるようになりますか?
問題数だけでは決まりません。
大切なのは、解いた後に「なぜ間違えたか」を確認することです。
目安としては、1つの単元につき基本問題を10〜20問ほど解き、間違えた問題をもう一度解き直すとよいです。答えを写すだけの100問より、原因を確認した20問のほうが力になることもあります。
Q6. 高校受験では、理科の計算問題を捨てても大丈夫ですか?
おすすめしません。
理科の計算問題は、密度、圧力、電流、濃度、化学変化、地震、湿度など複数の単元に出てきます。すべての難問を解ける必要はありませんが、基本問題を取れるようにするだけで得点の安定につながります。
苦手な人は、まず密度・濃度・圧力・オームの法則から始めるとよいでしょう。
Q7. 公式一覧を暗記すれば十分ですか?
公式一覧は便利ですが、それだけでは不十分です。
公式を見て「何を求める式か」「どんな単位が出るか」「どんな問題で使うか」まで確認しましょう。
公式一覧は、暗記用ではなく、問題を解いた後の確認用として使うと効果的です。
15. まとめ:公式を覚える勉強から、公式を使う勉強へ変えよう
理科の計算問題が苦手な人は、計算力だけが原因とは限りません。
多くの場合、つまずいているのは、公式に代入する前の読み取りです。
- 何を求める問題か確認する
- 数値と単位を抜き出す
- 単位をそろえる
- 公式を意味で選ぶ
- 計算する
- 答えの意味を確認する
この順番を守るだけで、問題文の見え方は変わります。
理科の計算では、公式をただ覚えるのではなく、意味と単位をセットで理解することが大切です。
密度は、同じ体積あたりの質量。
圧力は、同じ面積あたりにかかる力。
濃度は、水溶液全体に対する溶質の割合。
オームの法則は、電圧・電流・抵抗の関係。
このように言葉で説明できるようになると、公式は暗記しただけの知識ではなく、問題を読むための道具になります。
いきなり難しい入試問題を解く必要はありません。
まずは基本問題で、「なぜこの公式を使うのか」を一文で説明する練習から始めましょう。
公式を覚える勉強から、公式を読んで使う勉強へ。
その切り替えができると、理科の計算問題は少しずつ「わからない問題」から「手順通りに解ける問題」に変わっていきます。