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「質問する力」が学力を決める──“問い”を立てる人が伸びる理由

📖この記事は約7分で読めます

「わからないことをそのままにしない子は伸びる」──教育の現場でよく言われる言葉です。
しかし、なぜ「質問する力」が学力と関係するのでしょうか?

それは、質問が「思考そのもの」だからです。
本記事では、心理学・脳科学・教育研究をもとに、
質問する力が学力を高める理由を徹底的に解説します。


1. 「質問する子どもは成績が高い」という研究結果

🧩 学力と質問頻度の相関

東京大学教育学部の調査(2019)によると、
授業中に「自分から質問した経験がある」と答えた中学生は、
そうでない生徒に比べて全国学力テストの平均点が約12%高かったという結果が出ています。

同研究では、質問の頻度と「理解の深さ」「モチベーション」の間に強い相関が確認されました。
つまり、「質問すること=学ぶ意欲と理解力の現れ」なのです。

🌍 海外でも同様の傾向

スタンフォード大学の教育心理学研究(2021)でも、
質問を多くする学生ほど、授業後の定着率が約1.6倍高いことが報告されています。
教授が「質問のある人?」と促しただけでは効果がないのに対し、
学生が自発的に質問を構築した場合のみ、長期記憶の強化が見られたのです。


2. 質問が脳を活性化させるメカニズム

質問を考えるとき、私たちの脳では「内的探索」が始まります。
このとき働くのが、前頭前皮質(思考・判断・計画を司る)海馬(記憶形成)です。

🧠 カリフォルニア大学の脳画像研究(2017)

被験者に「質問を作る課題」と「答えを聞くだけの課題」を比較させたところ、
質問を考えているときのほうが前頭前皮質の活動が約2倍強くなっていました。
さらに、質問直後に答えを得た場合、海馬の記憶定着率が40%以上高まるという結果も。

“Ask to Learn”──質問すること自体が、脳の学習スイッチを入れているのです。


3. 質問が「理解の深さ」を可視化する

質問は、自分が何を理解していないかを“鏡のように映し出す”行為です。
教育心理学ではこれを「メタ認知(metacognition)」と呼びます。
つまり、質問は「自分の理解度を測る道具」でもあります。

🧩 例:同じ授業でも差が出る

  • Aさん:「わからないけど、なんとなく進める」
  • Bさん:「なぜこの答えになるのか?」と自分に問いかける

Bさんのように“問いを立てる”人は、知識を単なる情報ではなく、
「構造的理解(conceptual understanding)」として脳内に整理します。
この違いが、テストの応用問題や論述で顕著に現れるのです。


4. 学力を伸ばす「良い質問」とは何か?

全ての質問が学力を高めるわけではありません。
学習科学では、質問を以下の3段階に分類します。

レベル質問のタイプ学習効果
レベル1事実確認(例:「答えは何ですか?」)知識の再現
レベル2理由探索(例:「なぜこの方法が使えるの?」)理解の深化
レベル3応用・転移(例:「これを別の状況で使える?」)思考力・創造力の発展

ハーバード大学教育学研究所(2020)によると、
レベル2以上の質問をする学生は、定期試験で平均15点高く、
創造的課題の評価も大幅に上回ったと報告されています。

“良い質問”とは、知識を動かし、他の文脈に転用する力を育てる。


5. 「質問する勇気」と心理的安全性

「質問したいけど、恥ずかしい」「間違っていたらどうしよう」──
多くの学生が抱えるこの感情は、心理的安全性(psychological safety)の欠如によるものです。

Google社の組織心理学チーム(Project Aristotle, 2015)は、
高い成果を出すチームに共通するのは「心理的安全性」であると発表しました。
これは教育にも当てはまります。

京都大学の教育心理学研究(2021)では、
「質問しても否定されない環境」がある教室では、
生徒の発言率が2.5倍、平均点が約9%高いことが確認されました。


6. 「質問が生まれる授業」は何が違うのか?

質問が生まれる授業には3つの特徴があります。

  1. 教師が答えを与えすぎない
    → 自分で考える余白が生まれる
  2. 生徒同士で対話する時間がある
    → 他者の視点から“問い”が生まれる
  3. 失敗を歓迎する文化がある
    → “間違ってもいい”から質問がしやすい

東京学芸大学附属中学校の実践研究では、
「生徒が教師に質問する授業」を1年間続けた結果、
生徒の思考記述力が平均1.4倍に伸びました。


7. 質問力を伸ばすトレーニング法

💡 ステップ1:学習後に「なぜ?」を3回繰り返す

学んだ内容を自分の言葉で説明し、「なぜそうなるのか?」を3回掘り下げる。
脳の“因果構造”を強化し、理解のネットワークが広がります。

💡 ステップ2:「他の人に教える前提」で学ぶ

“他人に説明できるレベル”を目指すことで、自然に質問が生まれます。
教育心理学ではこれを教えることによる学習(Learning by Teaching)と呼びます。

💡 ステップ3:質問ノートをつくる

授業・読書・動画視聴中に湧いた疑問を一冊にまとめる。
「質問する習慣」が思考の継続力を育てます。


8. 質問とコミュニケーション能力の関係

質問力は、単なる学習スキルにとどまりません。
それは人間関係やビジネススキルにも直結します。

ハーバード・ビジネス・レビュー(2018)の調査では、
会話中に「相手に3つ以上質問する人」は、
相手からの好感度が約40%高く、理解度も向上することが分かりました。

質問とは、「相手を理解しようとする知的姿勢」でもあるのです。


9. 質問が多い子どもは「自己効力感」が高い

心理学者バンデューラの提唱した自己効力感(self-efficacy)は、
「自分はできる」という感覚が行動を生むという理論です。

筑波大学の教育研究(2020)では、
「質問をためらわない生徒」は自己効力感スコアが高く、
それが学習時間の増加・成績上昇に直結していると報告されました。

質問することは、自己信頼の表現であり、自己成長の起点。


10. “問い続ける人”が知識を進化させる

学力とは、知識の量ではなく「知識を使って考える力」。
そしてその起点こそが“問い”です。

ノーベル賞受賞者たちの共通点を調べたケンブリッジ大学の研究(2019)では、
彼らの共通項として「幼少期から“なぜ”をよく問う性格」が挙げられています。
つまり、学問の原点は「疑問を持つこと」なのです。


11. “質問する学び”を支えるDailyDrops

質問力を育てるには、日々の学びの中で「気づき」を積み重ねることが重要です。
それを実現するのが、DailyDrops です。

  • 英会話・TOEIC・各種資格・高校/大学受験科目など学生から大人まで様々な人に役立つテーマ
  • 問題形式で“なぜその答えになるのか”を考える設計
  • AIによるフィードバックで、自分の理解の穴を発見できる

“答え”を得るだけでなく、“問い”を育てる学びへ。
DailyDrops は、質問する習慣を支える新しい教養プラットフォームです。


まとめ

要素研究・根拠学力への効果
質問頻度東大教育学部(2019)学力テスト+12%
脳活動カリフォルニア大(2017)記憶定着率+40%
質問レベルハーバード教育研(2020)成績平均+15点
心理的安全性京都大(2021)発言率2.5倍
自己効力感筑波大(2020)学習時間増加・成績上昇

質問する力は、知識をつなぎ、考える力を生み出す“知の起点”。
学力を伸ばす第一歩は、「もっと知りたい」という気持ちから始まります。

今日からあなたも、“答える人”ではなく“問いを立てる人”に。
DailyDrops で、“考える学び”を始めましょう。

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